5日、歴史家・作家の加来耕三氏の講演会「戦国武将に学ぶリーダーの条件」に参加しました。
日本人は歴史認識がないから、同じことを繰り返してしまいます。歴史の結果だけを見るのではなく立ち止まって考えなければ歴史を活用することはできません。
歴史は時の支配者に都合よく解釈されて書かれ、真実の姿は背後に隠れていきます。
今日の講演とは関係ないですが、明治政府は自分たちの正当性を持たせるために、江戸時代を否定し、歴史の連続性を断ち切ろうとしました。また、戦後も戦前の否定がなされましたが、歴史の見直しは進んでいます。
一方の立場で書かれている同時代の歴史書は、背後に意図があることを考えながら、斜に構えて読む必要があり、そこから新たに見えてくるものがあります。
日本人だけが「一発逆転」という魔法の呪文を信じていますが、それは歴史小説としてはありえても、現実の歴史にはあり得ません。
加来氏は、織田信長の桶狭間の戦いを例にして、戦略がしっかりしていたから桶狭間の戦術が取れたこと、「信長公記」では、信長はうつけ者で家臣にも領民にも嫌われていたように書かれていますが、桶狭間の戦いの史実から判断すると、家臣・領民から厚く信頼されていたと考えなければ、成り立たないことを指摘されました。
真実が見えなければ、過去は未来の参考にはなりませんが、過去は現在、そして未来へとつながっています。
歴史を活用することで、不要な失敗を避け、未来を予測することは必要なことです。
私の尊敬する一人である山田方谷も「天下に求めてたらざれば、古人に求めよ」と河井継之助に教えています。