2013/09/20

日本林業を立て直す

読書の秋ですね。面白いように本が読めます。
「日本林業を立て直すー速水林業の挑戦」を読了しました。


著者は現実を直視し、対策を練ります。たとえば、日本の林業が遅れていること、機械化を進めるためにオーストリアの大林業会社マイヤーメルンホフに従業員を派遣します。

派遣を終えた従業員は、「オーストリアのほうがもっと(山の)傾斜は急で、自分たちよりもっとよく働く・・・」と驚いて帰ってきます。

従業員の理解を得て速水林業の合理化と新しい挑戦が実現していきます。

現実を直視できるから夢を語ることができ、現在の森林再生プランの限界を認識し、40~50年の短期伐採でなく長期伐採を目指し、日本ではじめてFSC認証を取得しています。

また、野生動物が里まで降りてくるようになったのは山に食べ物がなくなったからだと言う人がいるが、それは違うと明確に否定しています。「もし、食べ物(が原因)であれば、拡大造林で大量の木を伐ったときに出てきていたはずだ。」・・・私も食べ物が原因だとは思っていません。

経営者としての実務能力と科学的分析力、理想を追求する心構えはとても勉強になります。