2012/11/27

太陽光発電の試算

26日の再生エネルギー塾では、千葉大学の特任講師で千葉エコ・エネルギー(株)の代表取締役の馬上丈司氏を講師に「地域の再生エネルギー利用の現状」について学びました。

内容を2回に分けて、まず「太陽光発電の試算」について書きます。

政策誘導で売電価格が高いため、メガ・ソーラーなどへの投資が起きていますが、ドイツなどと同じく政策の見直しが入る懸念があります。


試算の前に、太陽光発電に適した条件について。
 まず、1点目、日照時間が長いことが必要です。馬上氏は研究にもとづき、年間日照時間1700時間でも薦ないと明言(日本国内の日照時間は2200時間から1300時間で、京都市で1700時間)。

2点目、日射量が多いこと(これはNEDOに各地域のデータがあり参照できます。)。3点目、南向けに開けた地形で影になるものがないこと。日照時間が長くても直接日光が届かなければならず、しかも、少なくとも20年間は影ができないことが必要です。

4点目、地盤が安定していること。長期間設置することため、山の斜面や水田(耕作放棄地)は適さない。

5点目、年平均気温が高くないこと。気温が高くなると発電効率が落ちます。屋根の上につけると、夏場は熱のため発電効率はグッと落ち、春と秋しか効率的な発電はしない。

6点目、大雪が降らないこと。雪がかぶる状況や除雪が必要な場所には適しません。

他にも、メンテナンスがしやすいことや、20年以上活用できることなど条件はたくさんあります。
上記の条件だけで、京丹後市には全く適さないことがわかります。


班に分かれて、コンピューターソフトを使って試算します。

発電容量1メガの太陽光発電施設を京都市内に建設すると仮定して試算します。

PVsystというソフトを使います。

 京都市を入力すると日照時間が出ます。

その他の条件を順を追って入力していきます。時間内に試算するため、周囲500メートルに一切何もない南向きの絶対条件としています。

すべてを入力すると設置コスト、発電量、発電収入などが計算されます。

メンテナンスは必要ないと思っていましたが馬上氏によると、1メガクラスになると、メンテナンスに年間最低400万円はかかるとのことでした。

この試算以外にも土地の賃借料(もしくは固定資産税)、他にも事業税や保険などのコストも必要となります。また、25~30年後の廃棄費用については、毎年積み立てが必要となります。

しっかり試算することが必要で、甘い話には安易に乗らないことです。