2011/08/06

妻の大阪研修(8月4~5日)と義父の認知症

 8月4日は、6時40分に起きると、予定通りすでに妻は2日間の研修に出かけていました。服を着て顔を洗おうとすると、義父が「朝早くから、娘はどこに行っただ。お前らは盆が来とるのに気楽気に何をしとる。」と怒鳴ってきました(認知症は性格も変えてしまいます)。

 私はいつものように、今日は8月4日で、まだ盆は来ていないこと。妻は仕事の研修に行ったことをこんこんと話します。すると義父は「盆と違うんか。盆はまだ来とらんのか。盆はいつ来るだ。」とここのところ毎日の同じ話になります。話をした一瞬は理解したかのように見え、期待するのですが、残念なことに5分から10分後には、さっき会った話はすべて消えています。ただ、その時の精神的な状態により、しつこく同じ話を繰り返すときと、全く別の話にあっさり変わる時とがあります。

 4日はあっさりと盆の話から変わりましたが、その後がいけません。「今日はわしは何をするだ。わしはもう仕事はできん。・・・・・」またはじまった、ここ5年はデイサービスにお世話になり、昨年の9月からは日曜日以外は毎日デイサービスを利用しているのですが、そのことが分からなくなってきていて、5年前からデイサービスのお世話になり、毎日行っていることを話すのですが、「わしはそんなところには行っとらん。何で行かんなんだ。わしは行かん。」となります。

 全く理解しようとしないのでついつい頭にくるのですが、ここで感情的になってはいけないので、お医者さんから物忘れがひどくなっているから、頭のリハビリ治療にデイサービスに行きなさいといわれている、人なかでリハビリをしないと物忘れがとひどくなるといわれているなどと言うと、「そうか。行かんなんのか。何時に行くだ。」となり、迎えに来てくれる時間を言うのですが、10分後には、何もなかったかのように同じことを言ってきます。4日の朝はこれを4回繰り返しました。そして、5日の朝も同じことの繰り返しです。

 義父は義母の言うことは全く聞かなくなっているので、普段の朝は妻と私が2人で対応したり交代で対応するので、まだこちらも精神的負担が楽なのですが、1人の時はこちらも朝の準備があり、たいへんです。どちらかが健康を崩すと肩歩に負担が重くのしかかるので、妻も私もお互いをいたわりながら毎日を過ごしています。また、自分が毎日幾分かでも介護に関わっているので、介護をされている方の御苦労が痛いほどわかり、介護の相談を受けると涙腺が切れてしまいます。

 4~5日の夕方は5時過ぎには帰りました。4日の夕食は「つるむらさき(自家製)と豚肉のガーリック炒め」と「ズッキーニ炒めモロヘイヤ、オクラ載せ(すべて自家製)」、5日は「スモークサーモンと鶏ささみのマリネ」をつくりました。ただし、義父には、これ以外に毎晩刺身とうなぎを1皿出しています。食べた物を覚えていないので、1日でも出さなければ「毎晩わしはろくなものを食わせてもらっとらん。お前が悪い。・・・」と義母に八つ当たりをします。義父母とは別々に食べているのですが、大きな声が聞こえてくるので、できるだけ義母のストレスにならないように対処しています。でも、それでも9時頃になると「わしは今日何も食べさせてもらっとらん。飯を食べさせろ。・・・」という日がだんだん増えてきています。

 それから、毎晩の晩酌もひと悶着をおこします。今では、毎朝酒を900ミリリットル用意し、義父がデイサービスから帰ってきたら飲めるようにしていますが、ある時からデイサービスから帰って酒がなければ、義母に当たり散らすようになりました。しかし1升瓶で置いておけば、限度なく飲んでしまいます。そして飲みすぎを注意すると「わしは酒は遠から飲んどらん。お前らは飲んでもおらんのにそんなひどいことを言うのか。わしは死んだる。・・・」となります。酒のことを触れられるのが無意識に嫌なのか、酒を飲んでない時よりも、感情の制御が利かずひどいことになるので、医師にも相談しましたが、義父は医師に対して「酒を飲ましてもらっとらん。もう先が短いのに好きにさせてくれ。」と言い切ります。医師は苦笑いをしていましたが、『本人の自覚がないし、体に悪いところもないので様子を見ましょう。晩酌が多いので量を決めて少し水で薄めましょう。』という指示をいただき、それに従っています。ただ、時々夜なかに起きて酒を飲もうとすることがあり、そういう時は夜中に騒ぎが起こります。

 義父は脳血管障害を伴うアルツハイマー型認知症と診断されています。義父の日々進んでいく認知症に対応していくのは精神的に疲れます。この疲れは身内の介護を経験しないと分からないと思います。認知症前の過去を知らない方が、今をもとに対応を冷静にできるのだと思いますが、元気だったとき、仕事の姿など身内としてよく知るだけに、今有る姿を理解できているようで、良い状態のときは昔ながらであり、つい期待して裏切られます。感情が絡むだけに強い落差を感じます。