2011/12/31

平成23年の最後に


 あと数時間で平成24年を迎えます。

 今年も一年、いろいろなことがあり、多くの方にお世話になりました。

 振り返れば、反省すべきことが多くありました。

 己の行動に対して責任は自覚していますが、

 人を巻き込んで変えていくことの難しさと、

 勉強不足と自らの非力を痛感しています。



 来年も厳しい経済環境が予想されますが、

 自分が与えられた役割のなかで、

 しっかりと現実を見つめて、何をすべきか、

 時間を無駄にせず研さんに励み、

 人のつながりを広げ、

 精一杯行動していきたいと思っています。



 このブログも、5月に初めて、8カ月続けることができました。

 5月には500だったページビューが、

 月を重ねるごとに増え、18000を超えました。

 読んでいただいていることが、励みにもなりました。

 このブログをご覧いただいたみなさまに感謝します。

2011/12/30

餅つき


 我が家は例年12月30日に餅つきをします。

 娘の里帰り出産ができなかったので、今年は、大学の正月休みで帰省してきた息子を含め4人で餅つきをしました。

 作業場のストーブに薪をくべて、餅米を蒸し、昔ながらの木の臼でつきます。きょうは餅米1.5升で5臼つきました。

 最近では、手間もかかるので臼を使っての餅つきはめっきり減っているようですが、家族の協働で新年を迎えるための大切な行事として続けています。

 もっとも、妻にいわせると、臼でついた餅は腰があり、おいしいから良く食べるので、自分たちが食べたくてしているということになります。いわれてみれば、確かに子どもたちもよく食べます。







2011/12/29

だれが何を言ったのかは必ず歴史に残るんです

 今朝、テレビを見ていたら、消費税増税についてのニュースのなかで、民主党税制調査会で藤井裕久会長が、民主党議員を前にして「だれが何を言ったのかは必ず歴史に残るんです。」と言ったのを聞いて、驚きとともにあきれてしまいました。

 藤井裕久会長はかつて、「総予算207兆円の1割から2割くらいは簡単に切れる」と豪語しましたが、何のことはない、政権交代の効果として切れたのは総予算の1割ではなく、目標額の1割に過ぎません。

 大蔵省出身で、党内では財政通と認められていた藤井氏の発言は、強い影響を与え、民主党の悪質な選挙戦略において果たした役割は大きかったと思います。

 民主党が政権をとるために藤井氏が何を言ったかは歴史に残ります。

 さらに、民主党はうその上塗りをしようとしています。最後に権丈教授に一文を掲載します。
 (http://kenjoh.com/より)

 *クリックすると拡大します。

2011/12/28

橋下大阪市長の施政方針演説(給与カットと職員組合について)

 橋下市長は、24日に同市交通局や環境局などの現業職員を含む約1万2000人の給与を、来年4月から民間並みに引き下げる考えを戦略会議のなかで明らかにしていました。

 大阪市交通局によると、関西の私鉄運転士の平均年収は664万円ですが、大阪市の地下鉄の平均は734万円と、民間より約1割高い水準にあり、バス運転手は民間会社の平均年収は544万円ですが、市バスの平均は739万円と、民間より3割以上高い水準にありますが、これを、来年4月をめどに民間並みへ給与をカットするとしています。

 そして、一般職の職員の給与の削減幅は7~8%程度、退職手当の削減幅は5%程度になるのではないかと思われます。

 私も、このブログの10月13日に公務員給与・京丹後市は271位を書いて以来、京丹後市の職員給与も見直しの必要を感じ、市民に高負担を求める前に職員給与カットを市民に高負担を求める前に職員給与カットを(一般質問その1)「給与カットは良くない」との声に対してと、一般質問にも取り上げ、ブログにも書き込んでいます。

 橋下市長の考え方には大いに共感できるところもあるので、きょう行われた施政方針演説の一部を掲載します。


橋下大阪市長施政方針演説(抜粋)

 まずは、私が打ち出す改革方針の下、大阪市役所という組織の力、それぞれの部局、それぞれの現場の職員の持てる能力をフルに発揮してもらい、一丸となって課題解決にあたってもらいたいのです。

 逆に、組織の隅々からトップに対して、良い情報も悪い情報も、迅速かつ正確に届き、判断に遅れや過ちを生じさせない、組織として自律的に課題を発見し、解決方策を導き出せる、こうした組織へと発展させていきたいと考えております。トップダウンとボトムアップ。大阪市役所という行政機構において、こうしたことが有効に作用する、そのような仕組みづくりを目指していきます。

 また、住民サービスの展開にあたっては、これまでの市役所の考え方とやり方を根本的にあらためなければなりません。長年の間、特定の団体や市民に対する補助やサービスの提供が続けられ、いわゆる既得権となって固定化されている、これが現状です。既得権を破壊することが私に与えられた使命だと思っております。この観点から、市の施策全般について点検を行い、早急に改善を図ります。

 さらに、厳しい財政状況を踏まえて、時代に合わなくなった施策・事業を見直すとともに、重点投資する分野もシフトしていきます。例えば、「子ども」や「教育」や「雇用」などの分野に重点的に投資し、現役世代が生み出す活力・効果を高齢世代にも還元していきます。現役世代に重点投資をし、現役世代の活力によって高齢世代を支えるというような社会全体の仕組み自体も変えていきたいと思っております。

 また、「民間でできることは民間に任せる」ということを徹底します。民間にチャンスを与えて民間に競争させる、役所が抱えている仕事をできるかぎり民間に開放するということも、私の使命と考えております。

 今回の市民・府民の皆様の選択は、「大阪の仕組みそのものを変えてほしい」という選択です。

 私は、政治と行政が、まずは、互いの本質や違いを分かりあい、役割分担を認識したうえで、徹底した対話と議論を行うことが重要だと考えております。政治家でもある私に対して、市役所職員が民意を語ることは許しません。民意というものを語るのは公選職、選挙で選ばれた者だけだと思っております。職員が民意を語ることを許しません。自宅で語ることは自由だが、この市役所内で公務員として正式に民意を語ることは許しません。

 私が下した政治決断には、行政組織の持てる力を結集して実現に努めてほしいと考えております。

 大阪市役所の組合問題にも執念を燃やして取り組んでいきたいと考えております。大阪市役所の組合の体質はやはりおかしいというふうに率直に感じます。この庁舎内で、政治活動をすることは、これは当然許されません。

 現職の知事として大阪市役所内に足を踏み入れた時、大阪市役所から現職の知事である僕に宣言されたことは、市役所内で一言も発言をするなということでした。それは、政治活動につながるということだったわけです。そうであれば、組合が、この公の施設で、政治的な発言を一言でもするようなことがあれば、これは断じて許せません。

 選挙で選ばれた知事ですら、この市役所の中で政治発言が許されないということであれば、選挙による民主的統制を受けていない職員組合が政治活動ということを少しでも行うことは、これはあってはならないことです。そういうことを今まで許してきた大阪市役所の体質を徹底的に改めていきます。

 先日、公の施設内で政治活動が行われていたことに関し、市民に対しての謝罪を求めたところ、大阪市役所のこの組合は、謝罪文一枚で済まそうとしております。5階に市民の代表である僕がいるわけですから、地下から上がってきて5分でも謝罪しに来れば済むところを、紙一枚で済ますなんていう、このような感覚は市民感覚とはかけ離れております。

 一体これはどういうことなんでしょうか。だいたい、あいさつ、しつけ、こういうことをしっかりと子どものときにしてこなかった子どもは、大人になってろくでもない大人になります。

 今の大阪市役所のこの組合は、あいさつというしつけすらできていない状況だと思っておりますので、この謝罪の件に関しては、直接のおわびをするようにということを強く組合に求めておりますが、まだその返事はいっこうにありません。当たり前のことが大阪市役所の組合にはできません。紙一枚で許されるようなことではありませんが、このようなことを許してきた大阪市役所の体質、そして議会の皆様にも、責任を感じていただきたいと思っております。

 大阪都構想の実現、大阪の統治機構を変えるということに、これから執念を燃やしていきますが、それと同時に、組合を適正化する、ここにも執念を燃やしていきたいと思っております。 今後、大都市制度のあり方はもちろんのこと、さまざまな改革や政策を実現していくプロセスにおいて、市会の皆様方に丁寧に説明し、真摯に議論を重ねてまいりたいと考えております。 

 私自身は非常にしつこい性格でありまして、もう一言、組合について述べさせてもらいたいと思うのですが、大阪市役所のこの組合の体質というものが、今の全国の公務員の組合の体質の象徴だと思っております。 ギリシャをみてください。公務員、公務員の組合というものをのさばらしておくと国が破綻してしまいます。

 ですから、大阪市役所の組合を徹底的に市民感覚にあうように是正、改善していくことによって、日本全国の公務員の組合を改めていく、そのことにしか日本の再生の道はないというふうに思っております。

 大阪都構想と組合の是正、これによって日本再生を果たしていきたいと思っております。

2011/12/27

東日本大震災災害支援活動補助金のあり方は・・・


 今日は、市議会だよりの紙面づくりをしました。そのなかで一般会計補正予算の記事に載せる質疑をまとめるために、本会議の音声を聞いたのですが、本会議でもしっくりこなかったのですが、音声を聞いても東日本大震災災害支援活動補助金の補正についてのやり取りが釈然としません。

 この補助金が6月補正で提案された際にも質疑が集中し、ボランティアについての考え方を含め議論となりました。

 京丹後市民による被災地での多様なボランティア活動を支援するためであっても、上限100万円で10分の10の補助金であり、私は、行政が主導して、京丹後市は距離も遠いということを良く考えて、何を提供することが被災地のためになるのか、また、行政として適切であるかを考えて、補助金をより有効に活用する必要があったと感じました。

 今回の補正では、参考資料として、6月の補正以降の補助金支給8件の内訳がありました。その資料によると、多様なボランティア活動の支援といいながら、土砂撤去が5件と多く、また、10分の10の補助金で一人当たりの上限を設けていないなかで、1人に50000円を補助した団体から15000円以下の団体まで大きな差があります。(補助金を出す行政が、申請された内容を全て認めるのではなく、申請に対して指導すべきだと思います。)

 私は、市が参加費を取ってボランティアを募集し、被災地に行ってもらう方法が一番良かったと思いましたが、そこは執行権の範囲であることと、ボランティア活動を否定することはできないので、賛成はしましたが、やはり、釈然としません。

 被災地の陸前高田市の副市長(久保田崇@陸前高田市副市長)が、8月25日のブログ「支援したい方と被災地の本当のニーズ」に書かれています。

 財政が制約されているなかで、被災地までの距離が遠い京丹後市は、被災地からの情報を収集して効率的で被災地のニーズにあった支援をすることをもっと考えるべきだと思います。



以下引用・・・・・・
 

 最近感じるのは、支援したい方と被災地のニーズがなかなか合わないということです。

例えば、陸前高田は図書館が被災したため、

移動図書館車(5千冊の図書含む)を滋賀県東近江市から頂きまた。



しかし、東近江市に加えて全国各地からも、保管できないくらい多数の図書を寄贈頂き、

これ以上の図書の寄贈については、断っている状態です。

支援頂けること自体はものすごく有難いことですが、

保管スペースがなく、管理もできないので、断らざるを得ないのです。



本当に欲しいのは、図書館という建物そのものや、学校施設そのもの。

しかし、これらは本来は国の費用で建てるべきものや、

建設費用が高額のため、一般の寄付で対応できるような代物ではありません。

(少なくとも、「○○学校建設基金」などを設置した上で、多くの方の協力が必要です。)

結果的に、「何か支援できることがありますか?」と外部の方から問われても、

「欲しいものは特にありません。ありがとうございます。」という状態になります。



外部からいろいろと支援したいという声を頂き、有難い限りですが、

実際には、受け入れられる支援は多くはありません。

このことは、かなり心苦しいです、被災地の現実です。



・・・・・引用終わり



 また、東日本大震災復興対策本部事務局次長の岡本全勝さんがホームページに書かれています。(http://homepage3.nifty.com/zenshow/index.htmlより)


被災地でいろいろ見聞きして、考えたジレンマを、紹介します。既に、新聞などでも、取り上げられている事例です。

(支援物資と地元商店)
被災地には、全国や世界から、たくさんの支援物資が届けられました。これはありがたいことです。ところが、児童生徒に、ノートや鉛筆がたくさん配られたので、地元の文房具屋さんは、商売あがったりになりました。同様に、スポーツ用品店や衣料品店も、売上げが大きく落ち込んでいるところもあるとのことです。
さて、このような場合、あなたが、まだたくさんの支援物資を保管している市役所やNPOの責任者だったら、どうしますか。

(被災者と支援ボランティア)
まだ初期の頃の話です。体育館に避難された人たちを支援するために、たくさんのボランティアが駆けつけました。避難所での物資の搬送と配分、炊き出しなどの作業をしてくれました。一生懸命汗を流しているボランティアの横で、避難者の何人かは、暇をもてあましていたという例が、あったそうです。もちろん、避難者の多くは、心身ともに疲れておられます。しかし、日が経つと元気な避難者もおられ、支援に行った人の中には、釈然としない人もいたとのことです。
さて、あなたがその場にいる支援者なら、どうしますか。
(2011年8月25日)



 

2011/12/26

市議会だよりの調整(広報編集委員会12月26日)

午前9時から広報編集委員会があり、市議会だより平成24年2月号(第31号)について調整をしました。

 2月号は表・裏(市民の声)表紙を入れて20ページと決まりましたが、そのうち、18人の議員による一般質問が9ページ半(質問議員がテープ起こしをして、答弁を含めて責任を持って所定の字数内で書きます。)を占めます。

 その他は、年頭あいさつと補正予算、し尿・下水関連値上げ議案で2ページ、職員給与改正条例、組織条例などと議員の議案賛否一覧で2ページ、3常任委員会の視察報告が2ページ、陳情・意見書が1ページ、前回の市民と議会の懇談会での意見・提言と、次回の案内で1ページ半という割り付けとなりました。

 そしてそれぞれに担当者を決めましたが、私は、年頭あいさつと補正予算、し尿・下水関連値上げ議案の2ページを担当することとなりました。

 紙面が2ページと少ないので多くは書けませんが、議会事務局から補正予算質疑と討論、し尿処理手数料改正議案の委員長報告に対する質疑と討論、下水関連使用料改正議案の討論の音声を「宅ファイル便」で、関連する委員長報告のデータと併せて自宅のパソコンに送ってもらいました。

 明日は、レイアウトと紙面づくりをしますが、データが多いのに紙面が少ないので絞り込むのが大変です。

平成24年度予算案 欧州危機「対岸の火事ではない」 主要国で最悪、借金大国

昨日、来年度予算の閣議決定の報道を見て、来年度予算閣議決定に思うを書きました。今朝の産経新聞のネット記事が補足になるので、以下、引用します。

以下引用・・・・・・

平成24年度予算案 欧州危機「対岸の火事ではない」 主要国で最悪、借金大国

2011年12月25日(日)08:00
平成24年度予算案は3年連続で新規国債発行額が税収を上回る異常事態となり、国の債務残高は膨らむばかりだ。欧州債務危機で、市場は「国債の信認」に厳しい目を向けている。国債の国内消化や経常収支の黒字、増税余地を根拠とした「日本は欧州と違う」との楽観論も危うい。主要国で最悪の「借金大国」である日本にとって、債務危機は決して「対岸の火事」ではない。
◆IMFが警鐘鳴らす
「財政の持続性をめぐる市場の警戒心から、日本国債の利回りが突然跳ね上がる恐れがある」
国際通貨基金(IMF)は11、12月と立て続けに日本の財政の危機的な状況に警鐘を鳴らす報告書を公表した。最も問題視しているのは、支出が収入を上回り、赤字を穴埋めするために借金を重ねる構造だ。
IMFによると、借金(新規国債発行)を除く歳入から歳出を引いた財政収支の赤字は、今年が国内総生産(GDP)の10・3%に上り、米国(9・6%)や英国(8・5%)を上回る。債務危機に揺れるギリシャ(8・0%)やイタリア(4・0%)は、経済の実力との比較では、赤字の割合はむしろ低い。
◆支える個人金融資産
それでも、日本で危機が顕在化しないのはなぜなのか。理由は3つある。1つは、国債の国内消化だ。日本が発行する国債の9割以上は、国内の個人や企業が持つお金で購入されている。支えるのは、約1400兆円に上る個人金融資産だ。その多くが銀行預金や郵便貯金に預けられ、金融機関が国債を大量に購入し保有している。
2つ目が、海外とのモノやサービス、投資などの取引状況を示す経常収支の黒字だ。日本は海外で稼いだ資金が企業や個人に蓄えられ、国債を買い支えている。これに対し、ドイツを除く欧州各国は軒並み経常赤字国だ。国内の稼ぎが海外に流出しており、国債の消化を海外の資金に頼らざるを得ない。
◆「双子の赤字」狙い撃ち
市場は、財政と経常収支の「双子の赤字」を抱える国を狙い撃ちし、国債を売り浴びせている。国債価格の下落で長期金利が上昇しギリシャは30%を超え、イタリアも危険水域の7%前後で推移。1%程度で低位安定している日本とは対照的だ。米国も双子の赤字を抱えるが、ドル基軸通貨体制の恩恵で、世界中の国がドル資産を保有し、資金が集まってくるため、金利も低水準に抑えられている。
3つ目が増税余地。日本は消費税率が5%なのに対し、欧州は軒並み20%前後。今後の増税によって財政再建が十分に可能というわけだ。
だが、3つの根拠はいずれも危うい。個人金融資産は、高齢化に伴う貯蓄の取り崩しで、「32年ごろまでに債務残高を下回り、吸収できなくなる」(エコノミスト)と指摘されている。経常収支も、経済産業省が現行の円高水準が続けば、産業空洞化が進展して貿易赤字が定着し、「2010年代後半には赤字に転落する恐れがある」との分析を公表した。歳出削減を置き去りにしたままでは、消費税増税に対する国民の納得を得るのは難しい。
市場が、日本国債の「暴落リスク」を意識し始めるのは時間の問題だ。長期金利が1%上昇すると、利払いなどの国債費が2・5兆円膨らみ、消費税率1%の増税分が帳消しになるとの試算もある。IMFは「成長を促進する構造改革と財政健全化が不可欠だ」と警告した。火の手は足元まで迫っている。(本田誠)
・・・・・引用終わり
 日本の金利が低位安定しているのは、デフレ経済が続いているからだと思っています。先日、民主党の前原政調会長が、消費税を上げるためにデフレの克服に全力を挙げることを強調していましたが、そもそも、国内での需要が弱いために緩やかなデフレが続いていることや、財政の健全化において民主党の政策が問題があったことなどを理解して言っているのか疑問に感じました。
 デフレの克服を言うなら、不足する民需を補うために公的支出を増やして、刺激する必要がありますが、平成24年度の予算では、民需を刺激することはできないと思います。また、EUの信用不安から世界中が財政健全化を進めているなかで、日本だけが財政規律を軽視すれば、国債の格下げなどで世界中からたたかれ、売り浴びせられて金利が上がることにでもなれば、国債発行による資金調達コストが上昇することになります。
 日本はすでに膨大な国債を抱えており、毎年予算に計上される新規国債以外にも多額の借り換えの国債を発行しており、平成23年は115兆円発行しています。つまり、平成24年の国債発行額は借換債も含めると174兆円以上になりますが、これだけの金額になると、金利が安定していなければ資金調達コストが予算に跳ね返ります。(また、国債金利が上昇すれば保有する金融機関の資産も劣化するため、EUのように金融不安に陥る可能性もあります。)
 前原政調会長は、もし、デフレが克服しされ、緩やかなインフレ(本来なら理想ではあるのですが)になり金利が上昇すれば、国債の利払いに莫大なコストを必要とすることを理解して発言していません。ほんの目先だけを見て発言しています。
 今年度末には国の借金が1000兆円を超えてしまう状況にあり、日本はデフレのなかで財政健全化を進める以外に道はないように思います。

2011/12/25

来年度予算閣議決定に思う

 
 政府が臨時閣議で来年度予算を決定したという報道がありました。

 報道によると、一般会計の総額は90兆3000億円で前年度を下回っていますが、これまでで最も借金依存度が高い予算となっています。

 新規国債の発行額は約44兆2000億円で、なおかつ、これ以外に基礎年金の国負担分については予算案に含まない「交付国債」とやらを2兆6000億円発行します。(消費税増税後に、償還するそうです。)

 民主党はマニフェストで、政権を変えて予算を組み替えて無駄を削れば16兆円以上の予算を確保できるとのことでしたが、民主党が政権の座についてから増えたのは国の借金と地方の負担であり、財源確保のためにマニフェストで約束されていた公務員改革なども一向に進んでいません。

 安住財務相は記者会見において、「予算の国債依存の態勢は、やはりそろそろ限界にきてしまったのではないかと思う」と述べ、悪化する国の財政について危機感を持っておられるようでしたが、一方で、民主党のなかでは、今に至ってもマニフェストを守れと声高に発言されている方もおられ、国の危機よりも我が身のことしか考えていないようで、政権政党としての責任感がありません。

 日本は、国民の金融資産が1500兆円あるから、国債を発行しても大丈夫、国債は資産であるという人もいますが、1990年には19%あった家計貯蓄が、2010年には2%まで下がっており、間もなくマイナスになると予測されています。国民の金融資産の今後の減少とともに、このまま推移すると国内で国債の消化ができなくなることは火を見るよりも明らかです。

 さらに、超高齢化社会への移行にともない、高齢者の金融資産は減少していきますが、税収も減少していきます。しかし、介護を考える(三好春樹 in 丹後 2011)追記版医療の課題などにも書きましたが、高齢者人口の増加とともに医療、福祉、年金のための社会福祉関連予算は増え続けます。

 11月のセミナーで慶応大学の権丈教授から伺った試算では、増え続ける社会福祉関連予算を賄いながら国債の増発を防ぐためには来年から10年間、毎年消費税を2%毎年上げていく必要があり、それでも高負担中福祉のレベルを保つのが限界とのことでした。

 国債の発行には限界があります。国民の金融資産が多いからといって、国民が個人で国債を保有(4%)しているのではなく、国債を買い支えたのは公的資金であり、国債の保有残高は、日銀が80兆円、公的年金が100兆円、旧郵政(郵貯、簡保)が220兆円となっており、2009年10月に起きた0.3%の金利急上昇の時もゆうちょ銀行が買い支えています。(また、家計には資産だけでなく負債もあります。)

 もっとも恐ろしいのは、終戦後のように、ハイパーインフレでお金の価値が350分の1になってしまうことであり、戦争終結時点で、戦時国債が1400億円程度、政府短期借入金が2000億円程度、合計3400億円程度あったのが、昭和11年の卸売物価を1とすると(その後の戦時中は物価統制がなされています。)、昭和26年には卸売物価は350となっており、3400億円あった戦時国債と借入金の実質的な償還は350分の1の10億円以下で済まされています。これだと国は破綻しませんが、国民は困窮します。これまでにもハイパーインフレはドイツ、ハンガリー、ブラジル、アルゼンチンなどでありました。

 政府には国債に頼らない持続的な財政への転換を求めます。

 


 

2011/12/24

下水道使用料値上げを否決(12月議会最終日12月22日)


 12月議会最終日は、議会運営委員会他に書いたように、各委員会への付託議案について、委員長から審査報告があり、その後、委員長への質疑、討論、採決がありました。

 し尿処理手数料の値上げの議案については、総務委員会での審査結果が全員反対の否決であったことが報告されました。委員会での審査内容と結果については、すでに会派会議のなかで報告を聞き、意見交換をして問題点を理解していたので、私も反対をしました。

 し尿処理については、エコ・エネルギーセンターをNEDOから無償譲渡を受ける際に、エコ・エネルギーセンターにし尿を投入できれば、施設維持管理費など8000万円の減額が可能という説明もあり、かつ、市長が審査を付託された委員会において、し尿投入を明言したことから、委員会はエコ・エネルギーセンターの無償譲渡を一旦可決しました。

 しかし、地元地区には事前に一切知らされていなかったため、市長の突然の発言を受けて、はじめてし尿投入を知った地元区から受け入れ拒否の緊急要望が提出され、これを受け委員会は裁決を取り消し、継続審査としました。その後、市長はし尿投入を撤回しました。

 今回のし尿手数料の値上げは、し尿処理が特別会計ではないのに、一般会計の充当率を引き下げると言う説明であることと、エコ・エネルギーセンターにし尿を投入できていれば経費が削減でき、値上げが必要なかったものであり、市長が責任を持って同等の経費削減を図る責任を果たしていないことからも反対するとの考えに賛同しました。

 し尿手数料の値上げは、賛成2名、反対21名で否決となりました。

 また、下水道使用料金の値上げの3議案については、すでに、下水道料金等値上げに反対、委員会否決浄化槽条例改正案の一部修正を提案(委員会否決)に委員会での模様は書いています。ご覧ください。

 本会議では、3議案とも、賛成3名、反対20名で否決となりました。

 このほかにも多くの議案がありましたが、ここでの報告はしません。

2011/12/21

昔の日本軍の悪しき根性主義から一番きちんと脱却していた役所が、なんと自衛隊だった


 官僚機構における縦割りの弊害や危機管理の欠如など、太平洋戦争での敗戦を受けて反省され、改革されるべきであったことが、何も変わらないどころか、ひどくなっていることは、現職官僚が書いた本などからも広く知られています。

 京丹後市においても、行政は縦割りであり、全体のマネジメントは出来ていないと考えていますが、日経ビジネスの記事に、震災直後の対策本部にばらばらの省庁から集まってきた官僚をチームとしてまとめ、各省の利害対立を抑えて機能させたのは若い自衛隊員だったという話が出ていました。日経ビジネスの「御厨貴・東京大学先端科学技術研究センター教授に聞く』から引用します。

 以下引用・・・・・

御厨:こんな話があります。僕のゼミ出身者の若手官僚が、震災直後から、首相官邸の地下の対策本部に放り込まれました。20代の官僚たちが各省庁から集められて、被災地対応をすることになった。震災対応という緊急事態に、ばらばらの省庁から集まった官僚たちをチームとして機能させるのは実はとっても難しい。「いったい誰がどうやってチームを指揮したの?」と彼に質問したら、「自衛隊から来た人です」というんです。

池上:自衛隊の人が、現役官僚たちを指揮、ですか?

御厨:はい。現場作業を担う自衛隊の若い人間がやってきて、決して威張らずに、「まず最初に何をやらないかいけないか決めて、何をするのかすぐにチーム分けをしましょう」と先頭に立って、指示を出し始めた。おかげで、財務省から経産省から国交省から総務省から、各省庁から送り込まれた文官の諸君は、自衛隊の若手の指示に従って、震災対応の作業をすぐにスタートできたそうなんです。

池上:すごい話ですね(笑)

御厨:震災対策本部では時として各省の利害が対立するシーンが出てくる。そんなときに間に立つのが自衛隊の若手だったそうなんです。で、その自衛隊の若手が対立している官僚たちにこう言うんだそうです。「日本が第二次世界大戦でなぜ負けたかご存知ですか。資材をどう分けるかを巡って、陸軍と海軍がケンカをし始めたからダメになったんです。だからみなさん、それを思い出して、官僚同士が足の引っ張り合いをしないようにしましょう」と。

池上:第二次世界大戦での軍部をはじめとする日本の縦割り官僚制度の失敗を、自衛隊の若手たちはちゃんと学んでいるわけですね。被災地での自衛隊の活躍ぶりは、今回たくさん報道されていましたが、裏にチームマネジメントができる自衛隊の能力があったんですね。

御厨:もうひとつ、自衛隊のマネジメント力を象徴する話があります。震災対応のような非常事態の最中で仕事をしていると、いわゆる「働き蜂症候群」になって、みんな寝ずに仕事をし続けてしまう。特に日本の官僚はその傾向が強い。調子がどんどん悪くなっていっているのに、机から絶対に離れないと粘る人間も出てくるわけです。今回の震災の対策本部でも同じような状況が起きた。すると、自衛隊の若手が命令するわけです。「すぐに隣の仮眠室に行って寝てください」と。命令された官僚が、「私はまだ大丈夫です、頑張ります」とみんな反論する。と、自衛官が官僚たちを一喝したそうです。「大丈夫じゃない! いま、あなたが倒れたら、次にやってくれる人がいるとは限らないんだ。非常事態だからこそ休まなきゃダメだ。今はとにかく寝て、それから戻ってきなさい」と。結局、彼の一喝で、みんなが寝たそうです。非常事態だからこそ、チームの人員は無理してはいけない。順番に仮眠室で寝て戻るサイクルをつくって、チームを動かし続けることが大切だ、ということを自衛隊は知っているわけです。うちの卒業生の官僚が「先生、自衛隊はすごいですよ」とつくづく感心していました。

池上:昔の日本軍の悪しき根性主義から一番きちんと脱却していた役所が、なんと自衛隊だったわけですね。非常事態だからこそ無理をしない、というのは、災害報道の現場も同じです。現場に大量に記者を送り込んで、徹底的に取材させてくたびれ果てるまで使い倒します。でも、それだと途中で記者が疲弊して、長期間の取材に耐えられなくなってしまう。NHKでの経験ですが、名指揮官がいると、こうした無理を絶対にさせないんですね。まず第一陣が、宿泊や移動手段、食事などのロジスティクスを整備します。そのうえで、第二陣、第三陣の取材チームを送り込む。取材現場でも名デスクは「お前はまず休め」と記者を順番に休ませる。ダメなデスクは「ひたすら頑張れ」と指示してしまう。長期戦を乗り切るためには、ロジスティクスと順番に休むことが大切、というのは、私もかつて経験しました。

・・・・・引用終わり

 この記事を読んで、数年前に読んだ文部官僚の岡本薫氏の著書「教育論議をかみ合わせるための35のカギ」の一節を思い出しました。(岡本氏は、OECDに出向した経験をもとに、この本に海外から見た日本の教育の問題(精神論的教育、心の教育など)と、社会の問題を書いています。)

 この本の「マネジメントについて日本人は戦争から何も学ばなかったのか?」という記述のなかで、「戦争についての研究成果や出版部を読み、知れば知るほど、『軍人』の行動様式は、私の周りにたくさんいる『役人』の行動様式そのものだったということを知り、『軍人が支配しても文民が支配しても、日本政府の体質は変わっていない。また必ず失敗する。』」と書いてありましたが、記事を読む中で再確認するとともに、改めて、変えていく必要を感じました。

2011/12/20

議会運営委員会他


 議会運営委員会では、12月議会最終日の議会運営と、3月議会の日程、定例会後に開催する市民と議会の懇談会の日程等について協議を行いました。

 最終日は、各委員会付託議案について委員長審査報告があり、委員長への質疑、討論、採決と進みますが、委員長の議案審査報告が15件、陳情審査報告が6件と、審査報告も多く、かつ、下水道使用料とし尿汲み取り手数料値上げの議案もあるので、時間がかかるものと思っています。

 また、国への意見書も3件あり、産業建設委員会からは全員賛成で長い間懸案であった「農業・農山村の存立と農家の経営基盤の強化のための施策を求める意見書」を提案します。他は陳情の採択にともなう意見書であり、「速やかに取り調べの可視化(取り調べ全過程の録画)の実現を求める意見書」、「障害者総合福祉法(仮称)の早期制定を求める意見書」の2件が提案されます。

 他にも、3議案が新たに提案され、「第2次合理化事業計画」は、総務委員会に付託され、閉会中の継続審査となります。

 3月議会の日程については、4月25日の改選が控えているため、いつもより早く2月27日開会、3月23日閉会の予定となっています。3月議会閉会後は選挙一色となると思います。

 市民と議会の懇談会については、2月の15日から19日の間で、冬場は雪の心配もあるので、場所ごとに平日の夜開催か、もしくは土日の日中開催かを議長・議会事務局が市民局長等と協議して日程を決定することに決まりました。

 議会運営委員会終了後に、議員会が開催され、来季の議員報酬について意見交換があり、終了後、会派代表者会で協議をしました。

 私は、議員報酬については、合併特例の交付税算定が終わることからも、財政規模の縮小を見込んで職員の給与カットとともに議員報酬の削減を主張しています。各議員の議員報酬に対する考え(専従、非専従など)も違うなかで、報酬金額についても考えが違いますが、多数決で決めるべきではないと考えています。来期の議員報酬が決まるまでには、まだまだ時間が必要です。

2011/12/19

TPPとドーハ・ラウンドの破綻(修正版)

 
 15日の産業建設委員会では、下水道料金値上げの3議案の採決後に「TPPへの参加反対の意見書を求める陳情」について、意見交換、討論、採決を行い、賛成2名、反対4名、欠席1名で不採択となりました。

 私のTPPに関する考えは、これまでにも(TPPを農業政策の転換の好機にTPPへの理解不足TPPへの参加反対の意見書を求める陳情)このブログに書いていたのですが、昨日、WTOによるドーハ・ラウンド(150カ国以上が参加した貿易自由化交渉)での一括妥結断念の報道があったので、今後、保護主義の台頭することが懸念されることなども含めて、書きこみます。

 ドーハ・ラウンドが停滞するなかで、各国の貿易自由化の取り組みは2国間、もしくはグループごとの交渉に軸足が移されていました。2011年6月時点で世界で発効済みのFTAがすでに199件もあり、さらに関税協定などを入れると474件もありますが、日本はドーハ・ラウンドでの自由化交渉を主として考えていたため、取り組みは遅れています。

 ドーハ・ラウンドにおける大幅な関税引き下げの例外、いわゆる重要品目の割合を8%にしてほしいという日本の主張は、ほとんど相手にされず、高い関税で農産物を保護するやり方は、既に限界にきていたといえます。実際、コメは高い関税のもとで長年減反が続けられてきましたが、貿易自由化に関係なく国内消費の減少により、米価は下落しており、国内産作物も、輸入農産物の価格に徐々に近づけながら、所得の目減り分は、政府が税金で保障して行く方向にシフトしていく必要があります。

 EUでは20年以上前にこうした方向に政策を変えた結果、農業生産は安定し、国際的な競争力も向上したといわれています。食料の確保・安全・安心の面で、国内生産の重要性に対する認識は深まっています。政府が直接補償する農家所得の範囲をどのように決めていくかなどの問題もありますが、政府は選択肢を国民に示し、日本農政を転換する必要がります。

 多国間協定であるTPPについても、アメリカやオーストラリアなどの9カ国によって、全品目での関税撤廃を目指す拡大交渉が加速したのは、ドーハ・ラウンドが妥結に至ることが不可能だと判断してのものですが、 アメリカの農業は実際は補助金漬けで弱い分野であり、TPPの交渉では農業の競争力の弱い日本には攻め込めるが、競争力の強いオーストラリアの農作物に攻め込まれたら、アメリカの農業はおおきな打撃を受けるといわれています。

 すでにアメリカは、TPP交渉の場でも砂糖や乳製品を例外にするよう主張し始めており、完全に例外なしの交渉をしているわけではないようです。

 日本は、ようやく11月にTPP交渉への参加を表明しました。一方で、オーストラリアやEU(欧州連合)とのEPA(経済連携協定)の協議も続けていますが、これまでにEPAが発効した相手国・地域の日本の貿易総額に占める比率は18.2%に過ぎません。

 ドーハ・ラウンドが実質的に破綻したため、2国間・多国間でFTA協定を結ぶ流れはさらに加速していきます。WTOによるあらたな世界貿易ルールの確立は極めて難しくなり、通商紛争の解決も難しくなるように思います。

 また、こうした流れは、グループ内の国々との貿易だけを優遇し、グループ外の国々との貿易を抑制する保護主義的な傾向が強まることも懸念されることから、資源を海外に依存し、貿易の重要性が高い日本のような国は、結局は多くの国々との自由貿易の交渉が必要となります。

 日本はTPPの協議に参加して交渉すべきだと思います。しかし、国内でリーダーシップが取れない政府が、交渉の場でリーダーシップを発揮することを期待することには無理があると感じています。


以下、15日の意見交換での発言と反対討論の要約です。

 (意見交換での発言)
 この陳情は、TPP参加に向けた協議を中止することを求めているが、日本は資源のない国であり、貿易立国でもある。

 すでに、日本の関税は低いと言われているが、TPPに参加するなかで他国の関税も下げていく必要があり、交渉のなかに入っていかなければ日本が浮いてしまう可能性がある。

 米韓FTAにおいては、韓国のコメは除外されており、日本もTPPのなかに入り主張すべきを主張すれば、完全自由化を目指すなかでも除外は可能ではないかと考えている。

 TPPへの新規参加を希望する国は、交渉に参加するか否かだけでなく、交渉の結果できあがった協定に政府が署名するか、政府が署名した協定を議会が批准するか、協定に参加した上で不都合が生じた場合、協定の修正を要求するなど、今後も取りうる手続きが残されており、情報が少ないことは問題でもあるが、手続きが進められているなかで、協議を中止することは非民主的である。

 自由貿易の流れは止まらず、FTAやEPAが2国間で進んでもいる、日本が協議に入らないことはあり得ない。

 農業分野については、これを機に韓国のように新たな対策を打っていくべきであり、農業については新たなチャンスが芽生える可能性も十分あると考えている。

 陳情者からはカリフォルニア米が3000円という説明もあったが、調べてみると、たしかに、カリフォルニア米の長粒種には3000円のものもあるが、日本人が食べるコシヒカリは現地で17000円、生産者原価は9000円前後のようであり、価格差は縮小している。

 日本でもアメリカのように農業への補助金の体制をしっかり組み立てていく必要がある。日本単独では人口が減少していくこともあり、需要がなければ減反はさらに進んでいく。輸出ができる農業の体制をつくるため、政府は農業対策を全力で考えながら交渉を進める必要がある。

 (反対討論)
 今後日本がアジアのなかで、また環太平洋の国々のなかで一定の役割を果たすため、自由貿易体制のなかで国の地位を守るためには、TPPの協議に参加しないという選択肢はないように思っている。協議に参加し、批准するのか、修正するのか、どのようにするのかは今後の課題であり、また、情報が開示されていないこともあるが、今後協議に入っていくなかで情報は開示されていくと考えている。日本は関税率が低いが、他国の関税率について言っていくことができる。

 農業分野については、TPPの枠組みに入っていくなかで、新たな農業政策を打ち出していくチャンスでもあると考えている。韓国においても、米韓FTAのなかで新たな農業政策を打ち出し、農業予算も大幅に増額している。

 日本の農業おいても、アメリカやEUのような(直接保障)補助金の体制を確立していかなければ残りえないと考えている。現に、FTAもTPPも関係なく、この数十年で減反は強化されており、関税で守るだけでは、限界があると思っている。

 関税で守る体制から、自由貿易のなかで補助金を使いながら農業をしっかりと支援していくという体制も十分考えられ、実際にアメリカやEUもそういった体制が取られているなかで農業がある。

 この陳情は農業者団体の陳情であり、農業について特に触れながら、今後の農業や日本の状況を考えるなかで反対する。

「給与カットは良くない」との声に対して


 先日の「給与カット」の質問に対して、多くの方からいただいた意見は、「民間が乾いたタオルを絞らなければならないほど経費の削減に努めるなかで、行政は努力が足りない。経済状況も厳しく、給与カットも必要である。」などというものでしたが、市長の答弁は「本市のラスパイレスは低く、職員は低い水準で頑張っていただいている。」とのことでした。

 市長と同じような思いを持たれたいる方が他にもおられ、人件費を削るのはあまり良い方策ではないとの声も聞かせていただきましたが、情報が不足していて実態が知られていないことを強く感じました。

 そこで、http://www.soumu.go.jp/main_sosiki/jichi_gyousei/c-gyousei/j-k_system/index.html総務省・地方公共団体給与情報等公表システムに掲載されている全国自治体のデータをもとに、具体的事例にもとづいて書いてみます。

 公表されている技能労務職のデータを見ると、同じ職種での民間の給与・年収との比較もデータのなかに含まれています。官民格差もいわれているので、民間と比較できる技能労務職で比較します。(全ての自治体の調査は出来ていないので、一部の自治体のデータを参考にしています。)

 京丹後市のホームページに公開されているデータと他のある自治体との比較です。

 京丹後市作業員(用務員)年収(平均年齢50.8歳)   5,352,121円

    民間作業員(用務員)年収(平均年齢53.8歳)   3,008,200円  

 おおい町作業員(用務員)年収(平均年齢51.4歳)   3,224,004円    

 京丹後市の作業員は民間の1.78倍の年収があり、おおい町の作業員よりも200万円以上年収が多くあります。おおい町は財政力は京丹後市よりもはるかに良い不交付団体ですが、ラスパイレスは京丹後市の93.6に対して、90.1です。全ての職種で京丹後市よりも平均給与が低く抑えられています。

 同様に、調理員の比較をします。

 京丹後市調理員 (平均年齢47.2歳)   4,975,937円

 おおい町調理員 (平均年齢50.3歳)   3,156,080円

 大野市調理員  (平均年齢48.1歳)   2,871,877円

 調理員でも、おおい町で180万円、大野市で200万円以上の年収の差があります。作業員も調理員も民間から見れば、明らかに年収が高すぎます。そして、自治体によっては財政を考えて民間並みの給与が支払われているようです。

 京丹後市の技能労務職をおおい町の年収で計算すると、1億3000万円以上の人件費削減となります。

 財政が厳しいと言いながら、職員は優遇されています。民間との比較(丹後地域の民間はさらに低い)においても、職員給与カットは必要だと思っています。丹後の厳しい経済状況も勘案すると、職員人件費に手をつけずに、市民サービスのカットや新たな負担を求めることはしてはならないと思います。

2011/12/17

浄化槽条例改正案の一部修正を提案(委員会否決)


 下水道料金等値上げに反対、委員会否決にも書いたように、下水道料金の値上げの3議案を委員会は否決しました。

 ただ、浄化槽については、下水道使用料金値上げのほかに、ブロアー電気料金の助成についても改正がなされていたので、私はこの点を評価し、値上げ部分を削除して電気料金の助成のみの修正案を提案しました。(浄化槽については、下水道使用料金のほかにブロアーの電気料金の負担が必要であり、市町村により浄化槽使用量を割安にしたり、電気料金の助成をするなどさまざまな対応がなされています。)

 京丹後市においては、平成22年の下水道計画の見直しによって、44地区が集合処理(公共下水道等整備)区域から除外され、個別処理(浄化槽整備)区域に変更となっています。

 この変更によって、下水道整備の総事業費が従来の計画で766億円6200万円であったものが、635億2300万円と、132億円のコスト縮減がなされています。

 個別処理区域の拡大は、市財政のコスト削減と将来負担の軽減に大きく貢献しており、本来ならこの計画見直しの時点で、ブロアーの電気料金についても見直しがあってしかるべきであったと考えていますが、当時、市民への計画見直しの広報(パブリックコメント等)ではブロアーの電気料金負担が別途必要であることが全く触れられておらず、計画見直しの説明がなされた議員全員協議会で議員から指摘され、市長が「この点についての記述が欠けていたというのは、必ずしも十分ではなかったということで反省をしております」と答弁しています。

 ただし、議員全員協議会での説明では、住民説明会において電気料金の負担については説明しており、負担軽減の要望などもあり、検討していくとされていました。

 修正案の財源についての考えを問う質疑への答弁においても、計画見直しによる100億円を超える大幅な整備費の削減もあり、浄化槽は整備費が公共下水に比べ低く抑えられることからも、一定維持費が高くつくことも理解していただいているものと答えましたが、修正案への賛成は得られず、否決となりました。

下水道料金等値上げに反対、委員会否決


 15日の産業建設委員会では、下水道料金値上げに関連した3議案(公共下水道、集落排水、浄化槽)と陳情について、意見交換、討論、採決を行いました。

 下水道料金値上げに関する議案については、3議案とも、反対5名、賛成1名(1名欠席)で秘訣となりました。私の反対理由は、整備率・水洗化率(加入率)が低いなかでの一般会計からの繰出しの考え方に全く同意できないこと(市長提案と異なること)が最大の理由であり、合併特例で国から交付税が多くある現状で、一般会計から繰出しをしないのは努力不足であると考えています。(下水道事業は、施設整備が先行するため、繰出しが必要不可欠です。)

 提出された資料によると、一般会計からの繰出しは平成24年には10億2千万円ですが、10年後の33年には10億5千万円を繰出しすることになっています。この繰出しの考え方は下水道計画の見直しの際から一貫しており、私は、これまでにも予算審査や決算審査において、一般会計からの繰出しを直ちに増やすべきであることを指摘していました。

 なぜなら、10年後には、市の歳入(収入)は合併後の交付税1本算定により、31億円(当時の説明は25億円)減少することがほぼ確定しています。しかし、10年後、収入が減ったなかで10億5千万円が下水道に繰り出しできるとしながら、収入がある現段階でそれ以上の繰出しができないとしています。

 収入がある段階で繰出しできないものが、収入が大幅に減っても繰出しできるとするのは先送りの極めて無責任な考え方であると思います。(そして、10年後、おそらく市長も市の幹部もすべて入れ替わっており、誰も責任は取りません。)

 討論でも述べましたが、一般会計から下水道会計の繰出し金は平成16年に9億9千万円、平成17年には10億9千万円、平成18年には11億7千万円と、公債費の増加とともに増えましたが、資本費平準化債を財源として発行して負担を先送りするとともに、繰出し金は平成19年に7億8千万円と大きく減額になり、今日を迎えていますが、考え直す必要があります。

 他の自治体では、一般会計から多くの繰出しをしています。

豊岡市では、平成22年度の一般会計決算489億円の内、下水道事業(各会計合計)の繰出し金は、33億3133万円でした。

 さぬき市では、平成22年度の一般会計決算268億円の内、下水道事業(各会計合計)の繰出し金は、13億5450万円でした。

 南あわじ市では、平成22年度の一般会計決算262億円の内、下水道事業(各会計合計)の繰出し金は、16億6310万円でした。

 南丹市では、平成22年度の一般会計決算230億円の内、下水道事業(各会計合計)の繰出し金は、18億7157万円でした。

 京丹後市では、平成22年度の一般会計決算338億円の内、下水道事業(各会計合計)の繰出し金は、8億3700万円でした。

 整備率、水洗化率も低い現状では、値上げではなく、一般会計からの繰り出しを増やすことが必要です。そして、そのためには職員人件費を含めた徹底した再検討が必要です。

2011/12/14

きょうの議会

きょうは一般質問3日目で、4人の議員が質問をしました。質問終了後、初日に提案された補正予算の質疑、討論、採決が行われ可決しました。その後、交通安全計画が提案され、質疑の後、即決で可決しました。

 また、丹政会での会議もあり、議員報酬、政治倫理条例の見直し、下水道等料金値上げ等について意見交換を行いました。

 明日は、産業建設委員会があり、下水道料金等について意見交換、討論の後、採決となりますが、私は値上げに反対します。

2011/12/13

市長の政治判断と責任(一般質問その2)

 きょうは一般質問2日目でした。7人の議員が一般質問を行い、厳しい意見も出ていました。また、答弁がかなりすれ違っていたものがあり、問題を感じました。

 昨日に引き続き、一般質問の続きを書き込みます。一般質問の2つ目の項目として、「市長の政治姿勢について(政治判断と責任・現状認識と住民ニーズの把握)」を質問しました。

 2期8年間を振り返り、6点の施策について、市長の判断、どのように住民ニーズを把握し、現状を分析して、施策に取り組んできたか、その責任をどのように考えているのかを質問しています。

(1) ボートピアの誘致について

(質問の要旨)
   平成20年12月15日には議員全員協議会で尼崎市による本市におけるボート場外発売場(ミニボートピア)設置の同意についての説明をしていますが、その場での厳しい意見を受けて、その後は店晒しになっています。

   私が議長当時、地元区から要望書の提出があり、その際、ボートピアの誘致について、取り組みの当初に地元区において、市長が実現の約束をされたと聞いていますが、その後も市長からの動きはなく、この11月に、地元から陳情書が議会へ提出されています。

   市長は地元区と約束をされており、施策を推進する立場にあったと思うが、地元との約束をその後どのように考えて現在に至っているのか。約束した責任はないのか。

(市長答弁)
 手続きを進める約束はしたが、実現の約束はしていない。当初の状況から変化もあった。



(2)  蒲井・旭地域振興計画について

(質問要旨)
 久美浜原発関連で、立地が計画されていた蒲井・旭地域を指定して、関西電力から4億7千万円の寄付金を受けました。

 この寄付金を受けて蒲井・旭地域振興計画が策定されましたが、原発問題で地域振興が遅れていたとはいえ、市内の1地域に27億円という巨額の事業費(寄付金+過疎債)を投入しようとした計画が浮上しました。

 当時、たつみ府議会議員、石河議員、森口議員と私が地元区の住民総会の席で意見を求められ、私は、「過去の原発問題の経緯を考えると申し訳ないが、各室露天ぶろ付きの一泊35,000円の旅館経営は現実的でない。このままでは反対する。議会が認めることができる現実的な計画へ見直しをして欲しい。」と話し、繰り返し議会を通らないこと、反対することを話しています。

 しかし、この話を受けても、市長は地元の代表に見直しを進めることなく、議会が反対してもやると話し、補正予算で関連予算の提案をしました。しかし、議会答弁で立ち往生してしまい、結局取り下げることになり、その後、計画は大きく修正となりました。この責任は市長にあります。

 それでも、市は、寄付金4億円を交付金として蒲井・旭地域に交付し、地区事業として一泊35,000円の旅館「いっぺん庵」の建設を進めました。当初、計画の核となる施設でもあった「いっぺん庵」もオープンしてしばらく経ちますが、一泊35,000円の宿泊費で、経営は厳しいと聴いています。市長は市の支援があるかのように話して推進を図ったと聞く。市長として責任はないか。

(市長答弁)
 支援をしている。

 また、市長は私に対して地元区の総会に出席したのはいつかという反問、一泊35,000円を知ったのはいつかと再反問をされています。


(3) 赤坂今井墳丘墓(2号墳)の発掘調査について

(質問要旨)
 市長は、一時期、文化庁に補助金を申請し、京都府教育委員会が反対しているにもかかわらず、発掘調査を進めようとしておられたことがあった。費用は10億円と聞かされていたが、その内文化庁の補助金は5億円で、残りは単費であったと思う。京都府教育委員会が反対するなか、住民ニーズをどのように把握されて、この事業を進めようとされたのか。

(市長答弁)
 住民ニーズではなく、公約として進めた。


(4) エコエネルギーセンターについて

(質問要旨)
 京都府からはエコエネルギーセンターについては支援しないことが19年にいわれていた。京都府の反対もあったようだ。京都府の反対を超えて存続させた住民ニーズは何か。現在も施設そのものの維持管理について支援の考えはないと聞いている。

 また、今回、京都府からいただいた経過の記録によると、19年3月「バイオガス発電については、収支が大幅に赤字になる試算もあるなか、撤去するなら風力発電施設と併せて早急にNEDOと協議していく必要があることを伝える。また、府から今後の財政的支援は極めて困難であることも伝える。」4月、「3月に伝えたと同様の内容を府地球温暖化対策副プロジェクト長から伝える。」とあり、府会議員に確認した話では、「当時、府が、絶対赤字になる。やめるなら支援する、撤去費用はNEDOに出させると、何回も言ったがいうことを聞かなかった。」との話であり、市議会での説明と大きく違う。市長の責任は重い。

 また、20年9月17日の記録では、京丹後市が、府中井環境政策監に面談、議会での経過を踏まえて府への支援要請をしているが、環境政策監は「府はこれまで何の相談も受けておらず、今更、財政的支援はできない旨、回答」とある。

 一方で、市が説明資料として配布した「京都府との経過」は大きく違う。どういうことか。


一般質問その3へ続く

2011/12/12

市民に高負担を求める前に職員給与カットを(一般質問その1)


 きょうは9日のブログに書いたように、一般質問の最初の項目で「市民に高負担を求める前に職員給与カットを」質問しました。

 社会保障と税の一体改革が国において議論され、消費税の増税が国際公約ともなっていますが、東日本大震災や急激な円高、ヨーロッパの信用不安などから、日本経済は停滞しており、京丹後市の経済も厳しい状況が続いています。

 こうしたなか、下水道などの公共料金の負担を求める議案が議会で審査中ですが、水洗化率が低いことは合併当初から議会でも指摘されながら、なかなか進展しなかったのは、行政にも責任が多くあります。市民に負担を求める前に、職員の給与カットも必要です。

 総務省・地方公共団体給与情報等公表システムは、個々の地方公共団体(自治体)の情報を各団体が総務省で示した統一の様式でホームページに公表し、リンクさせることにより、全国の自治体 相互間で比較や分析が可能になるようにしています。  

 そして、情報化され簡単に比較ができることにより、 地方公務員の給与や定員管理について、住民自治に基づく適正化が推進されることが目指されていますが、京丹後市のホームページで自ら公表している情報について理解されておらず、答弁はかみ合って言いませんでした。

 この統一した様式では、自治体によって、保育所が民営化されていて保育士が不要であったり、清掃業務などの職員が不要であったり、消防署が広域であったりと、技能労務員を含めた職員の状況・職員数も大きく違うので、「一般行政職」、「技能労務職」、「幼稚園教育職」、「福祉職(保育士)」、「消防職」などの職種による比較となっています。

 質問では「一般行政職」での職員一人当たりの平均給与月額(給料+期末手当を除く各種手当)を取り上げました。

 京丹後市の平均給与月額は、平均年齢43,8歳で422,600円です。

 類似団体(同じような人口・産業構造の市)の平均は383,940円です。京丹後市は4万円近くも平均から高い給与を支給しています。しかも、平成18年度以降、公表されている平成22年まで5年連続で平均を上回っています。

 市長は予算に占める給与総額は下がっていると答弁しましたが、市民に毎年各種公共料金の値上げの負担を求め、なおかつ、財源がないと補助金などの削減をしているなかで、職員の給与の見直し・カットは必要です。

 また、職員給与について調べるなかで、ラスパイレスについての見方が大きく変わりました。これまでは単純に、ラスパイレスが低ければ、職員給与は低いものと思い込んでいましたが、ラスパイレスは給料は反映するが、各種手当は反映していません。

 上の円グラフは東京都町田市のもので、ラスパイレスは103.0ですが、平均給料は、42,2歳で333,753円に対し、京丹後市はラスパイレス93.6の43,8歳で324,700円と、ラスパイレスは9.4も違うのに平均給料はあまり違いません。

 しかし平均給与は、町田市482,266円に対し、京丹後市422,600円と大きく違います。つまり、ラスパイレスや平均給料ではなく平均給与が実態を表しています。(これ以外にも期末手当が支給されます。)

 しかし、京丹後市は財政が厳しく公共料金の値上げなど市民への高負担を求めているのに、一方で職員に高い平均給与を支給しているのでは市民の理解が得られないと思います。手当を含めた給与のカットが必要です。きょうの一般質問では、平均給与10%カットを提案しました。

 参考までに、京丹後市よりも平均給与の低い市をいくつか書いておきます。
 京丹後市 平均年齢43.8歳  平均給与月額422,600円
 十日町市       43.3歳          363,805円 (類似団体)
 南アルプス市    44.4歳          393,400円 (類似団体)
 伊那市        44.8歳          374,469円 (類似団体)
 南砺市        44.3歳          356,060円 (類似団体)
 真庭市        42.6歳          365,217円 (類似団体)
 さぬき市       43.3歳          369,154円
 魚沼市        43.8歳          370,594円
 糸魚川市       41.9歳          350,874円
 燕市          45.3歳          376,362円
 村上市        42.2歳          342,782円
 佐渡市        41.7歳          332,228円
 小松市        42.1歳          372,958円
 七尾市        42.3歳          337,815円
 白山市        44.8歳          373,414円
 丹波市        42.9歳          379,632円
 南あわじ市      42.8歳          375,257円

 また技能労務職では、平均給与月額は10万円近く下がりますが、類似団体の平均を若干上回っています。

 京丹後市 平均年齢48.7歳 平均給与月額 323,101円
 類似団体平均    49.1歳          318,916円
 
 



2011/12/11

一面雪景色


 きょうも法事に出席しました。法事終了後のお斎(仕上げの膳)は神鍋高原のペンションでした。伯母の家は日高病院の近くで雪はなかったのでが、車で20分も走ると雪景色でした。

 でも、一面雪景色というものの、私が子どもの頃にはもっと雪があり、12月に入るとスキー場はオープンしていたと思うのですが、その頃の雰囲気はありません。20年前には40万人あったスキー客は10万人まで減っているそうです。


ところで、帝国データバンクの発表によると、ホテル・旅館業界の今年の倒産件数が過去最悪のペースで推移しています。

 発表によると、11月末時点で119件となっており、これまで最多だった2008年(123件)を上回るのは確実な情勢となっています。この主な要因は、東日本大震災の発生と、原発事故の影響により国内外からの観光客が激減したことと、急激な円高により日本経済が大きな打撃を受けたことにあります。

 119件の倒産のうち、震災の影響を直接受けた倒産は21件で、帝国データバンク情報部によると、4月以降、首都圏を中心に東日本のホテルや旅館で宿泊や宴会のキャンセルが相次ぎ、経営が立ち行かなくなったと発表されています。

 また、急激な円高や飛行機運賃の燃油サーチャージの引き上げも追い打ちとなり、台湾や中国の観光客が多い西日本でも震災関連倒産が発生しています。

  
 

 


2011/12/10

法事、その他


 きょうは、豊岡市日高町の親元での法事に出席しました。親元の家は北近畿豊岡自動車道の建設のため、平成25年4月までに立ち退きの予定で、現在、用地買収の交渉下にあります。また、隣の叔母の家も同じ状況で、買収交渉の様子などの話もありました。

 帰宅後、非礼の香典を届け、仏前に非礼を詫びて線香を上げさせていただきました。建築の仕事でたいへんお世話になった方でしたが、その葬儀の折に東京研修中であったため非礼をしてしまい、喪中のはがきをいただいて亡くなられていたことを知りました。

 また、明日も、日高の伯母の法事に出席します。伯母の家庭で1歳過ぎから、7歳過ぎまで育てていただきました。

2011/12/09

市民に高負担を求める前に職員給与カットを


 12日の一般質問での質問事項の一つとして「市民に高負担を求める前に職員給与カットを」通告しています。

 10月13日のブログ公務員給与・京丹後市は271位にも書きましたが、京丹後市職員の平均給与月額は全国の市町村と比較すると低くはありません。類似団体(同じような形態の市)の平均を軽く上回っています。

 平均給与月額はラスパイレスが100を超えている喜多方市(類似団体の一つ)をも上回っています。ちなみに喜多方市と京丹後市の一般行政職平均年齢(平成22年4月1日現在を比較)は同じ43,8歳です。

 週刊ダイヤモンド「おいしい公務員」の記事を参考にして、総務省・地方公共団体給与情報等公表システムhttp://www.soumu.go.jp/main_sosiki/jichi_gyousei/c-gyousei/j-k_system/index.htmlで公開されている全国自治体の情報をもとに質問します。

 丹政会のなかでも異論を持たれている議員もありますが、公務員の給与削減が市内消費の減退になるとは考えていませんし、京丹後市の財政状況や、市内の経済水準、全国の市町村の給与水準の状況を検証すると、引き下げはやむをえないと考えています。

 

2011/12/08

日本人の老人観


 民俗学者 宮本常一が監修した「貧しき人々のむれ」を読むと、近代の貧しく働かなければ食うことが出来なかった社会においては、働けなくなった老人は一般にはあまり大切にされていなかったようです。(西日本においては、古くから家格を重んずる風習のほかに老齢の尊ばれる気風があったが、一般の風としてはゆきわたってはいなかったようです。)

 その中の記述をいくつか紹介すると、「年をとってあとを見てくれるもののない老人たちは、土地によってはさいごまで生きぬくということはほとんどなかったようである。」、「おそらく隠居そのものは、老人をそこへ移すことによって、死穢が主家へ及ばないようにするためにつくられたものではないかと思われる節が多い。」、「鈴木牧之の『秋山紀行』を読むと、幕末のころ越後南部の山間では、老人は土間の入り口の上に小さい部屋をつくってそこにおり、鶏が塒についているようであったといっている。」などの記述があり、有名な「遠野物語」でも、老人が60をすぎるとデンデラ野に捨てられたことを語り伝えています。

 また、佐久総合病院の若月俊一先生の記録においても、昭和20年代農村の中風などを患った人々の陰惨な小部屋の悲しい病床について触れられています。

 寝たきり老人のいないヨーロッパに書きましたが、450年ほど昔のスペイン人宣教師フランシスコ・ザビエルは、手紙に日本の表の世界・良い面のみを書いていますが、修道士のフェルナンデスは、「海辺に子をたずさえゆきて石をばその上に置き、潮のきたりてこれを持ち去るにまかせるを常とす・・・・・食物を与うあたわざるものを育つることは不可といえり」と手紙に書いており、貧しさのなかで生きるのは我が身のことだけで精一杯だったことを伝えています。(貧しさのため、口減らし、間引きなど、生まれたばかりの子供を殺すこともたいへん多く、下級武士などでもおこなわれていたようです。)

 子どもが親の面倒をみるのが当たり前ともいわれていますが、歴史を見る限りは、豊かな生活をしていた一部の階層においてのみ成り立っていただけで、明治までは、女性は過酷な生活のため長生きが出来ず、男性のほうが平均寿命は長く、そもそも日本人の平均寿命が短く、老人になれない人のほうが圧倒的に多かったのが事実です。

 働かなければ食えなかった、働かないものまで食わすことができなかった時代が長かったため、日本人にはその考えが染み込んでいるのではないかと思います。国会議事録にもこの見方に沿った発言が取り上げられています。


 以下、国会議事録から引用・・・・・

 第104回国会 大蔵委員会 第7号昭和六十一年三月六日(木曜日)

 「二十一世紀は灰色の世界、なぜならば、働かない老人がいっぱいいつまでも生きておって、稼ぐことのできない人が、税金を使う話をする資格がないの、最初から」、こう言ったわけであります。渡辺通産大臣は、それ以外にも、八三年の十一月二十四日には、「乳牛は乳が出なくなったら屠殺場へ送る。豚は八カ月たったら殺す。人間も、働けなくなったら死んでいただくと大蔵省は大変助かる。経済的に言えば一番効率がいい」、こう言っておられます。こういう効率論であります。

 ・・・・・引用終わり

 昭和61年には、こんな発言が許されたんだと思ってびっくりしましたが、ここには社会福祉の考えは微塵もありません。こんな考えの人が派閥の代表となり大臣をしていたんですから、社会福祉が進まなかったのも理解できます。

 日本の人口変化を振り返ってみると、大正時代の1920年には、65歳以上の高齢者人口が294万人だったのが、2010年には10倍に増加しています。

 人口の総数と比率を年代別に3分類した国立社会保障・人口問題研究所のデータによるグラフです。



































 今後、まだまだ高齢化は進みます。平均寿命が延び、誰もが老人になる時代となったなかで、日本人の老人観を見つめなおすことや、過去の歴史を振り返ることが必要ではないかと最近思いはじめています。

2011/12/07

医療の課題


 TPPに参加すると国民皆保険制度が崩壊しかねないといわれていますが、本当にそうなんでしょうか。私は、日本の医療がすでに厳しい状況にあると考えていますが、それらを含めて私の考えをここに書きます。

 まず、下のグラフをご覧ください(OECD・公的Pubric・私的private医療費のGDP比)




































 ヨーロッパの先進国は国民皆保険ですが、それぞれ国によって制度が違います。

 日本は国民皆保険であり、公的医療費はGDP比6,8%ですが、アメリカの公的医療費は日本よりも多く、8,2%もあります。アメリカには公的保険がないかのように思っておられる方もいますが、高齢者と退職者に対しては、公的保険としてのメディケアがあり、貧困者と障害者に対しては、公的保険としてのメディケイドがあります。また、連邦・地方の公務員には、公務員を対象とした公的保険が別途用意されています。(最も医療費が必要となる高齢者をカバーしています。)

 しかし、一般のサラリーマンや民間の組織で働いている人、および、学生や自営業者は、HMO、PPO等のマネジドケアや別の形態の民間の保険に加入していますが、公的保険にも民間保険にも加入できない無保険の状態の人が16%にも達しています。

 アメリカの制度がよいとは思ってませんが、それでも公的医療費負担が日本よりも多いこと、公的・私的医療費を合わせた総額においても日本が先進国で決して医療費が多くないことを知ってもらう必要があると考えています。

 またTPP参加国である、オーストラリアとカナダは国民皆保険(税)、ニュージーランドはイギリス型の公的医療(税)、シンガポールはすべての国民が給料の何割かを強制的に積立貯金する制度があり、そこから医療費を支払うようになっているようです。他の参加国は、公立病院では無料であったり、何らかの低所得者対策はなされているようです。

 自由化に関しては、すでにアメリカは薬剤の自由化と混合診療を迫っていますが、TPP参加国は経済発展とともに医療制度の整備が必要な国が多く、特にアジアの国々はこれから高齢化が始まるなかで、日本の社会保障の枠組みを理解している国が多いと聞いています。


 むしろ、日本の医療にはTPPよりも以前に大きな問題があります。

 日本は、世界で最先端の高齢化社会であるのに、公的医療費の総額が低く抑えられており、医師数もOECD諸国の平均人口1000人当たり3,1人に対し、2,2人と下回っているなかで医師不足が顕在化しています。そして、高齢者の増加とともに医療費の増加が予測されていますが、財源の議論も遅れています。


 さらに、今後、都市部での団塊の世代を中心とした急激な高齢化とともに、医師不足と医療従事者の不足は拍車がかかることと、年間450万人の病院・介護施設のベッド利用が、20年後には750万人に増加することから、都市部においてベッドの不足が深刻な問題になることが予測されており、在宅医療の推進が進められようとしています。しかし、そのため、大都市への医師の集中も懸念されます。

 11月10日に参加した研修会では、民主党副幹事長の梅村聡参議院議員(36歳)から、今は病院で死ぬのが当たり前のようになっているが、20年後の都市部では、病院で死ぬことができるのは宝くじに当たるようなものになるかもしれないと両親にも話しているとの発言もありました。

 実際に国立長寿医療研究センターから下のようなグラフが示されています。
 2030年に、約89万人は病院(医療機関)で亡くなられ、約20万人は自宅、約9万人は介護施設で亡くなられると予測されています。そして、「その他」で約47万人が亡くなられるとされています。

 TPPの議論の前に、日本の医療には財源問題、国民健康保険や高齢者医療制度の見直し、医師不足や、終末期医療の確立など多くの問題があると思います。

 これまで、日本では「医療のあるべき姿」から負担を求める議論がなされることは無く、医療財政を抑えるために医療をどうするかといった議論が主に展開され、小手先の改革のみが実行されてきたと思っています。結果は「医療崩壊」とも言われる状況を招き、不安と不信をばら撒きました。

 現在、政府において「一体改革」の議論がなされています。1990年には家庭の貯蓄率は19%でしたが、2010年には2%にまで下がっており、団塊の世代が年金生活に入る来年以降は貯蓄率はマイナスになると予測されています。莫大な公的債務を抱えるなか、年金積立金や民間の貯蓄が減って行くので、改革に残された時間はあまりないとも聞きます。医療・介護などの社会保障が国民にとって負担をともなう受益であることをしっかり主張して、必要な負担の説明をしていただきたいと思っています。

TPPへの参加反対の意見書を求める陳情


 陳情審査は12月2日だったので、本来ならもっと早くアップしたかったのですが、関連してほかに考えなければならないこともあり遅くなりました。

 この陳情は、農民組合の代表者から陳情趣旨の説明を受け、質疑を行いました。その趣旨は、TPPが農業などの1次産業に壊滅的な影響を与えるだけでなく、医療など国民生活の根幹に影響が及ぶ懸念が広く指摘されていること、多くの反対世論を無視して参加を強行することは許されないこと、本市の農業はもとより、地域経済に計り知れない悪影響を及ぼしかねないため、参加に向けた協議を中止せよという内容でした。

 私は、コメの消費量が過去40年間で半減し、さらに今後50年間で半減することが予想されているなかでは、TPPに参加しなくても米価の下落とともにさらなる減反の強化にしかならないので、世界の人口増加なども考慮して強い農業・輸出型農業への国の政策転換が必要だと思っています。

 そのためには、欧米のように総合的な個別所得補償とともに関税の撤廃が必要であり、TPPを契機に転換していかなければならないと考えているので、そういった思いをこめて質疑をしました。

 特に、陳情者が関税がなくなれば米価が3,000円まで下がると言われたので、その根拠を求めました。(中国でのコメ生産はインディカ米7割とジャポニカ米3割で、中国内で日本の商社がつくっている米は現地産米に比べ何倍も高く売れているとのことです。中国内でも品種により値段は違います。カリフォルニア米もコシヒカリの値段はそんなに安くなく、7,200円はしているようです。アメリカ国内での小売価格は1キログラム当たり300円前後)

 また、医療についても、TPPに参加すると国民皆保険制度が崩壊しかねないと言われていることについては、大いに異議があったので質疑もしましたが、私の考えは別に書きます。

2011/12/06

陳情審査他


 きょうは、「下水道使用料、し尿処理手数料等の大幅な料金値上げをしないことを求める陳情書」について委員会審査をしました。

 陳情内容が、総務委員会と産業建設委員会の2委員会の所管に関わるので、議会運営委員会でそれぞれの所管に対して別個の陳情があったものとして扱うこととしていましたが、陳情者の委員会出席についての便宜を図り、9時30分から総務委員会所管のし尿処理手数料に関する陳情について、陳情者からの説明と質疑が行われ、終了後少しの休憩をはさみ、10時40分から産業建設委員会所管の下水道使用料に関する陳情について審査をしました。

 陳情者は新日本婦人の会京丹後支部の支部長の方で、多くの傍聴者も来られました。陳情趣旨は、厳しい経済状況下にあって、京丹後市の一人当たり平均所得が187万円という低い水準で格差が広がっているなかでの大幅な値上げによる負担増に反対であること。水洗化率が低い下水道に対し、抜本的な対策を行って水洗化率を向上させ下水道会計の改善を図ること。また、徹底して行政の無駄を省き、不要・不急の事業の見直しを行って、値上げを抑える財源を確保することなどでした。

 趣旨説明後に、質疑が行われましたが、陳情の思いを聞くなかで他の議員が質疑をされたので、私はあえて質疑はしませんでした。

 陳情審査終了後、昼休みの時間に、議案等について丹政会の会派内で意見交換を行いました。

初孫が生まれました


 今朝、娘から、5時半ぐらいに破水して、陣痛室に入っているとのメールがありました。

 娘は、切迫早産の危険から11月15日に東京労災病院に入院していたので、26日には妻と日帰りで見舞いにも行き、娘から状態は良くなっていると聞いて安心していたのですが、点滴などの処置が続けられていても早産となったようです。

 午後2時過ぎに、娘婿も立ち会うなかで13時45分に2,830グラムの元気な男の子が生まれたとの連絡がメールでありました。早産なので生まれてくる赤ちゃんのことを心配していたのですが、元気だということと体重を知って安心しました。とにかく母子ともに元気でよかったです。

 また、今は、赤ちゃんは保育器に入っていて、ガラス越しでしか会えないとのことでしたが、妻は、メールに添付された初孫の写真を見ながら早く行こうと言っています。妻の気持ちもわかるのですが、退院の日を待って、この手で抱っこができるようになってから行こうと思っています。

51歳でおじいちゃんになりました。

EU危機


 EUには27カ国が参加し、その内の17カ国で統一通貨ユーロが使われています。

 今年になってギリシャ財政問題は、EUの政策当局が小手先による問題の先送りに終始していたために、信用不安が顕在化し、市場が破綻を懸念してギリシャ国債を売ったため、急速に金利が上昇して負の連鎖に陥るという状況になっています。

 ギリシャ問題はいったん収まりましたが、市場の不安は解消せず、財政問題を抱えるイタリア、スペインにも波及し、国債が売られて危険水域といわれる7%前後まで金利が急騰しました。しかも、財政危機諸国の支援に回っているフランスの国債格下げ懸念からフランス国債まで売られるということで市場不安の増幅が拡大しています。

 市場によるユーロの信用不安が、そうした国の国債を大量に抱えるEU内金融機関の財務を直撃しています。国債の金利上昇により、金融機関の資産が劣化し、資本不足に陥るのではという金融システム不安が広がっています。

 最近のEU内の報道によると、一部の大手金融機関では、保有する国債から多額の損失が発生する可能性があり、銀行間市場での資金取引に支障が出ているようです。また、一部の国では、金融機関の信用力の低下によって、預金者が金融機関から預金を引き出す取り付け騒ぎが始まっています。今後、信用不安がさらに深刻になっていくなら、金融機関の企業に対する貸出スタンスが厳しくなり、貸し渋りや貸しはがしなどが発生することも懸念されています。

 すでに中国では、EU向けの輸出に減速がかかり、400以上の輸出のための工場が閉鎖に追い込まれたとの報道もあり、日本の化成品メーカーでは、中国向けの出荷を抑えるために操業を抑制している企業も出ています。

 リーマンショック時の財政支出により、EUだけでなくアメリカをはじめ主要各国が財政事情に問題を抱えています。現在、ユーロ危機から金融収縮による不況に陥ることが懸念されていますが、財政支出がもう使えないと考えざるを得ないため、長期の景気後退も予想されています。

2011/12/04

介護を考える(三好春樹 in 丹後 2011)追記版


 義父が認知症であることは、これまでにも妻の大阪研修(8月4~5日)と義父の認知症義父と入れ歯おむつ代は医療費控除の対象など、このブログに書いています。義父の発症と介護認定はは75歳を過ぎてからでした。

 国際アルツハイマー学会の資料では、2010 年時点で世界の認知症患者数は3,560 万人に達し、患者数は20 年ごとに倍増してゆくことが予測され、2030 年には6,570 万人、2050 年には1 億1,540 万人に増大すると予測されています。

 日本のこれまでの調査では、認知症全体の発症率が85歳まではゆっくり上昇し、85歳を越えると急激に上昇するというデータが得られていますが、85歳以上人口は2009年の364万人から、2030年には、倍以上の848万人に増加することが予測されています。

 高齢者の自立度の変化パターンについての追跡調査のデータも得られています。人は必ず老いていきます。老いる過程で虚弱化し生活者としての自立能力が衰退していきます。(下のグラフは縮小しています。クリックしていただければ、拡大できます。)
 男性と女性では自立度の変化パターンにかなり違いがあります。
 男性は血管から、女性は骨・筋から老化するとされています。

 京丹後市では、85歳以上人口は2010年の3,297人から、2035年の5,733人まで年々増加していくことが予測されてます。生存寿命が延びていくなかで、加齢とともに医療・介護が必要となる方は増加していきます。

 今、議会では健康増進計画が審議中であり、百歳長寿の方が多いことから、現在のお年寄りの生存寿命が長いことはよくわかるのですが、元気な生活をしておられるのか情報が不足していると感じてもいます。
 
 生存寿命が長くても、健康寿命との間に差があれば不幸でもあるので、しっかりと健康推進や、自立的生活がおこなえる介護などに取り組んでいかねばならないと考えています。

 高齢者を支える人口が減っていくなかで、これからの超高齢化社会を迎えなければなりません。私のなかで医療・介護への問題意識と関心は日に日に高まっています。

 きょうは、NHKの「ワンポイント介護」の実技指導・監修をされており、介護について多くの著作も書いておられる三好春樹氏が講師に野田川わーくぱるに来られたので、参加しました。

 はじめに4施設を取材したドキュメンタリー映画「ただいま~それぞれの居場所」が上映され、三好氏の講演がありました。ただ、短い時間で話さなければならないためか、自分の本の宣伝が中心になっているようにも思いました。


2011/12/03

小沢議員はマニフェストの責任を取るのが先


 ネットでニュースを見ていると、小沢系、反消費税で署名集めへという記事が目に留まりました。

記事引用・・・・・

小沢系、反消費増税で署名集めへ

消費増税反対で署名集めへ=民主・小沢系が主導
(時事通信) 2011年12月02日 18時03分
民主党の小沢一郎元代表を支持する同党議員が中心となり、野田佳彦首相が年内の政府・与党方針決定を目指す消費増税に反対する署名活動を始めることが2日、分かった。増税反対派が具体的行動に出ることで、消費税をめぐる党内対立が激化しそうだ。反対派は消費増税について、2009年の衆院選マニフェスト(政権公約)に反するとして「政権交代の原点に返るべきだ」と訴え、阻止する構え。週明けにも署名集めに着手し、小沢グループ以外の党所属議員にも幅広く賛同を募る。 
[時事通信社]

 しかし、小沢一郎氏は根拠のないマニフェストで国民をだましています。そして、そのことを民主党の議員が認めています。以下、岡田幹事長の謝罪に思うから一部を転記します。

 民主党の岡田幹事長は記者会見で、2009年衆院選のマニフェストについて、「政策の必要性と実現の見通しについて検討が不十分だった。見通しの甘さを国民に率直におわびしたい」公式の場で謝罪しました。

 でも、2009年のマニフェストのもとになった「参院選マニフェスト」すら根拠がなかったはずで、前原氏はそれを早くから認めていました。以下の転記を読んでもらうと見通しが甘かったのではなく、でたらめだったのだと思います。岡田氏は根拠がなかったことを謝罪すべきです。

 (民主・前原氏、小沢マニフェスト批判…中央公論2008年7月号で )

 民主党の前原誠司副代表は、10日発売の月刊誌「中央公論」7月号誌上で、自民党の与謝野馨・前官房長官と対談した。

 前原氏は小沢代表の下で昨夏の参院選公約としてまとめた「参院選マニフェスト」について、「仮にこのまま民主党が政権を取っても、まともな政権運営はできない」などと述べ、実現性に強い疑問を投げかけた。

 民主党は参院選公約で、農家への戸別所得補償など主要政策の経費を総額15・3兆円と試算し、財源を補助金の廃止などでまかなうとしている。

 前原氏は、道路特定財源の暫定税率の廃止など新たな公約を加えると約18兆円かかるとしたうえで、「行革だけによる捻出(ねんしゅつ)は、絶対無理だ。マニフェストをまとめる時、当時の政策責任者の間では、財源の根拠が希薄だとの難色が示されたと聞いているが、最後は小沢さんの『エイヤ』だった」と、小沢氏の責任を指摘した。

 また「民主党が最もしてはいけないのは、国民に耳当たりのいいことばかり言い、仮に政権を取った時に『やっぱりできません』となること。すぐに自民党に政権が返る。最悪だ」と述べ、参院選公約の抜本的見直しの必要性を強調した。

 前原氏は7日にも、京都市内での会合で、農家への戸別所得補償制度について、「ばらまきだという批判があるが、私もそういう気持ちが強い」などと述べた。

(2008年6月8日09時34分 読売新聞から引用)

 財源がないことは明白であるのに、自身の影響力の維持のためだけに消費税増税に反対するのは国民を愚弄しています。まず、小沢一郎氏は実現できもしないマニフェストをつくった責任を取るべきです。また、呼びかけに応じて署名する議員は自身の保身しか考えていないと思います。一緒に責任を取ってもらうべきです。

2011/12/02

夢の八訓


私の好きな言葉に吉田貞雄氏の「夢の八訓」があります。



「夢の八訓」

夢のある者には 希望がある

希望のある者には 目標がある

目標のある者には 計画がある

計画のある者には 行動がある

行動のある者には 実績がある

実績のある者には 反省がある

反省のある者には 進歩がある

進歩のある者には 夢がある



この「夢の八訓」には夢(将来への願望)を持つことからの循環連鎖があります。この循環連鎖は大切なもので、一つもかけてはいけないのですが、多くの人は止まってしまいます。

まず第一に、夢(願望)の設定は、あらゆるものの達成への出発点であり、全ての子ども達が夢のある者として育ち、「夢の八訓」を体現していくことを願っています。

「まちづくり基本条例の一部改正」に思うこと


 きょう、総務委員会で「まちづくり基本条例の一部改正」について、審査がありました。

 結論から言うと、委員会では質疑がされ、一定の答弁もあったようですが、このままで審査を進めることができないので一旦執行部への持ち帰りとなり、その後、議長が市長と協議をしたようですが、市長は取り下げる考えはなく、委員会に説明に出向きたいと言っているようです。

 議会基本条例は9月議会において改正しましたが、改正に当たっては、市民アンケートも行い、条例全体の運用状況を検証して、条例の理念が現実とかい離がないように、課題を整理しながら条文の改正をしました。

 しかし、今回のまちづくり基本条例の改正は、調べれば調べるほど問題があります。会議録を読むと事務局から検討の方法が示されています。

 以下議事録から・・・・・

 検討の方法でございますが、条例の条項ごとに改正の必要性と理念や基本原則と実際の運用に大きなズレが生じていないかを検証する逐条検証を行うものとします。一条ごとにまちづくり委員で課題が見受けられる条項を抽出し、改正の要否を見極めることとします。また、地域の代表である区や自治会、地域公民館を基盤に活動しておられる老人会、婦人会、消防団、PTA、ボランティア、NPO団体など長年にわたって地域の中で公益性のある活動をされている市民の意見を旧町単位で集まっていただき、市民局にて意見聴取を行い、どの条文に対する意見かを判断し改正の要否を見極めることとします。・・・・・・

 ここでは、この条例に議会に関する条文があるにもかかわらず、議会との意見聴取がはじめから抜け落ちています。市長は、議会基本条例の改正においては、執行部に関わることについて事前に調整を求め、協議が必要として削除まで求めながら、自らの提案においては、議会に関わることについて事前の調整も協議も無く、完全に無視しています。これは議会軽視であり問題です。

 また、まちづくり基本条例の基本的事項について、例えば、条例の認知度・存在意義、まちづくり・住民自治、情報共有、市民参加・協働、そして、パブリックコメントや審議会のあり方について市民意識などの検証がなされるべきであったと考えますが、全体的な検証は出来ていません。

 行政についても定められていますが、行政内部での検証もなされていません。

 そして、昨日も書きましたが、第15条(市議会議員の責務)について、「自己の狭量な考えや地域エゴにより必要以上時間を費やし、問題を複雑化しているとの意見もあった。」この記述は問題です。(詳しくは12月議会初日(まちづくり基本条例改正について追記)をご覧ください。)意図的なものすら感じます。

 中山市長は、審議会・委員会の答申について、(案)の段階で手を入れています。自分が手を加えたものを最終的に答申として受け取っていることは(審議会の委員等から)議員に広く知れ渡っています。

 そうすると、市長は議会に喧嘩が売りたいのかもしれません。ならば、議会は・・・・・

2011/12/01

産業建設委員会他


 きょうは、産業建設委員会に付託された議案の委員会審査を行いました。

 まず、「農業振興地域整備計画」を審査し、土地利用の基本計画として地域の農地をどのように守るのかという観点から、未整備農地の生産基盤整備の考え方や、耕作放棄地の抑制策、担い手、多面的活用地などについて質疑をし、意見交換の後、全員賛成で可決しました。

 次に、「字の区域及び名称の変更」について現地審査をしました。この変更は、地元地区の共同営で土地開発がなされたのち、正式な手続きができておらず整理ができないため公図混乱となっていた網野町木津・俵野・浜詰地区にまたがる土地が、集団和解が成立したことによるもので、全員賛成で可決しました。

 審査終了後、観光協会の方と話す時間があり、以下数点懸念していることについてお伝えして意見交換をしました。

 全国的には観光オフシーズンということもあり、観光地間で格安パックのキャンペーンでのお客の取りあいがあるなかで、本市の観光協会の取り組みはどのようなことをされているのか。観光協会としての危機感はあるのか。

 アセアン観光連盟国際会議の後、電気自動車のことなどが聞こえてくるが、観光協会として足元は見えているのか、会員の状況把握、メインである関西圏からの観光客の傾向・意識変化などの情報把握、観光客誘致への戦略は出来ているのか。

 緊急雇用での事務局体制、事務局長までもが緊急雇用であるなかで、緊急雇用終了後の体制についての議論をしっかりしているのか。

12月議会初日(まちづくり基本条例改正について追記)


 11月30日、京丹後市商工会などの要請を受けて、ちりめんの産地として15人の議員がきもの姿で初日議会に臨みました。執行部側も市長はじめ、きものを着用されている方が多くおられました。

 しかし、きもの姿で和やかな議会とはならず、最初の議案から問題含みでした。

 日程第1「京丹後市まちづくり基本条例の一部改正」について、条例に4年以内ごとの検討及び見直しが定められており、条例に基づいて「まちづくり委員会」で検討された結果、改正案が提案されました。

 まちづくり基本条例は、京丹後市のまちづくりの規範として最も上位に位置づけられていますが、「まちづくり委員会」の答申では、市民団体等への意見聴取において、多くの団体から「まちづくり基本条例」は住民周知に欠けているとの指摘を受けています。行政として必要との判断に基づいて定めた最高規範であるなら、制定後の4年間でまちづくりの基本理念が共有されていないことは問題です。

 また、答申には議員として見過ごすごとの出来ない文章がありました。

 第15条(市議会議員の責務)について、「自己の狭量な考えや地域エゴにより必要以上時間を費やし、問題を複雑化しているとの意見もあった。」

 この文章は議会議員を否定しています。なぜ、わざわざ答申に盛り込んだのか?

 議会は、市民の多様な意見を反映するために多人数で構成する合議機関であり、少数意見や、光のあたらない地域の課題なども取り上げる責務があり、拙速な議論を避け、多数決による決定の前に、少数意見を最大限に尊重した冷静な討議がなされる必用があります。
 また、議員を選挙で選んだ市民も否定しています。間接民主主義において、議員は住民代表として議会で発言しています。

 たとえ、委員会において、議会における議員の自由な発言や時間をかけた討議を否定する主旨の発言があったとしても、「まちづくり基本条例」の検討のなかでは、委員の方に議会の意義・基本について思い違いが無いように説明があるべきであり、最高規範の検討にはあまりにもなじまない意見の掲載となっています。

 ここでの「自己の狭量な考え」とは、どのような物差しで計ったものなのでしょうか、何を持って狭量と断定できるのでしょうか、また、地域エゴとは何を持って言うのか、このような誹謗中傷的な表現を仮にも公文書である答申に盛り込むのなら執行部局は責任を持つ必要があります。

 そして、最大の問題は、「まちづくり委員会」での議事録上での委員の意見に、「自己の狭量な考えや地域エゴにより必要以上時間を費やし、問題を複雑化している。」との発言が無いことです。各種団体から聴取の意見の中に類似した意見があり、それを修文して答申に掲載しているようですが、なぜ、わざわざこんなことをするのか理解できません。

 この条例は総務委員会に付託され12月2日に審査がなされます。総務委員会において徹底した審査がなされることを望みます。