5~6日と、タイからの留学生ヨーティンさんが我が家にホームスティ。
昨年に続く「フィールドトリップin京丹後探訪ツアー」の受け入れです。
琴引浜に足を運びましたが、タイには美しい砂浜、海岸が多いとのことであまり喜ばなかったので、それではと山の話をしてみたらタイには美しい山があるとのことで、我が家に帰ってタイの話などを聴くことに。
英語がよくできるということなので聴いてみたら、タイでは5歳から英語教育があり、早くからネイティブから教わるとのこと。
日本の英語教育について考えさせられました。
話を聞いていると温泉に行ったことはないとのことだったので小町温泉に入り、夕食は手巻き寿司。
翌日は、午後2時前まではタイの話を聴いたり、奥大野を散歩して少年野球の練習を見たりして、裏の畑のジャガイモ掘りも少し手伝ってもらったので、ヨーティンさんには少し野菜のおみやげを持って帰ってもらいました。
午後2時からは、大宮の民家苑にホストファミリーと留学生が集合して、古民家見学、竹細工体験、流しそうめん体験、そしてスイカ割体験では、ヨーティンさんが見事にスイカを割って終わり。
また会う日までお別れです。
ヨーティンさんは夏休みに帰国しないので、友だちを連れて遊びに来ます。
2014/07/06
2014/07/03
銘建工業のCLTと木質バイオマスの利活用の見学
久しぶりにブログに投稿します。
7月1日、製材業界では早くから新しい取り組みをされ、藻谷さんの「里山資本主義」でも大きく取り上げられている岡山県真庭市の「銘建工業」さんに行ってきました。
逆手塾会長の和田さんの紹介で、中島社長から直接お話をうかがい、工場も案内していただきました。とても有意義な時間でした。
これからの建築材料として力を入れておられる CLT(大判パネル)。トラックでの輸送に限界が有るため、幅はこれでいっぱいだそうですが、長さはトレーラーなら12メートルまで可能だそうです。
木材を縦方向と横方向に重ね、ボンドをつけた後、圧着する大型プレス機械。
直交積層で高い寸法安定性があり、厚みがあるので断熱、遮音、耐火性が高い。
海外ではこのパネルを使って10階建ての木造のビルも建設されていますが、日本では木造の高層建物には規制があるため遅れています。
海外のCLTの実績と、日本の現状がよく分かる資料でした。
日本の林業は低迷しているといわれながら、「林業」の狭い視野でしか考えられていないために利用が進んでいないように思います。縦割り行政の弊害がここにもあります。
銘建工業の会社紹介の冊子と資料です。
別の工場から運び込まれた製材品(板材)で集成材をつくる過程も見学しました。
板材の幅や厚みを揃えるために、一枚一枚の板材をコンベヤで削るプレーナーへ送ります。
プレーナー(材木を削る機械)です。
プレーナーで削った材木をチェックする機械。材木の仕上がりの寸法だけでなく、強度も測定されて仕分けされます。
人間の目でチッェックも。
強度別に板材がベルトコンベヤで分けられます。
集成材(柱)をつくる工場です。プレーナー加工された板材が運び込まれています。
板材にボンドが塗られ、機械で重ねられていきます。
重ねられた板材はプレスで圧着されます。
板材4枚が圧着され、柱材が出来上がり。
乾燥しているので寸法のあんていした柱ができます。自然の柱では反ってしまったり、背割りが開いたり、湿度とともに変化もしますが、集成材にはそれがほとんど無いと思います。
かつて和風建築が主流で、柱は完成しても見えていましたが、洋間中心の現在の建築では、柱は壁のなかで見えることはなく、価格の安さと強度と安定性が求められています。かつてのような節のない桧の柱が重宝されていた時代にはもう戻らないと思います。
ナカシマ社長も言っておられましたが、日本だけが節(枝)のない桧の柱材を重宝して、それが材木全体の値段を釣り上げていましたが、和風建築が少なくなれば柱には強度と安定性さえあればよく、材木の値段が世界の水準に下がってしまったのもやむ終えないことだと思えます。
私自身、長く木造建築に関わってきたのでわかりますが、和風建築が主流の頃は高くても節のない桧の柱を使わなければ良い和室ができなかったのですが、今では、和室がほとんどないので、節のないきれいな柱の必要性がなくなりました。
和風の家なら柱が50本必要な場合、節のないきれいな柱が要るので90万円かかるとすれば、洋風の家で同じく柱が50本の場合、20万円しかかりません。付加価値の高い柱は不要なのです。
日本では節のない化粧材が高く売れたので生産性を上げることなく来てしまいましたが、ヨーロッパではずっと材木の単価が安かったので効率化が進み、林業の生産性は日本の20倍あると聴きました。将来、桧や杉を売って儲かることはないと思うべきで、植林も他の材に変えるべきだと思います。
日本では、戦後に建築用材の桧と杉のみを植林してきたため、家具に使う材木(オーク、チーク)や松材などは輸入するしかなく、ヨーロッパから大量に輸入しています。
ここから、集成材(構造材)をつくる工場です。柱よりも長い板材です。
コンベヤを板材が流れていきます。
同じように材木を削るプレーナーがあります。板材が長い文、プレーナーも長くなっています。
プレーナーから測定器までの距離も長くなっています。
加工された板材は2階に上げられ、2階で集成材がつくられています。
板材にボンドが塗られ、重ねられていきます。
構造材用の圧着プレスです。
何枚も重ねられた厚み20センチ以上の集成材。
さまざまな寸法の構造材がつくられています。
CLTと集成材の工場を見学させていただき、その規模に圧倒されました。この工場だけで1日150トンのプレーナーチップ(けずり屑)ができます。
銘建工業は1970年から集成材の製造をはじめられ、大量に発生するプレーナーチップを再利用するために1984年にエネルギーセンターをつくり、1998年にはエコ発電所を建設されています。
そして、1970年に7億円だった売上が、2013年には213億円にまで増えています。
2000㎡のプレーナーチップ(けずり屑)を一時的に保管できるサイロです。
サイロからけずり屑が送られ、1日1トンの木質ペレットを製造する機械。
こちらは1日3トンのペレットを製造する機械。
木質ペレット。
材木の皮も1日17トン、材木の端材は18トン。
皮と端材にけずり屑を加えてボイラーで燃やして発電。
日中は電力消費量が多いので、不足する電気を買って、夜間に売電されています。
けずり屑や材木の皮、端材を再利用することで、コストが抑えられています。
木質ペレットまたはプレーナーチップ500グラムと灯油252ミリリットルが同じカロリーだそうです。
銘建工業では、時代の先を読んで、1970年から集成材の生産に取り組み、1984年からはけずり屑を燃料として再利用することでコストを抑えて生産も拡大していますが、多くの廃業に至った製材所では、そこまで考えられていません。もし、考えたとしても、その投資をリスクとのみ考えてしまったのかもしれません。
広い視野の大切さをあらためて感じました。
中島社長、お忙しいなか対応いただきありがとうございました。
7月1日、製材業界では早くから新しい取り組みをされ、藻谷さんの「里山資本主義」でも大きく取り上げられている岡山県真庭市の「銘建工業」さんに行ってきました。
逆手塾会長の和田さんの紹介で、中島社長から直接お話をうかがい、工場も案内していただきました。とても有意義な時間でした。
これからの建築材料として力を入れておられる CLT(大判パネル)。トラックでの輸送に限界が有るため、幅はこれでいっぱいだそうですが、長さはトレーラーなら12メートルまで可能だそうです。
木材を縦方向と横方向に重ね、ボンドをつけた後、圧着する大型プレス機械。
直交積層で高い寸法安定性があり、厚みがあるので断熱、遮音、耐火性が高い。
海外ではこのパネルを使って10階建ての木造のビルも建設されていますが、日本では木造の高層建物には規制があるため遅れています。
海外のCLTの実績と、日本の現状がよく分かる資料でした。
日本の林業は低迷しているといわれながら、「林業」の狭い視野でしか考えられていないために利用が進んでいないように思います。縦割り行政の弊害がここにもあります。
銘建工業の会社紹介の冊子と資料です。
別の工場から運び込まれた製材品(板材)で集成材をつくる過程も見学しました。
板材の幅や厚みを揃えるために、一枚一枚の板材をコンベヤで削るプレーナーへ送ります。
プレーナー(材木を削る機械)です。
プレーナーで削った材木をチェックする機械。材木の仕上がりの寸法だけでなく、強度も測定されて仕分けされます。
人間の目でチッェックも。
強度別に板材がベルトコンベヤで分けられます。
集成材(柱)をつくる工場です。プレーナー加工された板材が運び込まれています。
板材にボンドが塗られ、機械で重ねられていきます。
重ねられた板材はプレスで圧着されます。
板材4枚が圧着され、柱材が出来上がり。
乾燥しているので寸法のあんていした柱ができます。自然の柱では反ってしまったり、背割りが開いたり、湿度とともに変化もしますが、集成材にはそれがほとんど無いと思います。
かつて和風建築が主流で、柱は完成しても見えていましたが、洋間中心の現在の建築では、柱は壁のなかで見えることはなく、価格の安さと強度と安定性が求められています。かつてのような節のない桧の柱が重宝されていた時代にはもう戻らないと思います。
ナカシマ社長も言っておられましたが、日本だけが節(枝)のない桧の柱材を重宝して、それが材木全体の値段を釣り上げていましたが、和風建築が少なくなれば柱には強度と安定性さえあればよく、材木の値段が世界の水準に下がってしまったのもやむ終えないことだと思えます。
私自身、長く木造建築に関わってきたのでわかりますが、和風建築が主流の頃は高くても節のない桧の柱を使わなければ良い和室ができなかったのですが、今では、和室がほとんどないので、節のないきれいな柱の必要性がなくなりました。
和風の家なら柱が50本必要な場合、節のないきれいな柱が要るので90万円かかるとすれば、洋風の家で同じく柱が50本の場合、20万円しかかりません。付加価値の高い柱は不要なのです。
日本では節のない化粧材が高く売れたので生産性を上げることなく来てしまいましたが、ヨーロッパではずっと材木の単価が安かったので効率化が進み、林業の生産性は日本の20倍あると聴きました。将来、桧や杉を売って儲かることはないと思うべきで、植林も他の材に変えるべきだと思います。
日本では、戦後に建築用材の桧と杉のみを植林してきたため、家具に使う材木(オーク、チーク)や松材などは輸入するしかなく、ヨーロッパから大量に輸入しています。
ここから、集成材(構造材)をつくる工場です。柱よりも長い板材です。
コンベヤを板材が流れていきます。
同じように材木を削るプレーナーがあります。板材が長い文、プレーナーも長くなっています。
プレーナーから測定器までの距離も長くなっています。
加工された板材は2階に上げられ、2階で集成材がつくられています。
板材にボンドが塗られ、重ねられていきます。
構造材用の圧着プレスです。
何枚も重ねられた厚み20センチ以上の集成材。
さまざまな寸法の構造材がつくられています。
CLTと集成材の工場を見学させていただき、その規模に圧倒されました。この工場だけで1日150トンのプレーナーチップ(けずり屑)ができます。
銘建工業は1970年から集成材の製造をはじめられ、大量に発生するプレーナーチップを再利用するために1984年にエネルギーセンターをつくり、1998年にはエコ発電所を建設されています。
そして、1970年に7億円だった売上が、2013年には213億円にまで増えています。
2000㎡のプレーナーチップ(けずり屑)を一時的に保管できるサイロです。
サイロからけずり屑が送られ、1日1トンの木質ペレットを製造する機械。
こちらは1日3トンのペレットを製造する機械。
木質ペレット。
材木の皮も1日17トン、材木の端材は18トン。
皮と端材にけずり屑を加えてボイラーで燃やして発電。
日中は電力消費量が多いので、不足する電気を買って、夜間に売電されています。
けずり屑や材木の皮、端材を再利用することで、コストが抑えられています。
木質ペレットまたはプレーナーチップ500グラムと灯油252ミリリットルが同じカロリーだそうです。
銘建工業では、時代の先を読んで、1970年から集成材の生産に取り組み、1984年からはけずり屑を燃料として再利用することでコストを抑えて生産も拡大していますが、多くの廃業に至った製材所では、そこまで考えられていません。もし、考えたとしても、その投資をリスクとのみ考えてしまったのかもしれません。
広い視野の大切さをあらためて感じました。
中島社長、お忙しいなか対応いただきありがとうございました。
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