2012/12/10

獣害対策で地域づくり第4回

8日、獣害対策で地域づくり第4回に参加しました。

今回は、篠山市大山集落での「アライグマの生態・行動特性を生かした対策・捕獲実習」です。

イノシシ・シカ・サルの被害ほど多くありませんが、アライグマなどの被害は京丹後市でも発生しており、京丹後市鳥獣被害防止計画(第2期)を見ると、平成24年の捕獲計画数は、ヌートリア100頭、タヌキ130頭、アライグマその他獣類70頭、カラスその他鳥類540羽となっています。

被害を増加させないために、油断はできません。

まず、兵庫県立大学特任助教・阿部豪氏を講師に座学。

アライグマ対策の前に、よく似た加害獣について、その違いを知ることの大切さ。多くが夜行性の動物のため、しっかり根拠を集めて加害獣を特定しないと、対策が効果を発揮しません。アライグマと思っていたのがタヌキやアナグマ・ハクビシンであることも。

加害獣が何なのか?被害地の状況からも推定されます。小型動物はイノシシ・シカ対策の電気柵を難なく潜り抜けます。10センチ角のメッシュも潜り抜けます。

小型動物には電気柵なども特別の対策が必要となります。

食べ残しの食痕から、口の大きさ、歯型、爪痕などがわかり、被害量からおおきさもわかります。他にも、足あとや糞は有力な手がかりであり、それらをもとに加害獣を特定して防除・捕獲対策をします。

トウモロコシを食べているアライグマです。後ろ足で立ち、前足を手のように使って皮を向いて綺麗に食べます。これがタヌキだと、前足が使えないため、食べ残しのある汚い食べ方になります。

カラスがトマトを食べています。カラスなどの鳥獣も難なく畑に侵入できるため、時に被害状況から加害獣の想定を間違うことがあるそうです。

アライグマによる被害と思っていたら、アライグマだけでなく、テン、ハクビシンの複合被害の事例も。

家屋の屋根裏に住み着き、住宅に被害を出します。屋根裏を撮影したビデオでは、アライグマだけでなく、ハクビシンも侵入していました。

古民家の場合、侵入口が無数にあり、また、アライグマは樹上生活が得意なたいへん器用な動物なので難なく登っていくため防除は大変難しいようです。

アライグマが踏み外し、天井に穴が開いています。

屋根裏にアライグマなどの動物が侵入しても、屋根裏に捕獲のためのわな檻は設置しません。屋根裏でわな檻にかかったら暴れて大変なことになります。ですから、わな檻は庭など外に設置します。動物の通路に置けばそれで十分。

また、アライグマは必ず水をのむために水辺に行きます。水辺のわな檻が効果的です。また、わな檻は1週間に1回洗います。

アライグマは繁殖力があり、徹底して駆除しても2~3年放置してしまうと、生き残ったものが繁殖し何もしなかったのと変わらない状況になるとのことで、根気強く捕獲による駆除対策を続ける必要です。

橋の下、アライグマの糞です。

橋の下にもわな檻をしています。アライグマは、冬場は半冬眠状態となり、あまり食べなくなるので、特にメスの捕獲は難しいそうです。

篠山市大山では、NPO法人「アライグマ捕獲隊」が活動されています。活動状況報告が貼りだされていました。

本日のまとめです。