サル被害
昨日の午後は、兵庫県森林動物研究センターの鈴木さんと丹後町のサルによる被害の状況の聞き取りへ。耕作意欲を奪うサルによる被害はどんどんひどくなっているだけでなく、家のなかに入り込んで悪さをしたり、女性や老人、こどもを威嚇し、人を襲ってもいます。さる被害への対応が急がれますが、鈴木さんからは、対策のアドバイスもいただきました。これからです。
スイカが被害に!回りを囲っていた電気柵の線が効果がなかったので外して電線をスイカの少し上に張り巡らせています。サルが入りにくいように、感電して近づけないようにされています。
割られて食べられているスイカ。
熟す前に食べられてしまっています。聞き取りのなかでは、食べられてしまうからまだ青い野菜を収穫すると言われた方がいましたが、スイカの場合はそれでは食べれない。
ナスもサルの好物。サルはもったいない食べ方をします。少しかじってポイっと捨てています。
トマトも食べられています。
住宅に囲まれた農地でも被害。人がいなくなると日中堂々とサルが来ます。この地区では、5~6年前まではそれほど被害はなかったそうですが、年々被害がひどくなっているそうです。
鈴木さんが、動画でサル被害を防ぐ電気柵(おじろ用心棒)の効果を地区の区長さんに説明。効果のある対策が必要です。
トウモロコシも全滅。
回りを田んぼに囲まれた畑まで道路っわたって、川を超えてサルは来ています。
サルに取られないように囲いがしてありますが、下の隙間からスイカの蔓を引っ張って、網の弱いところからスイカを取り出して食べています。
サルは知恵があるだけに対策が難しい。
金網と電柵による防除柵。さる防除のためにかなりお金をかけておられますが、この防除柵で安心していたら、スイカをカラスにやられて・・・ここでは、サルだけだなく、イノシシ、カラス防除も必要で、野生生物との共生なんて、とても・・・農家の声は切実です。
区長さんからサル被害について聞く鈴木さん。上宇川地区の被害は深刻です。
車の中にいるときにサルが威嚇で体当りしてきてボンネットに登り、さるの指紋がガラスに残っている車。
怖いですね。女性、老人、こどもだとサルは恐れることなく人間が逃げなければなりません。
以下、鈴木さんのメッセージ
本日の午後は、京丹後市のサル被害地を視察してきました。今年から京都府の保護管理計画の委員をしていることもあり、一度現地を見ておきたかったので、大同さんからお声をかけていただき、現地を案内していただきました。
人家侵入や威嚇の頻度、林縁からかなり離れた農地でも被害が出ていることから、兵庫よりも人馴れが進んでいて、悪質個体がいるような印象。
電気柵をされていても、サルに有効な張り方となっていない状況もありました。
でも、地域の方は比較的意欲が高く、行動的な印象を受けました。どことなくまとまりの良さや明るさを感じました。負けてられないという気持ちがあれば、きっと対策はうまくいくと思います。
悪質な個体をいかに捕獲するか
全体頭数をいかに管理していくか
地域主体の対策をどのように進めていくか
やはりこれはどこも共通していて、地域の条件にあわせて、どう進めていくかですね。
行政の役割の整理はもちろん重要です。現場が動きやすい全体計画にする必要もあります。勉強になりました。