2013/04/16

谷岡ゼミ後に読んだ本

4月6日に参加した谷岡ゼミ後、宮本常一著「日本の中央と地方」、「村の崩壊」と監修「日本残酷物語全冊」9冊を再読しました。

課題図書であった「日本の中央ー地方関係」において中央ー地方関係の歴史的展開を読み、それとの関わりを考えながら明治から高度成長期にかけての官ー民関係や民衆の状況について書かれた本を再読することで、地方行政について深く考えさせられました。


藩政時代の終わりまでは、国の端々まで活気にみちあふれた町があり、現在では考えられないほどの財力や文化が存在していたが、府県制が実施されて行政力が力を増してくると、府県単位に生産や経済の統制を図るようになる。藩政時代の直接交易ルートの消滅とともに、中間経費の増加などによる生産者の収益の悪化が町の経済を弱体化させ、活気にあふれていた町が中央からの末端に置かれることで、衰退がはじまる。

さらに、戦前の地方行政が人治主義的で未発達であったことと、明治以降の人口増加により、食べていくのが精一杯であった農村の窮乏を深刻にし、加えて百姓(農業だけだなく、竹細工などの細工物や薪・炭などの生産者でもあった)が農家になってしまったことから副次的収入の道が途絶え、女性が我が子に継がせたくない、苦労をさせたくないとの思いを強くもたせ、、戦後に断絶せずに変容しながら過疎化につながっている。そうすると明治以来の行政システムが過疎地をつくってきたともいえると思います。

みなさんも時間があれば読んでみてください。