2014/05/22

親なき子

「親なき子」を読了しました。


パリで著者に出会い、日本の児童福祉や教育などの話をさせていただきました。

著者の島津さんは、大学の図書館で読んだ斎藤茂男氏のルポルタージュ「父よ母よ!」に衝撃をうけ、斎藤氏の取材から30年後の北海道家庭学校(遠軽町にある私立の児童自立施設)を訪れ、ルポルタージュを書き上げています。

「親なき子」は、親の暴力(虐待)や非行などで親があっても離れて施設で暮らさなければならない8人の青少年を取材し、最後に、その後に取材したスイスの子どもの家の虐待の背後にある貧困が親から子へ継承されないための対策から、児童福祉のあり方へ問題提起されています。

スイスに比べて表面的な対応しかないために、30年たっても貧困を背景とした虐待が再生産されていますが、家庭の貧困問題については見て見ぬふりがされています。

きょうの総務省の発表によると、世帯貯蓄の平均が1739万円と過去最高となったそうですが、別の調査によると貯蓄のない世帯が31%もあり、一部の高額貯蓄車により平均が嵩上げされているのに、そんな平均金額を出すことにどんな意味があるのだろうと思います。

国内にある貧困から目を背けさせ、みんながお金を持っていると勘違いをさせたいのでしょうか?

今、著者はパリに住んで外から日本を見つめています。外から見ることで、日本の社会に疑問に感じることは多いそうです