2012/11/07

神山町研修~NPO法人グリーンバレー大南理事長講義~


11月4日と5日、大宮南地域再生協議会で、徳島県神山町を訪れ、NPO法人グリーンバレーの活動を研修させていただきました。

神山アーティスト・イン・レジデンス2012を見学させていただいた後、大南理事長から講義を受けました。「地域づくり神山モデル~人の集まる場をつくる~」です。

私は7月1日に成美大学で開催された、農山村地域次世代リーダー育てるプロジェクトの公開プログラム「創造的過疎って何ですか?」において、大南理事長(創造的過疎って何ですか?)の講演を聴かせてさせていただき、是非、再生協議会のメンバーを神山町研修視察に連れて行きたいと考えていましたが、ようやく実現しました。

NPO法人グリーン・バレーの活動の原点は、1991年の「アリス里帰り推進委員会」までさかのぼります。母校に残る「青い目の人形アリス」の送り主を探し出し、アメリカへの里帰りを実現します。

「アリス里帰り推進委員会」は翌年には発展解消し、「神山町国際交流協会」に、そして1998年には「国際文化村委員会」となり、「とくしま国際文化村」として、地域住民自身が運営する視点から、ソフト先行であるべき姿に向けて活動、2004年に「NPO法人グリーンバレー」が誕生します。

ここで、大南理事長は、「無理だ!」、「難しい!」、「例がない!」などの常とう句で、議論や意欲に水を差し、創造的なアイデアの芽を摘み取るアイデアキラーを撃退すること、一歩を踏み出さないと先は見えてこないことを強く訴えらえれます。神山町でも最初は雑音がいっぱいあったんだと思います。それらを跳ねのけてこられたから神山町の今があると思います。

環境と芸術をベースに国際文化村づくりがはじまりますが、文化村にはゴミは不似合いとアドプト・ア・ハイウェイ事業で強行突破されています。そして、1999年にアーティスト・イン・レジデンスがスタートしています。


神山町は、設備がなく、おカネはないけど、神山町のフィールドを提供する方法で、 アーティストを招聘しています。

グリーンバレーのウェブサイトです。English サイトも含め世界にアートの発信していますが、ウェブデザイナーの提言で入れた「神山で暮らす」により、移住需要が顕在化しています。

 グリーンバレーが「神山町いじゅう交流支援センターの委託を受け、移住希望者のしたいこと、将来の夢などの個人情報を収集して、子どもを持つ若者夫婦、若年者、起業者などを優先して受け入れ、固定資産税納付通知書による空き家提供の呼びかけなど、空き家の活用も行っています。

 将来ビジョンを持って、町に必要となる職種の方を逆指名しています。将来の町の機能を考え、人が人を呼び込んで行くように考えられてます。

地域に何があるかではなく、そこに誰がいるか! これです。

 神山町の人口は1964年の16,045人から、その後の40年間で7,798人まで減少しています。さらに、国立社会保障・人口問題研究所の予測では2044年に1,572人まで減少してしまいます。日本全体の人口が減少するなかで、何もしなければもっと悪くなるかもしれませんが、グリーンバレーは人口減少を緩やかにしようとしています。


 将来の人口の目標を設定し、そこから夫婦と子ども2人の家庭が毎年5組の転入を目指すモデルがつくられています。人口減少を暗く否定的に捉えるのではなく、人口減少を受け入れながら前向きに地域を再創造していこうとするのが創造的過疎です。

これを実現しようとしているのがグリーンバレーであり、大南理事長が先頭に立って進められています。まさに「Just Do it!」

2時間に及ぶ講義でしたが、協議会のメンバーは誰もが熱心に聴き、講義の後の懇親会も大いに盛り上がりました。



また、大南理事長の講義にはでてきませんでしたが、神山塾の塾生による新聞です。グリーンバレーの強みは人の育成にもあります。
神山塾は半年間、神山に住み込んで学ぶ塾です。神山塾終了後も、神山に住まれている2期生、3期生の方とも話しましたが、前向きな思い・姿勢が違います。きっと、神山を離れた塾生も各地で活躍していると思いました。