[JMM752Sa]「従軍慰安婦問題と日米関係、一つの提言」from911/USAレポート 作家・冷泉彰彦さんのUSAレポートの要約引用
[JMM752Sa]「従軍慰安婦問題と日米関係、一つの提言」from911/USAレポート 作家・冷泉彰彦さんのUSAレポートの要約引用
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全米各地の州議会で「非難決議」がされたり、慰安婦像や記念碑が建立されたりしているが、「悪しき古い日本」と「親しみのある新しい日本」というのは、アメリカの政府と世論においては驚くほど明確に区別されています。それは、戦後の日本が振舞ってきた平和志向の行動パターンや、ソフトパワーのためだ。
しかし、橋本発言や河野談話の見直しは、「新しい日本」と「古い日本」の区別を危うくするものとなっています。
朝鮮半島における慰安婦の「募集」というのが、軍や警察が「嫌がる女性やその家族を銃剣で追い立てて」集めたという「強制という事実はなかった」という「事実関係の訂正」を行うことで「名誉回復」をするという考え方には問題があります。
軍による強制はなかったという訂正が、「広義の強制はあった」ということを改めて認めることになってしまいます。
つまり「親の借金を肩代わりに身売りと言う名の人身売買が行われた」とか「売春業者の『財産』である女性の逃亡は財産権の侵害になるという理由で警察が妨害した」とか「安全確保を口実に派遣先からの脱走・逃亡は軍によって禁止された」という「事実」を「こっちが正しかったのです。良く理解して下さい」とアピールしても、「そんな非人道的なことを制度として認めていた社会の名誉をどうして認めなくてはならないのか?」という、より一層の困惑を引き起こすだけだということです。
現在でも、アジアから日本に入国した女性たちが人身売買さながらの身体的な拘束を受けていることが国連や米国国務省などから問題視されています。勿論そうした問題を根絶するだけでなく、日本人による日本人のトラフィッキングに対しても厳しいメスを入れていくべきです。
一つの提言をしたいと思います。それは「古い日本」の名誉回復をするのではなく、「現在の日本」の名誉を高める、いや名誉だけでなく実質的に社会を良くしていくということです。そして、この場合は「女性の人権」あるいは「女性の名誉」を改善するということを、改めて国策として打ち出していくのです。そうすれば、韓国の一部の団体などが「過去の日本と現在の日本」をゴチャ混ぜにして「現在の政府による公式謝罪や公費での救済をせよ」というような主張をしても、事実上そうした主張は宙に浮くことになると思います。
実は、こうした女性の地位や名誉という問題に関しては、現在の中国は多くの問題を抱えつつも、日本よりはやや進んだ社会を実現していると思います。今後も日本が中国を相手に、心理的なナショナリズムの「突きつけ合い」を続けていくのであれば、少なくともこうした問題に関しても、改善を競い合うということはあっても良いと思うのです。
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冷泉さんの提言に強く同意します。
過去の名誉回復をしようとするよりも、これから世界に認められる名誉ある国を築くことが必要だと思います。