2011/12/28

橋下大阪市長の施政方針演説(給与カットと職員組合について)

 橋下市長は、24日に同市交通局や環境局などの現業職員を含む約1万2000人の給与を、来年4月から民間並みに引き下げる考えを戦略会議のなかで明らかにしていました。

 大阪市交通局によると、関西の私鉄運転士の平均年収は664万円ですが、大阪市の地下鉄の平均は734万円と、民間より約1割高い水準にあり、バス運転手は民間会社の平均年収は544万円ですが、市バスの平均は739万円と、民間より3割以上高い水準にありますが、これを、来年4月をめどに民間並みへ給与をカットするとしています。

 そして、一般職の職員の給与の削減幅は7~8%程度、退職手当の削減幅は5%程度になるのではないかと思われます。

 私も、このブログの10月13日に公務員給与・京丹後市は271位を書いて以来、京丹後市の職員給与も見直しの必要を感じ、市民に高負担を求める前に職員給与カットを市民に高負担を求める前に職員給与カットを(一般質問その1)「給与カットは良くない」との声に対してと、一般質問にも取り上げ、ブログにも書き込んでいます。

 橋下市長の考え方には大いに共感できるところもあるので、きょう行われた施政方針演説の一部を掲載します。


橋下大阪市長施政方針演説(抜粋)

 まずは、私が打ち出す改革方針の下、大阪市役所という組織の力、それぞれの部局、それぞれの現場の職員の持てる能力をフルに発揮してもらい、一丸となって課題解決にあたってもらいたいのです。

 逆に、組織の隅々からトップに対して、良い情報も悪い情報も、迅速かつ正確に届き、判断に遅れや過ちを生じさせない、組織として自律的に課題を発見し、解決方策を導き出せる、こうした組織へと発展させていきたいと考えております。トップダウンとボトムアップ。大阪市役所という行政機構において、こうしたことが有効に作用する、そのような仕組みづくりを目指していきます。

 また、住民サービスの展開にあたっては、これまでの市役所の考え方とやり方を根本的にあらためなければなりません。長年の間、特定の団体や市民に対する補助やサービスの提供が続けられ、いわゆる既得権となって固定化されている、これが現状です。既得権を破壊することが私に与えられた使命だと思っております。この観点から、市の施策全般について点検を行い、早急に改善を図ります。

 さらに、厳しい財政状況を踏まえて、時代に合わなくなった施策・事業を見直すとともに、重点投資する分野もシフトしていきます。例えば、「子ども」や「教育」や「雇用」などの分野に重点的に投資し、現役世代が生み出す活力・効果を高齢世代にも還元していきます。現役世代に重点投資をし、現役世代の活力によって高齢世代を支えるというような社会全体の仕組み自体も変えていきたいと思っております。

 また、「民間でできることは民間に任せる」ということを徹底します。民間にチャンスを与えて民間に競争させる、役所が抱えている仕事をできるかぎり民間に開放するということも、私の使命と考えております。

 今回の市民・府民の皆様の選択は、「大阪の仕組みそのものを変えてほしい」という選択です。

 私は、政治と行政が、まずは、互いの本質や違いを分かりあい、役割分担を認識したうえで、徹底した対話と議論を行うことが重要だと考えております。政治家でもある私に対して、市役所職員が民意を語ることは許しません。民意というものを語るのは公選職、選挙で選ばれた者だけだと思っております。職員が民意を語ることを許しません。自宅で語ることは自由だが、この市役所内で公務員として正式に民意を語ることは許しません。

 私が下した政治決断には、行政組織の持てる力を結集して実現に努めてほしいと考えております。

 大阪市役所の組合問題にも執念を燃やして取り組んでいきたいと考えております。大阪市役所の組合の体質はやはりおかしいというふうに率直に感じます。この庁舎内で、政治活動をすることは、これは当然許されません。

 現職の知事として大阪市役所内に足を踏み入れた時、大阪市役所から現職の知事である僕に宣言されたことは、市役所内で一言も発言をするなということでした。それは、政治活動につながるということだったわけです。そうであれば、組合が、この公の施設で、政治的な発言を一言でもするようなことがあれば、これは断じて許せません。

 選挙で選ばれた知事ですら、この市役所の中で政治発言が許されないということであれば、選挙による民主的統制を受けていない職員組合が政治活動ということを少しでも行うことは、これはあってはならないことです。そういうことを今まで許してきた大阪市役所の体質を徹底的に改めていきます。

 先日、公の施設内で政治活動が行われていたことに関し、市民に対しての謝罪を求めたところ、大阪市役所のこの組合は、謝罪文一枚で済まそうとしております。5階に市民の代表である僕がいるわけですから、地下から上がってきて5分でも謝罪しに来れば済むところを、紙一枚で済ますなんていう、このような感覚は市民感覚とはかけ離れております。

 一体これはどういうことなんでしょうか。だいたい、あいさつ、しつけ、こういうことをしっかりと子どものときにしてこなかった子どもは、大人になってろくでもない大人になります。

 今の大阪市役所のこの組合は、あいさつというしつけすらできていない状況だと思っておりますので、この謝罪の件に関しては、直接のおわびをするようにということを強く組合に求めておりますが、まだその返事はいっこうにありません。当たり前のことが大阪市役所の組合にはできません。紙一枚で許されるようなことではありませんが、このようなことを許してきた大阪市役所の体質、そして議会の皆様にも、責任を感じていただきたいと思っております。

 大阪都構想の実現、大阪の統治機構を変えるということに、これから執念を燃やしていきますが、それと同時に、組合を適正化する、ここにも執念を燃やしていきたいと思っております。 今後、大都市制度のあり方はもちろんのこと、さまざまな改革や政策を実現していくプロセスにおいて、市会の皆様方に丁寧に説明し、真摯に議論を重ねてまいりたいと考えております。 

 私自身は非常にしつこい性格でありまして、もう一言、組合について述べさせてもらいたいと思うのですが、大阪市役所のこの組合の体質というものが、今の全国の公務員の組合の体質の象徴だと思っております。 ギリシャをみてください。公務員、公務員の組合というものをのさばらしておくと国が破綻してしまいます。

 ですから、大阪市役所の組合を徹底的に市民感覚にあうように是正、改善していくことによって、日本全国の公務員の組合を改めていく、そのことにしか日本の再生の道はないというふうに思っております。

 大阪都構想と組合の是正、これによって日本再生を果たしていきたいと思っております。