2011/07/12

葬儀の手伝い

 午前中は、建築の仕事をしていた頃にお世話になった方の奥さんの葬儀の帳方を手伝いさせていただきました。
 心からご冥福をお祈りしたいと思います。

 帳方セットのなかに、「買い物帳」がありましたが、最近は葬式で「買い物帳」を使って付けで買い物をすることは全くなくなりました。かつては、葬式は自宅で行うものであり、隣組は夫婦で、それに故人や喪主の同年・友人が手伝うことが当たり前でした。たいへんな面も多々ありましたが、通夜・告別式と手伝うなかで年配の方から風習や段取り、人間関係など教わることも多かったのではないかと思います。

 ホール葬は、葬式運営のたいへんな面をプロが行うので手伝うのは楽になりましたが、人の関係をより希薄にしていくように思います。

 昔、村落のなかで秩序を乱したり、掟を破った者に対しても最低の付き合いとして、葬式と火事の消化活動だけは手伝ったとされていますが、現代は、村落で近所のみんなが当たり前に手伝ったほとんどのことが消えて、各家の内で行われており、田舎においても隣近所との付き合いが薄くても困ることはなくなりました。そして、逆に付き合いが濃いいことは平時においては敬遠されるようになっていると思います。

 東日本大震災の被災地では、人のつながりの大切さが再認識されていますが、それは非常時だからこそ求められているのであり、きれいごとをいっても人のつながりは時の流れとともに変化しているのだから、まず、平時の何もない時においての人のつながりのあり方から、少子高齢社会に合わせて考えてつくり直していく必要があると思います。