2012/06/06

由布院に吹く風

最近、何をしているのかとよく聞かれますが、それなりに忙しく過ごしていて、時間ができれば本を読んでいます。最近読んだ本について書きます。

由布院のまちづくりの中心人物の一人である「亀の井別荘」の中谷健太郎さんが書かれた「湯布院に吹く風」を読みました。
由布院については、これまでにも2011年5月15日の電車の中で読んだ本、6月23日の一人でも多くの人が、よその町を見ることが大切だ。そしてまちづくりに頑張っている『まじめな魂』に出会う...、7月28日の委員会研修〜由布院観光における行政の役割、8月2日の由布院に学ぶこと、8月17日の由布院と京丹後の観光(視察報告書)にも書いています。そちらもクリックしてご覧ください。

さて、この「湯布院に吹く風」は、平成の合併の風が湯布院町に吹くなかで書かれています。

中谷さんは、由布院の独自のまちづくりを40年にわたって進めてきた自負から、先頭に立って平成の合併に反対します。そして、合併賛成の町長の解職リコールの署名集めに成功し、町長を辞職に追い込みます。

合併賛成派と反対派がぶつかった町長選挙では、賛成派1人に対して、反対派が2人出馬したのですが、選挙結果は、反対派2人の得票を合わせても解職リコールの署名を大きく下回り惨敗をします。

中谷さんが支持した候補は2位にはなりますが、得票が当選者の4割にとどまっています。

中谷さんは、解職リコールが成立した町長が復活当選することで、町中の人間関係が無茶苦茶になった。町の中で「言葉」が通じなくなったととも書いていますが、同時に、合併への湯布院町の行政の問題も書かれています。

ここで行政の課題として挙げられているのは、行政が現場に立って現場で話すということができていないこと。行政は「用事があったら来なさい」ではなく、「働き」の現場に入っていくこと、携帯電話も車もあり、移動や通信が楽になっているのに、職員はますます閉じこもってゆくのはおかしいこと。町に出て、会って話すことの大切さがわかっていれば、行政は合併を考えていないのではないかということ・・・・・・・行政の職員は住民の暮らしの現場に出て行って、職員自体が触媒になれば、変化が起きて動き出す。それしかないのに、それができていないこと。

この中谷さんの考えには、私も共感できます。市民の現場が動かなければどうにもならなくなるのが現実です。

この本には、合併の現実を批判しながら、次世代の由布院のまちづくりへの思いも書かれています。
溝口さん、中谷さんからいただいた名刺からも思いが伝わってきます。溝口さんは住所を『九州由布院盆地』、中谷さんは住所を『大分県由布院盆地』とされています。大分県由布市湯布院町ではないのです。