村上龍氏のJMMは、もう10年以上読んでいます。著者の北野一さんは、JMMでの金融・経済についての執筆者の一人です。
藻谷さんによると「デフレの正体」は生産年齢人口の減少にあるとして、人口の波によるデフレは景気対策では改善できないと書いていました。しかし、ドイツやイタリアなど生産年齢人口が減少している国は日本の他にも多くあり、それならば、日本同様に長期デフレに悩まされているはずなのですが、現実にデフレに苦しみ続けているのは日本のみです。
そして、本当に生産年齢人口の減少が「デフレの正体」ならば、金融緩和をいくらしてもインフレにならないということになりますが、それは有り得ないことです。
北野さんは、バブル崩壊後の日本企業の株主資本コストの上昇により、企業金融において実質的な金融引締めが続いていることが「デフレの真犯人」と主張し、検証しています。
藻谷さんよりはるかに説得力がありました。