2012/05/23

坂野潤治氏の本

きょうは、早朝から義父が高熱を出したので、ディ・サービスを利用することができず、家にいました。一人にしておかれないので、私も1日ほとんど家にいました。時間があるので、坂野潤治氏の新書を3冊読みました。

著者は戦前、日中戦争直前まで、民主化が進んでいたことを明らかにしています。二・二六事件の1週間前の総選挙で民正党は大勝します。輸出依存の資本家を支持層に持つ民政党は、一貫して平和を重視し、軍部批判を強め、軍拡に歯止めをかけようとしています。

しかし、本来は平和勢力であるはずの労働者の社会福祉の改良要求に冷淡であったため、資本家を批判し議席を大幅に増やした社会大衆党(社会主義政党)は、陸軍による社会福祉の改良に希望を託して、広義国防論を掲げ軍拡を支持し、ファシズムを後押しして、戦争に突入しています(社会大衆党は社会福祉の改良という政策実現のため陸軍を利用しようとしたのですが、陸軍は支持を利用して軍拡のみに走ります。)。

この本を読んで、昭和12年7月の盧溝橋事件までは民主主義の盛り上がりのなかで、戦争勢力が一方的に平和勢力を圧倒していったのではないことが分かりました。ただ、それだけに問題の根が深いと思うのですが・・・・・

下の2冊は明治維新を扱っています。(後で感想は書きます。)