2012/05/07
「愛情不足で発達障害」は間違い
昨日の京都新聞に「愛情不足で発達障害」(維新条例案に当事者ら反発)という記事が載っていました。
私の長男も「自閉症」と呼ばれる発達障害ですが、多くの方が誤解されています。
「自閉症」の語感から、内気な性格やひきこもりに至るような精神状態、うつ病の事を含んでいるように思われ、しばしば混同されていますが、これは「自閉症」に対する誤った認識なのです。
しかし、「自閉症」の子どもにかかわったことのない方が私の長男が「自閉症」と聞いて、上の記事のように、家庭に問題があると誤解された方もあり、なかにはとても失礼なことを平気で言われた方もありましたが、本人と会うと態度が変わりました。本人と接すれば「自閉症」という発達障害が先天的な問題で家庭教育の問題でないことがわかるからです。
大阪市議団の発達障害についての認識は極めてお粗末であり、「わが国の伝統的な子育てで予防、防止できる」などとは、事実誤認もはなはだしいと思います。
そして、こんな条例案をつくるぐらいですから、発達障害者支援法や障害者福祉についても本質的な理解はできてはいないと思います。理解しようとせずに知っていると思い込んでいることは怖いことです。
現代医学では根本的な原因を治療する事は不可能とされている発達障害は、親の力だけではどうにもすることができません。
参考
発達障害(はったつしょうがい、Developmental Disorders, Developmental Disabilities)とは、先天的な様々な要因によって主に乳児期から幼児期にかけてその特性が現れ始める発達遅延である。 発達障害には、しばしば精神・知能的な障害や身体的な障害を伴う。
1980年代以降、知的障害の無い発達障害が社会に認知されるようになった。発達障害より知的障害のほうが広く知られているため、単に発達障害という場合は特に知的障害の無いものを指すことがある。
本障害に含まれるのは全て「生物学的要因による障害」である。 発達障害は先天的もしくは、幼児期に疾患や外傷の後遺症により、発達に影響を及ぼしているものを指す。対して機能不全家族で育った児童が発達障害児と同様の行動パターンを見せる事がよくあるが、保護者から不良な養育を受けたことが理由の心理的な環境要因や教育が原因となったものは含めない。また、ある程度成長し、正常に発達したあとに、疾患・外傷により生じた後天的な脳の障害は発達障害とは呼ばれず、高次機能障害などと区別される。
自閉症(じへいしょう、Autism)は、社会性や他者とのコミュニケーション能力に困難が生じる発達障害の一種。先天性の脳機能障害であるが、脳機能上の異常から認知障害の発症へといたる具体的なメカニズムについては未解明の部分が多い。時に、早期幼児自閉症、小児自閉症、あるいはカナー自閉症と呼ばれる。
(以上、ウィキペデイアのより引用)