2011/12/17

下水道料金等値上げに反対、委員会否決


 15日の産業建設委員会では、下水道料金値上げに関連した3議案(公共下水道、集落排水、浄化槽)と陳情について、意見交換、討論、採決を行いました。

 下水道料金値上げに関する議案については、3議案とも、反対5名、賛成1名(1名欠席)で秘訣となりました。私の反対理由は、整備率・水洗化率(加入率)が低いなかでの一般会計からの繰出しの考え方に全く同意できないこと(市長提案と異なること)が最大の理由であり、合併特例で国から交付税が多くある現状で、一般会計から繰出しをしないのは努力不足であると考えています。(下水道事業は、施設整備が先行するため、繰出しが必要不可欠です。)

 提出された資料によると、一般会計からの繰出しは平成24年には10億2千万円ですが、10年後の33年には10億5千万円を繰出しすることになっています。この繰出しの考え方は下水道計画の見直しの際から一貫しており、私は、これまでにも予算審査や決算審査において、一般会計からの繰出しを直ちに増やすべきであることを指摘していました。

 なぜなら、10年後には、市の歳入(収入)は合併後の交付税1本算定により、31億円(当時の説明は25億円)減少することがほぼ確定しています。しかし、10年後、収入が減ったなかで10億5千万円が下水道に繰り出しできるとしながら、収入がある現段階でそれ以上の繰出しができないとしています。

 収入がある段階で繰出しできないものが、収入が大幅に減っても繰出しできるとするのは先送りの極めて無責任な考え方であると思います。(そして、10年後、おそらく市長も市の幹部もすべて入れ替わっており、誰も責任は取りません。)

 討論でも述べましたが、一般会計から下水道会計の繰出し金は平成16年に9億9千万円、平成17年には10億9千万円、平成18年には11億7千万円と、公債費の増加とともに増えましたが、資本費平準化債を財源として発行して負担を先送りするとともに、繰出し金は平成19年に7億8千万円と大きく減額になり、今日を迎えていますが、考え直す必要があります。

 他の自治体では、一般会計から多くの繰出しをしています。

豊岡市では、平成22年度の一般会計決算489億円の内、下水道事業(各会計合計)の繰出し金は、33億3133万円でした。

 さぬき市では、平成22年度の一般会計決算268億円の内、下水道事業(各会計合計)の繰出し金は、13億5450万円でした。

 南あわじ市では、平成22年度の一般会計決算262億円の内、下水道事業(各会計合計)の繰出し金は、16億6310万円でした。

 南丹市では、平成22年度の一般会計決算230億円の内、下水道事業(各会計合計)の繰出し金は、18億7157万円でした。

 京丹後市では、平成22年度の一般会計決算338億円の内、下水道事業(各会計合計)の繰出し金は、8億3700万円でした。

 整備率、水洗化率も低い現状では、値上げではなく、一般会計からの繰り出しを増やすことが必要です。そして、そのためには職員人件費を含めた徹底した再検討が必要です。