「バイオマス本当の話ー持続可能な社会に向けて」を読了しました。
著者の泊みゆきさんは京丹後市出身の方でした。著者は、エネルギー利用は、バイオマスの資源活用のなかで最も価値の低い利用方法で、それが世界的にバイオマス利用に関わる原則であり、エネルギーへのバイオマス利用ありきのバイオマス・日本総合戦略で投じられた1374億円のほとんどが無駄になったのは原則に従っていないからだと指摘しています。
✔バイオマスはカーボンニュートラル(炭素中立)で温暖化の原因にならない
✔バイオ燃料は環境によい
✔バイオマスはたくさん使うほどよい
✔バイオマス利用は、地域振興の主要な手段である
✔バイオマス発電の拡大で林業を再生すべき
すべては間違いではないが、ほとんどが間違い。
農林業が産業として利益を上げて地域が成り立つ土台があって、次にバイオマスがあり得るのであって、バイオマスで農林業を再生することはできない。
だから、この本では、森林、林業についても熱く語られています。その内容は、直前に読んだ3冊「日本林業はよみがえる―森林再生のビジネスモデルを描く」、「日本林業を立て直すー速水林業の挑戦」、「ドイツ林業と日本の森林」に通じる部分があります。