2011/12/27

東日本大震災災害支援活動補助金のあり方は・・・


 今日は、市議会だよりの紙面づくりをしました。そのなかで一般会計補正予算の記事に載せる質疑をまとめるために、本会議の音声を聞いたのですが、本会議でもしっくりこなかったのですが、音声を聞いても東日本大震災災害支援活動補助金の補正についてのやり取りが釈然としません。

 この補助金が6月補正で提案された際にも質疑が集中し、ボランティアについての考え方を含め議論となりました。

 京丹後市民による被災地での多様なボランティア活動を支援するためであっても、上限100万円で10分の10の補助金であり、私は、行政が主導して、京丹後市は距離も遠いということを良く考えて、何を提供することが被災地のためになるのか、また、行政として適切であるかを考えて、補助金をより有効に活用する必要があったと感じました。

 今回の補正では、参考資料として、6月の補正以降の補助金支給8件の内訳がありました。その資料によると、多様なボランティア活動の支援といいながら、土砂撤去が5件と多く、また、10分の10の補助金で一人当たりの上限を設けていないなかで、1人に50000円を補助した団体から15000円以下の団体まで大きな差があります。(補助金を出す行政が、申請された内容を全て認めるのではなく、申請に対して指導すべきだと思います。)

 私は、市が参加費を取ってボランティアを募集し、被災地に行ってもらう方法が一番良かったと思いましたが、そこは執行権の範囲であることと、ボランティア活動を否定することはできないので、賛成はしましたが、やはり、釈然としません。

 被災地の陸前高田市の副市長(久保田崇@陸前高田市副市長)が、8月25日のブログ「支援したい方と被災地の本当のニーズ」に書かれています。

 財政が制約されているなかで、被災地までの距離が遠い京丹後市は、被災地からの情報を収集して効率的で被災地のニーズにあった支援をすることをもっと考えるべきだと思います。



以下引用・・・・・・
 

 最近感じるのは、支援したい方と被災地のニーズがなかなか合わないということです。

例えば、陸前高田は図書館が被災したため、

移動図書館車(5千冊の図書含む)を滋賀県東近江市から頂きまた。



しかし、東近江市に加えて全国各地からも、保管できないくらい多数の図書を寄贈頂き、

これ以上の図書の寄贈については、断っている状態です。

支援頂けること自体はものすごく有難いことですが、

保管スペースがなく、管理もできないので、断らざるを得ないのです。



本当に欲しいのは、図書館という建物そのものや、学校施設そのもの。

しかし、これらは本来は国の費用で建てるべきものや、

建設費用が高額のため、一般の寄付で対応できるような代物ではありません。

(少なくとも、「○○学校建設基金」などを設置した上で、多くの方の協力が必要です。)

結果的に、「何か支援できることがありますか?」と外部の方から問われても、

「欲しいものは特にありません。ありがとうございます。」という状態になります。



外部からいろいろと支援したいという声を頂き、有難い限りですが、

実際には、受け入れられる支援は多くはありません。

このことは、かなり心苦しいです、被災地の現実です。



・・・・・引用終わり



 また、東日本大震災復興対策本部事務局次長の岡本全勝さんがホームページに書かれています。(http://homepage3.nifty.com/zenshow/index.htmlより)


被災地でいろいろ見聞きして、考えたジレンマを、紹介します。既に、新聞などでも、取り上げられている事例です。

(支援物資と地元商店)
被災地には、全国や世界から、たくさんの支援物資が届けられました。これはありがたいことです。ところが、児童生徒に、ノートや鉛筆がたくさん配られたので、地元の文房具屋さんは、商売あがったりになりました。同様に、スポーツ用品店や衣料品店も、売上げが大きく落ち込んでいるところもあるとのことです。
さて、このような場合、あなたが、まだたくさんの支援物資を保管している市役所やNPOの責任者だったら、どうしますか。

(被災者と支援ボランティア)
まだ初期の頃の話です。体育館に避難された人たちを支援するために、たくさんのボランティアが駆けつけました。避難所での物資の搬送と配分、炊き出しなどの作業をしてくれました。一生懸命汗を流しているボランティアの横で、避難者の何人かは、暇をもてあましていたという例が、あったそうです。もちろん、避難者の多くは、心身ともに疲れておられます。しかし、日が経つと元気な避難者もおられ、支援に行った人の中には、釈然としない人もいたとのことです。
さて、あなたがその場にいる支援者なら、どうしますか。
(2011年8月25日)