「日本林業はよみがえる―森林再生のビジネスモデルを描く」を読了しました。
著者は、日本の林業は、森林も含め、欧州の1960年代に相当する・・つまり、50年近く遅れていると書いていますが、この本を最後まで読んで納得しました。
安い外材が日本林業の衰退の原因ではありません。
世界の木材収穫時の木の太さ、製品歩留まりの考え方、地形に合わせた林内路網整備、伐採後の植林方法、機械化と合理化の整合性、製材品の品質管理など、日本林業の悲惨な現実に驚きの連続です。
山林所有者が不在化したり、土地の境界もわからず相談もできないなど、個人所有の山林は日本では問題が山積しています。ドイツやフィンランドでも山林所有者の不在化などがすすんでいますが、問題を放置することなく、林業が産業として森林の活用ができるように、徹底した所有者サポートシステムが構築されています。
また、ドイツでは、森林が生物多様性などの多面的機能とともに、持続可能性が求められることから、新芽を食べたり食害を起こす有害鳥獣に対しては、森林官が常時猟銃を所持して殺処分することができ、殺処分した獣の肉を売った収入が林業収入に計上されています。
「日本林業を立て直すー速水林業の挑戦」と合わせて読んだので、とても参考になりました。