2011/12/19

「給与カットは良くない」との声に対して


 先日の「給与カット」の質問に対して、多くの方からいただいた意見は、「民間が乾いたタオルを絞らなければならないほど経費の削減に努めるなかで、行政は努力が足りない。経済状況も厳しく、給与カットも必要である。」などというものでしたが、市長の答弁は「本市のラスパイレスは低く、職員は低い水準で頑張っていただいている。」とのことでした。

 市長と同じような思いを持たれたいる方が他にもおられ、人件費を削るのはあまり良い方策ではないとの声も聞かせていただきましたが、情報が不足していて実態が知られていないことを強く感じました。

 そこで、http://www.soumu.go.jp/main_sosiki/jichi_gyousei/c-gyousei/j-k_system/index.html総務省・地方公共団体給与情報等公表システムに掲載されている全国自治体のデータをもとに、具体的事例にもとづいて書いてみます。

 公表されている技能労務職のデータを見ると、同じ職種での民間の給与・年収との比較もデータのなかに含まれています。官民格差もいわれているので、民間と比較できる技能労務職で比較します。(全ての自治体の調査は出来ていないので、一部の自治体のデータを参考にしています。)

 京丹後市のホームページに公開されているデータと他のある自治体との比較です。

 京丹後市作業員(用務員)年収(平均年齢50.8歳)   5,352,121円

    民間作業員(用務員)年収(平均年齢53.8歳)   3,008,200円  

 おおい町作業員(用務員)年収(平均年齢51.4歳)   3,224,004円    

 京丹後市の作業員は民間の1.78倍の年収があり、おおい町の作業員よりも200万円以上年収が多くあります。おおい町は財政力は京丹後市よりもはるかに良い不交付団体ですが、ラスパイレスは京丹後市の93.6に対して、90.1です。全ての職種で京丹後市よりも平均給与が低く抑えられています。

 同様に、調理員の比較をします。

 京丹後市調理員 (平均年齢47.2歳)   4,975,937円

 おおい町調理員 (平均年齢50.3歳)   3,156,080円

 大野市調理員  (平均年齢48.1歳)   2,871,877円

 調理員でも、おおい町で180万円、大野市で200万円以上の年収の差があります。作業員も調理員も民間から見れば、明らかに年収が高すぎます。そして、自治体によっては財政を考えて民間並みの給与が支払われているようです。

 京丹後市の技能労務職をおおい町の年収で計算すると、1億3000万円以上の人件費削減となります。

 財政が厳しいと言いながら、職員は優遇されています。民間との比較(丹後地域の民間はさらに低い)においても、職員給与カットは必要だと思っています。丹後の厳しい経済状況も勘案すると、職員人件費に手をつけずに、市民サービスのカットや新たな負担を求めることはしてはならないと思います。