2014/04/16

第二次世界大戦影の主役

「第二次世界大戦影の主役」を読了しました。


名書「失敗の本質-日本軍の組織論的研究」の対極となる「成功の本質」ともいえる本。

そして、失敗に学び改善することなく、将兵の命に重きを置かない日本軍の精神主義に対して、組織力の違いは明らか。

「成功した体制には、上層部、中間層、末端のあいだに、よくできた情報や連絡の循環があり、進取の精神、新機軸、創意工夫を活発にしたために、成功したのだといえる。それに、そうした体制は、問題を解決する人々を奨励して、容易には解決できそうにない難問に取り組ませた」(p417)

「組織の長がいくら天才的で精力がみなぎっていても、ひとりでやれることではない。支援機構、奨励の文化、情報と報告の効率的な循環、失敗から学ぶ許容性、物事をやり遂げる能力がなければならない。それらをすべて、敵よりも優れたやり方でやらなければならない。それが戦争に勝つすべだ」(p425)


常に考え、対処していく現場と、上からの支持に従うことを強く命じられた思考停止した現場の戦い。