本日の臨時議会では、臨時議会の招集告示にあった「京丹後市名誉市民の選定について」は取り下げられ、残る5議案と専決処分の報告11件(全て物損事故に係る損害賠償額の決定)が上程されました。
幼稚園と保育所の一元化(保育所条例と幼稚園条例の一部改正の議案)は、一括質疑となり、多くの質疑がありましたが、私は、平成24年度からの大宮南保育所における幼稚園開設について、まず、幼稚園の預かり保育の時間的な考え方を質問しました。大宮町においては、新興住宅地が多く核家族化が進み共働きも多いことから、保育所の定時である午前8時30分から午後4時30分を超える保育の利用割合は半数を超えていますが、幼稚園の預かり保育では時間的にそこまでの対応が検討されていません。
これでは、平成21年4月に開設した「丹後こども園」で、幼稚園利用者が当初の議会説明では30名が見込まれると言いながら実際の利用者が5名に満たなかったことが反省されていないように思います。新たに公費を投入して幼稚園を開設する以上、その投資効果が求められ、また、市民に利便性の向上が認識していただける必要があると思います。預かり保育がないことが幼稚園選択のネックになっているなかで、新たに定員80名の幼稚園を開設するのですから、預かり保育についてはしっかり対応すべきであると考えています。
また、保育所を定時で帰れる子どもは祖父母なり子どもを手厚く見守る環境に恵まれていますが、定時の延長下にある子どもたちは、比較上恵まれない環境にあるうえに、時間的制約のため幼稚園を選ぶことができません。これでは手厚い環境に恵まれた子供により良い環境の提供となり、京丹後市の現状から考えると問題があると思います。
OECDの調査で、他の国では公費・公的部門が入ることにより、教育の無償化、低所得層への手厚い補助などにより子どもでの格差は縮小しています。しかし、先進国で唯一日本だけが公的部門の関与後に、より子どもの格差が広がる結果となっています。京丹後市では格差の広がらない取り組みを求めたいと考えています。
また、幼穂の一元化・施設のあり方について、市長は、国の制度の見直しの議論の結果が出ていないことを盛んに述べ、国が検討を進めている幼保一体化の取り組みを踏まえていきたいと答弁していましたが、政府が7月に発表した中間案は自治体に義務付けるものではなく、「こども園」、「総合施設」など分かりにくいものになっています。政策誘導はあるものの、待機児童解消に係る部分は都市部への誘導であることなどからすると、京丹後市への政策的メリットを過大評価しているのではないかと懸念します。保育所条例と幼稚園条例の一部改正の議案は、質疑の後、文教厚生委員会の付託審査となりました。
大宮放課後児童クラブの開設場所の変更などに関しての条例改正については、文教厚生委員会の付託審査となり、他2件、網野浄化センター施設の建設工事委託契約の減額変更、消防ポンプ自動車取得の議案は、全員賛成で可決されました。
臨時議会終了後、議会運営委員会が開催され、9月議会の日程、議案の取り扱いが決まりました。