評論家の吉田秀和さんが、今月22日に急性心不全で自宅で亡くなっていたと昼のNHKニュースが伝えました。
吉田秀和さんの本を初めて読んだのは、中学2年の時、先輩から借りたベーム指揮のモーツァルト「レクイエム」のLPを聴いて衝撃を受け、モーツァルトを聴きだした頃でした。
その頃読んだのが、吉田秀和編「モーツァルト頌」でした。もうすでに35年以上前のことで、ずいぶんその本も傷んでいます。
その頃は「モーツァルト頌」にも取り上げられているゲーテやアンドレ・ジッド、ヘルマン・ヘッセ、スタンダールなどの小説も読んでいたので、モーツァルトが同時代や後世に与えた影響に関心を持ち、吉田さんの他の本も読みましたが、同時期に小林秀雄の「モーツァルト」アンリ・ゲオンの「モーツァルトとの散歩」、スタンダールの「モーツァルト」なども読んでいます。
他にも吉田さんの本とNHK・FMの「名曲のたのしみ」は、クラシックの名曲を聴く上で、広く参考にさせていただき、素直に楽しむことができました。
最後に、「モーツァルト頌」の中のアインシュタインの言葉を引用します。
「死とはどんなものだとお考えですか?」という問に対して、アインシュタインは答えています。
「 死とは・・・・・、モーツァルトを聴けなくなることです。」
吉田秀和さんのご冥福を祈ります。