2012/12/14

円安は解決策か?①

昨日、京丹後市議会の一般質問を聴いていると、日本の製造業は高い技術があり、為替が円安になることで、あたかも競争力を取り戻すかのような発言がありました。

本当に円安になることで解決するのでしょうか?

2010年の国籍別シェアのグラフを見てみましょう。
































日本にいて国内だけを見ていると日本製品があふれていますが、一歩国外に出ると、状況は変わります。

日本の技術が低いとは思いません。しかし、日本の高い技術が世界の流れに合わず、独自の進化をしているようで、例えば技術力が高いはずの日本製携帯電話は日本以外では見かけません。技術の応用と組み合わせ、現地の特性への適応に難があるようで、平成22年にイギリス、ドイツ、フィンランドと研修に行き、携帯電話はもちろん、自動車以外の日本製品が市場ステータスの低いことに驚きました。

当時、フランクフルトでは、総領事から10年来の相次ぐ日本企業の撤退と、入れ替わるように進出している韓国、中国、台湾企業の話を聴き、街を歩いても日本企業の広告がなく、日本製品の取扱も少ないことを実感しました。

そして、独自の技術進化以外にも、課題があります。

その後、EUと韓国はFTA(自由貿易協定)を締結し、関税品目では日本企業がさらに不利になっています。

EUは乗用車に10%の関税をかけており、FTAにより関税がなくなった韓国からEUへ輸出は増加していますが、日本企業は日本から輸出すると10%の関税があるため、より現地での生産にシフトしています。自動車部品にも関税がかかります。

また、EUは薄型テレビに14%の関税をかけています。FTA以降、韓国製品に対して日本製品は円安だけでなく関税においても大きなハンディを背負ってしまい、日本の国内で製造して輸出する従来のあり方では採算が成り立たなくなっています。

また、韓国はアメリカともFTAを締結し、薄型テレビの5%の関税は日本企業にとって大きなハンディになっています。

パナソニックやシャープの赤字は円安だけが原因でしょうか?

世界ではすでに200以上のFTAが存在していますが、自由貿易化の流れにも日本は遅れています。