戦後35年経った昭和55年から平成3年まで、海軍士官のOB組織で秘密裏に開催されていた「海軍反省会」の記録テープをもとに制作された番組「日本海軍400時間の証言」の取材の過程、内容が書かれています。
この本では、負けるとわかっていた戦争になぜ突入したのか、また、生きて帰ることのない特攻作戦、特攻兵器を本当は誰が考えたのか、戦犯裁判への対応をどのように進めたかなど、戦時中の資料が破棄されて空白となっていることについて新事実も書かれていて、興味を持って読みました。
しかし、それ以上に、「責任者のリーダーシップの血如」、「身内をかばう体質」、「組織の無責任体質(責任回避)」、「「組織優先、個人軽視」、「責任所在のあいまいさ」など、組織幹部の都合だけが優先されていたことがよくわかり、日本は戦前も戦後も変わっていないと感じました。
縦割り組織の弊害が強く、上司の指示が間違っていると思っても、発言すべき時に発言できない、その場の空気に流されてしまう。しかし、誰もうまくいくと思っていないので自分に責任がかからないようにする。
その最たるものが特攻の決定で、(大西)「搭乗員の訓練不足で、到底当たり前の空中戦闘は出来かねる。みんな攻撃をする前に撃墜されてしまうから、この際、空中戦闘を避けて目標の敵に体当たりする戦法を取りたい。」、(及川)「命令だけではやってくれるな、各搭乗員の発意でやると言うならそれでやってくれてもよろしい。」と、責任を放棄しています。
しかし、一方では、それ以前から「桜花」や「回天」などの特攻兵器を海軍工廠に命令でつくらせています。特攻隊を送り出した現場の中堅幹部は非常に苦しんでいますが、「海軍反省会」の軍令部幹部は責任逃れに終始しています。
京丹後も、組織のあり方に弊害が出ているように思います。条例上は副市長2人制ですが、市長の個性を熟知している方は要請を受けても拒み、1人空席のままになっています。このことをはじめ歪が広がっています。今迄に勧奨退職で辞められた幹部のなかにも、市長に意見をされる方もおられました。そして、議会でも決議や一般質問で採算に渡って市長に注意をしてきていますが、治りません。次なる方法に移らねばなりません。