2012/11/28

地域の再生エネルギー利用の状況

26日の再生エネルギー塾では、千葉大学の特任講師で千葉エコ・エネルギー(株)の代表取締役の馬上丈司氏を講師に「地域の再生エネルギー利用の現状」について学びました。

「太陽光発電の試算」に続く2回目です。

再生可能エネルギーについて、国は統一したデータベースを持っていません。そのため、データベースをつくることからはじめられています。
 
 再生可能エネルギーの集計結果です。ここには大規模水力発電は含まれていないので、大規模水力を含めると、10%程度が日本の再生可能エネルギーの総量となります。(ただし、能力だけで実際のエネルギー供給量について公開されていないものがあることや、熱供給量についてはきていがむずかしいとのことでした。)

 電力供給の内訳です。

固定価格買取制度以降、メガ・ソーラーへの投資が活発です。一例として、岡山県瀬戸内市では、250メガワットの計画について話があり、総事業費が700億円に上ること。それでいて原発1期の4分の1の発電能力しかないこと(実際の発電量はさらに少ない)、しかも25~30年しか稼動できないこと。廃棄処理について何も決まっていないこと、あまり地元にお金が落ちないことなど多くの問題があることが指摘されました。

固定価格買取制度について政策的に見直しが入る懸念があるとのことでした(ドイツなどでも見直されて引き下げられています)。

再生可能エネルギーによる電力供給が進められていますが、日本で使われている化石燃料のうち、電力に使われているのは事業用・自家用合わせて36%に過ぎません。

 原油消費量の推移です。原油に依存していることがわかります。あわせてオイルショック以降に原子力発電や天然ガスなどが増加していることを考えると、エネルギーの消費は増加しています。

 次に石炭の消費量です。発電のための石炭使用量が1980年から右肩上がりで増加しています。1980年に比較して8倍の水準です。

ドイツでは、脱原発の代替エネルギーとして天然ガスによる発電にシフトすることが決定していますが、日本は原子力に力を入れていたので、火力の技術革新が遅れ(発電効率が低い)、天然ガスについては後進国になっています(携帯電話のようにガラパゴス化なのでしょうか、地熱についても遅れています。)。