4冊目は、佐藤幹夫著「ルポ認知症ケア最前線」でした。
最前線の取り組み事例が「共生型介護」、「地域連携」、「在宅での看取り」、「ケアする人をケア」でまとめられています。
著者は、認知症の問題は人のつながりの問題でもあるとして、そこから100歳以上の行方不明者の問題などにも触れています。
また、認知症による経済問題も介護のつながりをつくり直すための損失として、認知症高齢者が押し売りや詐欺などの経済被害にあった金額が年間2兆円(一人平均171万)にも及ぶことや、 介護のために離職する人が年間15万人にも及ぶことと、それらのケア家族の早期退職による不利益、不動産売却、家族の消費減、生命保険の解約などの機会損失は、7,55兆円(一人平均497万)で、合計すると10兆円が毎年消えていると東京都の調査をもとに全国規模で推計しています。
これらの損失を健全な経済活動に回す工夫が必要です。