2014/02/26

楽農くらがき通常総会

22日、午後6時から農事組合法人 楽農くらがき通常総会。




平成26年(第13期)は、原点に戻って、農業を楽しみながら地域貢献を目指します。

農家民泊など、積極的な都市住民との交流にも力を入れます。

欧風ダイニング クッチーニ

丹後のおいしいお店を訪ねて

22日のお昼は、夫婦で欧風ダイニング クッチーニさんでした。



僕は肉料理

            妻は魚料理

            スィーツはランチの後に


新宿駅最後の小さなお店ベルク

「新宿駅最後の小さなお店ベルク」を読了しました。



ベルクは新宿駅東口近くの一等地にある個人店。
どんな商売をしても有利な好立地だとも思えますが、
この本を読めば、簡単ではないことがわかる。

はじめることよりも維持することのほうが難しい。
「四六時中ものごとを良好な状態に保つために費やされるエネルギーが真の活力である(エリック・ホーファー)」
気を抜かずに努力し続けなければならない。

大手チェーンのフランチャイズにできないことに価値がある。

大変だけど、個人店だからできる創意工夫と、
こだわりに徹して信用を得るための努力。
そこから生まれるお客さんとのつながり。

個人がお店を経営するために不可欠な心構えと、
生き残るための戦略が書かれています。

8時間睡眠のウソ

「8時間睡眠のウソ」を読了しました。



・8時間睡眠が良いとは限らない。
・深い睡眠が良い睡眠とは限らない。
・日本人の体内時計は平均24時間10分。そして個人差がかなりある。
・こま切れの睡眠はNG。
・眠くなるまで寝室に向かってはいけない。・・・
など、最新の正しい睡眠の知識が得られ、また、日本の睡眠から社会の歪と課題が分かる本。

日本以外の先進国ではワーキングマザーの睡眠時間は夫よりも長く、女性が大切にされている。
しかし、日本人は世界屈指の睡眠不足の国であるだけでなく、女性より男性が長く眠っている唯一の国で、働く女性の睡眠時間は先進国最低でもある。

睡眠から見ると日本は世界一働く女性が生きづらい国になってしまっている。

そして、その影響は子ども達に及び、2000年で3歳児で午後10時以降就寝が52%、6歳児も52%と就寝時間がどんどん遅くなっている。

夜型になっても、それはそれで体は対応できるが、朝、起きる時間は縛られているから、どんどん睡眠不足になっていて、学習障害やキレる一因ともなっている。

母親と子ども達の睡眠不足についての警告を真剣に受け止めなければいけない!

人を集める15の方法

20日は、人を集める15の方法 
   ~全国の先進事例から~ 「交流と誘客による地域づくり」実践セミナー に参加。




基調講演
「観光を通じた持続可能なまちづくり~地域総参加の魅力向上~」
桑野和泉さん(株式会社玉の湯代表取締役)
大分県湯布院町(現由布市)生まれ。平成7年4月に株式会社玉の湯専務取締役、平成15年10月同社代表取締役社長に就任。宿は外と中がつながる場、自然と調和し、暮らしの延長にある温泉地として、他のリゾート地とは異なるブランドを確立。社団法人ツーリズムおおいた初代会長(現在、副会長)。さらに由布院温泉観光協会会長としても活躍。 


【分科会3】
●テーマ「交流・移住」
これまで見過ごされていた地域資源を活かして地域ブランドをつくっている島根県海士町や岡山県の英田上山棚田団、また移住相談を移住者と協働で取り組んでいる千葉県いすみ市など、多彩な方面から人を呼びこみ定住につなげるしかけづくりについて考える。

●県外事例:
青山 富寿生さん(島根県海士町交流促進課 課長)
観光による地域づくりを中心に、U・Iターン者を全国から募集、島の資源を活用した特産品、島外からの学生を受け入れる島留学など島ぐるみで取り組む。



海老根 良啓さん(千葉県いすみ市企画政策課 課長補佐
牧野 麻衣子さん(千葉県いすみ市企画政策課地域プロモーション室 主任主事)
平成21年10月より、移住相談案内所「いすみ暮らしサロン」を設置し、毎週日曜日、移住者と行政担当者がペアになり移住相談を受け付けている。主体である「いすみ市定住促進協議会」は行政、市民、NPOなどで運営され、地域全体で移住対策に取り組む。




●県内事例:
西口 和雄さん(一般社団法人上山集楽 代表理事)
美作市上山で棚田・森林再生、古民家再生や稲刈り体験ツアーなどを実施し、全国からも注目を集め、メディアにも数多く取り上げられている。




千葉 吉史さん(株式会社美和リーフ 代表取締役)
農業法人を経営する傍ら、岡山大学の学生サークルEVOと農家をつなぎ、農業体験を行うと同時に、街の消費者へ野菜を届け、後継者不足の農業に若い人材を送り込んでいる。




●コーディネーター:
仲田 芳人さん(かのさと体験観光協会 事務局長)
平成14年に中四国で初となる民間のグリーンツーリズムの企画受入団体「かのさと体験観光協会」を設立し、事務局長に就任。地域の自然、農林業、生活文化などの地域資源を生かし、地域住民との交流を取り入れた体験プログラムを企画し、60%を超えるリピート率を誇る。

2014/02/22

観光都市・京都の可能性と、世界からみた京都

19日の夜、Global Vision「観光都市・京都の可能性と、世界からみた京都」〜最新ケーススタディから考えるこれからの取り組み〜に参加しました。


まずは、お坊さんの世界経済フォーラム(ダボス会議)見聞録!

お坊さんがダボス?と思った人は、日本だけの常識、世界の非常識にどっぷり浸かってます。


経済は文化や宗教の土台の上に成り立っています。

ダボス会議には政治やビジネス、金融のリーダーだけでなく、宗教指導者や市民活動家、学者など2500人余が集まり、朝7時から夜12時まで、セッションに分かれて会議をします。


日本仏教会を代表してダボス会議に参加された、妙心寺退蔵院の松山さんは、2003年に東京大学大学院農学生命科学研究科を修了され、埼玉県新座市・平林寺にて3年半修行生活を送った後、2006年より退蔵院副住職を務められています。

外国人に禅体験を紹介するツアーを企画するなど、新しい試みに取り組み、2008年には退蔵院にてG8サミットシェルパ会議一行を受け入れています。

また、外国人記者クラブや各国大使館で多数講演を行うなど、海外への日本文化の発信と交流が高く評価され、2009年5月に政府観光庁Visit Japan 大使に任命されています。
また、2011年よからは京都市「京都観光おもてなし大使」でもあり、僧侶の立場から熱心に京都のブランド向上に取り組んでおられます。

ダボス会議で多くの人から受けた質問は、原発ではなく「日中関係」だそうです。
世界の多くの人が日中関係に不安を抱いていることに、日本国内との温度差を感じられたそうです。


観光はSeeingからDoing、そしてBeing。
和食はヨーロッパの味覚に合うように加工されて広まっていて、日本人を見る目も、ほんの10年前と大きく変わっている。

日本仏教の信者はヨーロッパで増えていて、スティーブ・ジョブズのように座禅などに関心が高いだけでなく、精神的な文化が求められている。

ミラノの大聖堂や、バルセロナのサグラダファミリアなど、世界の観光都市と宗教から見た精神的な視点で、文化の重みは大切。

現代社会にあって、多くの人が迷いをかかえている。

ほかにも外から日本を見ることの大切さや、視点の違いから見えてくる可能性など勉強になりました。

楽農くらがき役員会

第13期を迎えます。
18日は、農事組合法人 楽農くらがきの役員会でした。



通常総会に向けて、平成25年の事業・決算報告と、平成26年の事業計画、役員改選が議題です。

設立当初に予測していたよりも、高齢農家の方々のがんばられてきたので、奥大野の農地は守られていますが、高齢農家の耕作地縮小が相次ぎ、いよいよ大変になってきました。

散らばった農地を維持するのは、獣害防除や草刈り、水の管理と負担が多いのですが、高齢農家がつくりやすい条件の農地を維持してもらっていることで、何とか回っています。

行政などは、農地集約など効率的な農業をいいますが、そのことで高齢農家に負担がかかると、さらに縮小されるだけです。

耕作面積を増やしていくために農業施設の拡充や就農者を求めなければならないのでしょうが、農政の先が見えないなかで、個人でやるならば自己責任で納得すれば進む話ですが、いろいろな縛りもあり難しい問題です。

2014/02/17

大雪とPM2.5

関東の大雪は中国大陸から偏西風に乗ったPM2.5が影響しているのではないだろうか?

1月の日経の記事に、太陽活動が弱まると、磁場シールド効果が弱まり、宇宙線と衝突した大気汚染物質が雲のもととなる核をつくりやすくなり、大量の雲が発生する。そして、雲によって太陽光が反射してしまうので、地表の気温が下がると書かれていた。

2012年から2013年にかけて、増えるはずの太陽の黒点が減り、太陽活動の異常な低下が続いているそうだから、PM2.5が核となって雲をつくりやすくなっていると考えてもおかしくないように思う。

過去を見ても、1645年から1715年にかけての70年間、太陽の活動が著しく低下し、気候が大きく寒冷化したことが知られている。

ヨーロッパ・アルプスでは氷河が前進して村が飲み込まれ、ロンドンでは冬季にテムズ川が凍結し、人が歩けるほどの厚みに氷が張ったという記録が残っていて、この寒冷化により世界各地で飢饉が起き、欧州ではペストの流行で多数の死者が出ている。

太陽観測のデータから、地球の気候が寒冷化するという予測がある。そうならば温暖化どころの騒ぎではなくなるように思う。

そうでなくても、中国のPM2.5が、汚染物質混じりの雨と雪を日本に大量にもたらす可能性はある。

太陽活動が活発になり、そうならないことを期待しよう。

ロラン島のエコ・チャレンジ

「ロラン島のエコ・チャレンジ」を読了しました。


腐ったバナナと呼ばれるほど、ロラン島は、砂糖工場の閉鎖や1987年の造船所撤退後、高い失業率と財政赤字に苦しむお荷物自治体でした。

そんなロラン島を風力発電が生き返らせます。

個人の風車による発電から、風車協同組合設立の活動がはじまり、この本が書かれた時点で、陸上に264基の風車があり、トータルで149.82メガワットの発電をしています。

平地のロラン島は安定した風に恵まれ、さらに広がる浅瀬の洋上風力発電も電力会社により大規模に取り組まれています。

しかし、残念ながら、丹後では風力発電は参考にはなりません。

参考になるのは、協同組合と風力発電以外の新たな挑戦です。

・単純に電気をたくさん売ったら儲かるのではなく、顧客が省エネに取り組むことで利益が出る省エ ネが電力販売にプラスに働くシステム。
・夜間に余る電力などを活用した電解水素によるコージェネレーションプロジェクト。
・藻を活用したグリーンバイオマス。
・洋上に浮かぶ波力と風力のハイブリッド発電。
・地域全体をエネルギー・ラボ。・・・など

再生エネルギーに関心のある方は是非読んでください。

2014/02/16

mix ミクタン day

15日の夜は「mix ミクタン day」に参加。


今年のミクタンの開催日は、5月17 ・18 ・19日(土・日 ・月)と、5月24 ・25 ・26日(土・日 ・月)です。

ミクタンへ参加するためには「mix ミクタンday」への参加が必須となっていて、参加メンバーとの懇親を深めながら、アドバイスをいただいたり、コラボしたり、楽しいつながりをつくっていきます。


今年は、「よみがえりのレシピ」上映企画でミクタン2014に参加します。

思いのある人達がたくさん集い、
楽しみながら進めることができる環境がある丹後はいいですね。




*ミクタンとは・ ・ ・ ・ ・ mixひとびとtangoのホームページから

自由に京丹後を歩いて、ひと・もの・自然や風景との出会いを楽しもう。
地元の人も旅人も一緒に、ゆったりした時間を過ごしたい。
日々の暮らしの中にこそ、素晴らしいこと・美しいもの・伝えたい大切なものがあり、
それらを一緒に見つけ楽しみたい。
これが、mixひとびとtangoの目標です。

2009年、6人のエンジンメンバーがお声をかけたり、
またお声をかけた方からつながりが広がっていき、
30軒の参加メンバーが集まりました。
今年で5年目、45軒の参加メンバーが集まっています。

京丹後市のあちこちで、ホスト役の参加メンバーが、
それぞれのおうち・工房・お庭・お寺・神社・酒蔵・田んぼや畑・カフェ・海辺・お店をオープンにして、地元から、遠くからの旅人をお待ちしています。

どうぞ、5月の爽やかな風のように、足の向くまま、気の向くまま、
京丹後や丹後半島を楽しみませんか。
主役は、みなさんと参加メンバー。
舞台は、草を結び 人を結ぶ 豊かな土地。
世界の田舎ナンバーワン・オンリーワンの京丹後・丹後半島です。

ジャムセッション3rd

15日の午後は、丹後を面白くするいろんなアイデア(夢)を持ち寄って、みんなが参加して前向きに創り上げていくジャムセッションの3rd。

今回は石崎さん(京都新聞記者)の「聞く力 伝える力」の講演からスタート。


話をしたからといって、相手に伝わっているとは限らない。聞く力がなければ伝えきることができず、伝える力がなければ思いを聞きとることはできない。伝えたいことをわかりやすく・・・わかっているけど、なかなかできていないことです。

そして、ソーシャルネットの時代だからこそ、「聞く力 伝える力」は交流を広げ、ネットワークを補完します。

また、地域の課題や市民のニーズが多様化し、人のつながりも薄れたなかでは、より伝えること、聴くことにデリケートに気を使う必要があります。

石崎さんの講演後、7人が前に出てアイデアを伝えます。



7つのアイデアについて、他の参加者がそれぞれテーブルに分かれてアドバイスやメッセージを加えながら、アイデアを形にしていきます。


50人以上が聞く力と伝える力を活かしながらの創造的なセッションでした。

みんな集中していて、今回も4時間半がアッという間に過ぎました。
 

2014/02/12

幸福度と経済

ある方が書いていた。

デンマークは国連が2013年に発表した「幸福度報告書」で1位になった。ちなみに日本は43位、GDP第1位のアメリカは17位、第2位の中国は90位以下だった。より多く稼ぐことと、「幸せを感じ、幸せに生きていくこと」はイコールではないことがより明確になった・・・・・これは間違いだ!

国民一人あたりのGDPでは、デンマーク6位、アメリカ10位、日本12位、中国88位。国民一人あたりGDPを見れば、より多く稼ぐことと「幸せを感じ、幸せに生きていくこと」は強くリンクしている。それは、国連の発表した幸福度を測るカテゴリーを見てもわかる。

国連の幸福度を測るカテゴリーは、
 国民一人あたりのGDP(経済)
② 平均寿命及び健康度
 人生の選択における自由度
 困った時に頼れる人がいるかどうか
 汚職の少なさ
 寛容さの度合


多くの人に影響を与える立場にある人が、経済が好きじゃないからといって経済から目をそらすのではなく、経済(お金を稼ぐこと)が大切だということは正しく認識して欲しい。そして、正しく認識した上で、なぜ日本の幸福度が43位なのかを考えて欲しい。そうしなければ、結果は間違ってしまう。

市民がつくった電力会社

「市民がつくった電力会社」を読了しました。


ドイツのシェーナウという小さなまちの市民の挑戦!

チェルノブイリで原発事故が発生したが、政府や電力会社は情報を公表することなく、対策についても何もなく、政治に期待しても何も起こらなかった。

何も起こらないことに納得がいかず、脱原発を大きな政治に期待するのは無理と考えて、小さいところからはじめようと、「原子力のない未来のための親の会」を結成して市民運動で賛同者を募っていきます。

そして、電力の利権構造との戦いにも負けることなく、ついには協同組合形式で電力会社を設立して送電線を電力会社から買い上げることに成功します。

現在扱っている電力の大部分はノルウェーの水力発電から購入している電力ですが、徐々に自社製やドイツ国内で発電した電力が増えています。

胸のすく実話で、ドイツの環境問題へのたくさんの取り組みや、シェーナウ電力会社作成の「原子力に反対する100個の十分な理由」の要約バージョンも掲載されています。

小さくはじめて大きくしていくことが正解のようです。

2014/02/11

タネが危ない

「タネが危ない」を読了しました。


「よみがえりのレシピ」というドキュメンタリー映画では、地域でほそぼそと受け継がれてきた在来作物を活かすことで、地域再生への光があてられています。
手間を惜しまずタネを守り続ける農家の人たちがいて在来種は守られています。

タネを守る!

著者の野口勲さんは、野口育苗研究所(種苗店)の代表で、親子3代に渡り、在来種・固定種、全国各地の伝統野菜の種を扱う種苗店を経営されています。

日本では、大手種苗メーカーによるF1種という人工的に掛け合わされて1代限り同じものができるタネがほとんどであり、F1種というタネからは揃いが良くて出荷に有利な野菜が育ちますが、自家採種することはできず、タネを毎年買わなければなりません。

日本の農家がF1種の種を使うようになってから、海外でも日本から輸出された同じF1種のタネを使って、日本で消費されている野菜が生産できるようになり、輸入されるようになっています。

しかし、野菜タネのほとんどをF1種にしてしまったのは日本ぐらいで、たとえばフランスでは7割程度が現在でも固定種とのことで、固定種は個性が強く、その多様性が地域の農業を守ってもいます。F1では同じ品質の野菜が大量につくれますが、モノカルチャー化してしまう欠点があります。

また、野口さんはF1技術の「雄性不稔」という方法に対して警鐘を鳴らしています。

雄性不稔はミトコンドリア遺伝子の異常から産まれており、人に例えると男性の無精子症です。
F1のタネ取りには受粉にミツバチが活用されていていますが、F1のタネとりにミツバチが活用されるようになってから、ミツバチの不妊が報告されていることについて、F1と不妊との関連性を疑っています。

そして、もちろん遺伝子組み換えにも警鐘を鳴らしています。

固定種を守る取り組みが必要です。
地方の野菜と食文化を守るために、家庭菜園では固定種を使うことを提言しています。


奥大野農事組合総会

きょうは奥大野農事組合総会に出席しました。


昨年、我が家の裏の農地(耕作放棄農地)を新たに借りて耕作面積が10アール以上になったので、組合員となりました。

今のところ新たな農地は獣害に負けていますが、今年は二重に防除対策をして、獣害を乗り越えて有機野菜をつくっていきたいと思います。

植えない森づくり

「植えない森づくり~自然が教える新しい林業の姿」を読了しました。

ドイツでは、林業は主要産業ですが、日本のような皆伐や植林を行なわず、自然再生するだけ択伐しています。

明治以降、日本の林業はドイツ林業を取り入れたはずですが、一時的な考え方しか取り入れることなく、その後のドイツ林業の方向とは大きく異なる方向に進み、放置され荒れ果てた山林も多く衰退しています。

ドイツに比べ温暖で湿潤な日本では、植林をしなくても森林の再生が早く、松枯れの松林の後も自然に森林が再生されており、無理に植林する必要がないという著者の主張は理解できます。

また、杉や桧の造林が根が浅く土砂崩れなど災害の危険性があるのは、実生の木の苗には真下に伸びる直根があるが、植林に使われる多くの苗が挿し木により育成されたため、根が枝のように横にしか張らないためであることや、山は木の畑ではなく、現在の人工林の森林形態そのものが異常なものであること、超密林の吉野や北山が特殊な林業であることなど、勉強になります。

植えない林業がかつての日本でも進められていました。植えない森づくりで複層混交林による多面的機能を持った森林を再生していかなければなりません。

2014/02/10

月3万円ビジネス

「月3万円ビジネス~非電化・ローカル化・分かち合いで愉しく稼ぐ方法」を読了しました。

本のタイトルを見て月3万円稼いでも食べていけない・・・そう思われるかもしれませんが、3万円の稼ぎの副業的なビジネスを10個運営できれば、月30万円の稼ぎになり、田舎でなら充分生活が成り立ちます。

帯には、Localizationと書かれ、これからは地域循環型!小さなビジネスとありますが、グローバル社会で持続的にローカルで3万円の稼ぎを持続させるには、発想と努力が必要になります。

著者は、月3万円の片手間的なビジネスの実例を挙げ、地方で仕事を創るセオリーを解説していて、共感できます。

但し、この本に書いてあるように3万円のビジネスを複合的に組み合わせて運営することができるひとは、一つのビジネスで充分な稼ぎをあげて余裕を持って生計を立てることができる能力があるひとでもあると思います。

決して甘くはないですが、田舎で生きていくには愉しく生きていく方法のヒントでもあります。


里山がひらく持続可能社会

昨日は、龍谷大学・里山学研究センター シンポジウム「里山がひらく持続可能社会」に参加しました。



 基調講演は、髭を蓄えた藻谷浩介さんの「里山資本主義とは」でした。

里山資本主義をマネー経済に対峙するサブ経済として、多様性のなかで考える大切さを話されていましたが、このシンポジウムが薪など里山そのものの利用がテーマであったので講演時間が45分では短すぎました。

 続いて、龍谷大学里山学研究員の奥敬一さんの「薪が切り拓く里山の未来」。

戦後、エネルギーとして薪が使われなくなって、里山の新陳代謝が悪くなっています。里山に人がはいり、広葉樹を伐採して利用することで若返らせることが必要です。


活発な広葉樹林では伐採しても、根株からびっしりと芽が萌芽し、成長して行く根株からの萌芽更新と、樹木が伐採されたことにより地表に太陽光が届き、周囲に落下していた種子から天然更新が進むので、植林の必要はありません。

多くの里山の森林が、定期的に伐採を行っても萌芽更新により再生する持続的な資源だったので、地域で管理されている入会地も多かったようです。

かつて活用されていたように、里や物広葉樹を使って実験がされています。伐採1年後の萌芽更新も確認されています。


 Hibana代表取締役の松田直子さんの「薪炭革命」。

京都の町屋と里山をつなげる。京の町屋では煙が近所迷惑になるので、間伐材や製材端材を加工した木質ペレットの利用を進められています。

ペレットストーブは電気で空気を供給して効率よく燃焼させ排気するので煙は出ないそうです。
都市部の暖房で化石燃料を使わずに木のぬくもりを感じてもらえるのはペレットストーブしか方法がないのかもしれませんが、ペレットをつくるのに化石燃料を使う必要があるので、少し複雑です。煙突が許される環境なら薪ストーブのほうがよりエコであると思います。



この後、龍谷大学文学部教授丸山徳治さんの講演「持続可能社会の条件と里山的自然」。
明治以来、江戸時代18世紀以降の日本各地に発達した伝統的森林管理法をかなぐり捨てて、ドイツ林学とを取り入れながら、ドイツ林学が20世紀に入ってから生態学の知見と結びつきながら大きく発展したことを無視した延長線上に戦後の拡大造林があり、里山を崩壊させてきたこと。
複層混交林を基本とした多面的機能により森林・里山は再生産され持続可能となること。持続可能社会を追求することが、未来世代への責任を持った人間らしい課題であることを主張されていました。

最後に、パネルディスカッション「里山がひらく持続可能社会」があり、里山資本主義とTPP、政治との関わりや、都会育ちの学生にとっての里山についての意識などが議論されました。
断定的な二分法的思考から抜け出し、多様性を受け入れることから「里山がひらく持続可能社会」へと進むことができます。

2014/02/04

生活保障

「生活保障」を読了しました。




各国の社会保障政策や雇用施策の成り立ちや課題が比較分析されていますが、日本は政府への信頼が低く、そのことが、北欧型の高負担・高福祉ではなく、小さな政府による格差縮小という矛盾した声を大きなものにし、結果的に格差を広げています。


著者は、雇用と社会保障の望ましい連携のあり方やベーシックインカムを論じながら、日本での生活保障の仕組みをどのように再構築すべきであるかを提示しています。

来るべき民主主義

「来るべき民主主義」を読了しました。



現状の議会制民主主義の欠陥。
立法府であり意思決定機関である議会に住民は代表を選出する。そして行政は執行機関であるはずだが、現実は執行する以上に行政が物事を決めていて議会はお墨付きを与えるだけだと著者は見ている。
しかし、そうすると、実質的に住民は意思決定に参画できない。これで本当の民主主義といえないので、行政へ住民が参加できる制度が必要となる。・・・残念だが議会改革は実効をともなっていない。

江戸の食文化

「江戸の食空間」を読了しました。



この本を読んで、日本人のファーストフード好きの根源が理解できた。
だから、日本はスローフード運動発祥の地とは成り得ず、ファーストフードは全国津々浦々に広がった。

参勤交代制度は全国に文化交流をもたらし、消費社会をつくりあげた。
武士ではなく町人の天下・・・しかし、百姓は下だ。

江戸は東京に名を変えたけど、その後も中心であることに変わりはない。

食と文化の謎

「食と文化の謎」を読了しました。



インドでは牛を食べず、イスラムでは豚を食べない・・・これらの食のタブーの源泉を辿って行くと、牛を飼育するのに適した地域だったのか、豚を飼育するのに適した地域なのかといったコストとベネフィットの問題に行き着く。そして、後から宗教などで食物忌避が理由付けされていく。

ミルクを飲む文化(人がラクターゼ酵素を持つ)は、ミルク以外にカルシウムなどの摂取が困難な環境にあったからで、日本人の大人がミルクを苦手なのは、ミルクに依存しなくてもカルシウムなどの栄養素を小魚などから摂取できたから。

しかし、食の文化は経済のグローバル化に伴い大きく変化しようとしている。

「京都村」づくり交流会

2日は、ガレリア亀岡で開催された「京都村」づくり交流会に参加しました。


第1部の講演は、逆手塾の和田芳治会長を講師に「里人(さきもり)になろう」。

藻谷さんの「里山資本主義」に取り上げられた、庄原市でのエコストーブや優輝福祉会のまちづくり型福祉の活動など逆手塾メンバーの活動など、和田節が炸裂しました。



また、渡邉格さんの「腐る経済」の本を片手に、パン屋タルマーリーさんを里山資本主義の理想的なモデルとして紹介されていました。

話のなかで、私が昨年の逆手塾望年会に、タルマーリーさんのパンを買って行ったことなど、大同さんと何度か名前を言っていただき、今年の6月に丹後あじわいの郷で開催する「第32回逆手塾」の宣伝もしていただきました。

講演終了後は、第2部、むらの里力交流会。京都府下の地域で活動する団体が特産品や加工品を販売と交流。京丹後市からは宇川加工所や渓里野間など命の里事業に取り組む地域が参加。


 参加者も多く盛り上がりました。





終了後、今年の逆手塾の打ち合わせを兼ねて、和田さんを囲み懇親会でした。