安静しているので、2010年と少し前になりますが、これまでに書く機会がなかったフィンランド・ポルヴォー市研修のことを書きます。
ポルヴォー市はヘルシンキの東55キロに位置し、人口5万人のまちで、写真は旧市街です。人口の3分の2がフィンランド語、3分の1がスウェーデン語を話し、フィンランド語とスウェーデン語が公用語で、議会・市役所では両方の言語を使用しています。
ポルヴォー市の職員数は3,655人とたいへん多いですが、日本の市町村とは職員構成が大きく違い、教育分野が1,836人と最も多く、他に、福祉分野1,020人、技術・環境サービス分野336人、消防・救助分野221人で、一般管理分野は少なく、242人となっています。
しかし、教育分野と福祉分野の職員が多いことに驚きました。
ポルヴォー市議会の議場です。日本の地方議会のような執行部席はありません。
議場正面は大型ディスプレイ(サムスン製)となっており、議案、資料等が映しだされます。
議員定数は法律で自治体の人口によって決められていて、ポルヴォー市議会の定数は51名で、政党による比例代表制の選挙で選出されています。議会は月1回開催されます。
議会は執行機関となる評議会(理事会)13名(議会の政党勢力に比例して選ばれているが、必ずしも議員でなくても良い)を選び、評議会の下で業務を遂行する市長も選んで雇います。評議会は週1回開催されます。
そして、議会が予算、税制、組織、都市計画などをつくり、決めていきますが、市議会議員は無報酬です。
フィンランドでは、市民がつくり上げた民主主義があり、まず市民があり、市民が自分たちの代弁者として議員を選び、選ばれた議員による議会がすべての中心になります。日本の上からの民主主義とは大きく違う地方制度です。
議席にはネームプレートが貼られています。
市の概要と環境政策について説明を受けています。
青少年教育について説明を受けています。かつて、北欧はいじめが多いことで有名でしたが、いじめ予防が徹底され、教師の資格も大学院の修士以上でないと認められなくなっています。また、フィンランドはPISAでも学力が高いことで有名ですが、日本のように年数で義務教育を終えるのではなく、修了試験に合格しないと卒業出来ません。
3%の子どもが義務教育を終了できないことが社会問題になっているとのことでした。