2014/05/15

フランス人が日本車を買わない理由(フランス見聞録⑮)

パリ市内では、タクシーでトヨタのハイブリッド車を見かけましたが、全体として日本車のシェアは低いようで、農村部ではあまりすれ違うこともなかったように思います。

なぜ、日本車が少ないのか?

最初はディーゼル車が好まれているからガソリン車主体の日本車はダメなのかと思いましたが、そうではないようです。


日本車の性能の良さ、故障しないことは認められているのですが、フランス人から聴いた理由として、日本車のデザインは良くない、特に車内のデザインセンスがダメだから、少々故障しても他を選ぶというのがありましたが、それが一番の理由ではないと思います。

フランスでは(高級車は別ですが)バンパーは押すためにあり、傷を付けずに丁寧に乗る思想はなく、自動車に対して求めていることの根本的な違いがあるように思いました。

フランスの農村部を走ると、まちに入る前にはロータリーがあったり、高速で走れない工夫(段差や、車道を狭く蛇行させる)がしてあり、まちのなかはゆっくりしか走れませんが、フランスの一般道の制限速度は70キロで制限速度を守る車は少なく(20キロオーバーまでは違反切符がないので90キロ前後で走るのが普通)、高速道路は110キロです。

レンタカーを借りて1~2日は、右側走行に慣れていないこともあって一般道で後ろから来た車にどんどん追い越されました。
でも、少し道が狭いと後ろに列ができてしまい、これではじゃまになると思い、ウィンカーを出して路肩によって減速すると、後ろの車も追い越すことなく減速する車が多く、これではかえって迷惑になるので、ハザードランプを付けてできるだけ道を開けて停まると、それでも同じように追い越すことなく停まる車が多かったので、フランスでは流れに沿って走ることがマナーであることと、フランスの半分以上の車がウィンカーをほとんど使わないことがわかりました。

多くの車がウィンカーを出さずに平気で曲がってくるので、交差点では注意が必要です。

それからは、流れに沿って走るようにしましたが、センターラインのない道も飛ばすので、フランス人が高速走行時やコーナリングでの安定性、頑丈な車体を重視している意味が理解出来ました。

また、日本車は事故をするとペチャンコに潰れる。斜体がチャチだから危険だと思われていて、車体が追突のショックを吸収して搭乗者の命を守る日本車の思想はほとんど知られていません。

もっとも、日本に比べてより高速での事故が多いとすると、追突のショックを吸収できるのかは疑問にも思え、事故現場などでグチャグチャに潰れた車体を見た人たちがより頑丈な車を求めることを否定出来ないと思いました。

フランス人の求めている車ではない・・・・・日本車が売れないのも当たり前。