2013/03/07

江戸の子育て読本

小泉吉永著「江戸の子育て読本」を読みました。

この本には、江戸時代の子育ての実情が裏を含めて書かれています。

早婚であったことにもより、江戸時代の乳幼児の死亡率が極めて高かったために、子どもが大切にされ、一人の子どもに「仮親」を含めて数人の親がいるのが当たり前だった。また、若くして親となるので、親としてのあり方が教育されていました。

また、良い子を授かるように、胎教についても熱心に両親であたることが教えられ、「あやまり役」という慣習があり体罰もない一方で、格差が激しく、育てられないと判断すれば出産直後に殺してしまう間引きも多くあり、殺し方も書かれています。今では考えられないことですが、20人以上を間引いた母親の話もあります。(間引きについては、トッドの「世界の多様性」によると、中国、インドと共通しますが、他の国にはないようです。)

躾は2歳程度の幼少期から親の責任でなされています。全国に寺小屋が5万以上あり、97%の子どもが手習師匠を尊敬していたと推計されています。

そして、寺小屋では、定期的に試験があり、子どもの学習の進度には著しい差があったよですが、同年令のみの学習集団ではないので許容されています。また、年2回「席書」という成績発表会があり、父兄が参観して楽しんでいたようだです。

この江戸時代の教育があったから今があるんですね。