前半に「KTRの現状報告」が北近畿タンゴ鉄道(株)大槻社長からあり、利用者が減少し200万人前後であることや、運輸収入の低い通勤・通学の定期利用者の比重が年々高くなっていることなどから、収支の悪化について報告がありましたが、車両の老朽化による修繕費等の増加など経費要因については報告がなく、市民に考えてもらうための現状報告としては不足を感じました。引き続き「利用者と地域住民の声」の紹介が本市の下岡企画政策課長からあり、市民アンケートで7割がKTRを利用していないことなどの報告がありました。
後半は、パネルディスカッションで、5人のパネリストが登場し、学生や高齢者などの交通弱者にとっての公共交通の必要性、地域のシンボルとしての必要性など、それぞれの立場から多くの意見が意見を述べられました。
ヨーロッパなどでは公共交通が見直され、富山市などでもLRT(次世代型路面電車)を運営しています。昨年カールスルーエ市などに研修に行った際にも感じましたが、その根本にあるのはコンパクトシティの考え方であり、ほとんどの国の全土が土地利用計画の対象地域であり、所有者であっても自由な開発は許可されず、郊外開発規制も厳しくコントロールされ、計画的に利用が進められているから可能なのだと思います。
京丹後市では、旧町中心部の過疎化が、民間による周辺部の開発とともに進んできました。大宮町でも、古くからの住宅街の過疎化とともにスプロール的な開発が進みました。そこには公共交通への視点は全くなく、将来にわたって車社会が続くことが前提であったように思います。また、日本の地方が概ね同じような状況だったのではないかと思います。
人口が減少していくなかでも必要な公共交通について、根本的な考え方の転換が必要です。