20~21日の研修会前後に米子市内を歩きました。同じ時間帯に駅近くの「イオン」も覘きました。そこにはまだにぎわいがありました。しかし1キロ圏内にある近くの商店街は、衰退を通り越していました。
商店街の長さと旧店舗の数から、かつてのにぎわいが想像されます。昼食前に歩いたのですが、開いている店舗は限られていました。
開かずのシャッターに、絵が描かれていました。そんなに多くは見られませんでしたが、ところどころに描かれていました。本格的なもので、落書きではありません。
商店街活性化のために取り組まれたチャレンジショップの現在です。店は閉められ、テープが斜めに張られています。米子市ホームページの商工課の情報では、平成16年10月16日に本通り商店街で「チャレンジショップしょいや!」はオープンしています。このチャレンジショップは新たに商売を始めようとする人が、本格開業の前に店舗経営のノウハウを学び、自信と経験を積むための仮店舗のことですが、中小企業基盤整備機構の「中小企業ビジネス支援サイト」でも平成22年9月では出店者が募集されていましたが、出店者がなく、今年度に閉鎖されたようです。
商店の前を歩行者専用道路として、行政が整備しています。自動車が通らなくなったことで人が歩きやすくなっています。
狭い道路のなかに緑地を設け、真っすぐの道に変化をつけています。歩道はレンガが敷き詰められ、道路の真ん中を低くして雨水の排水溝が地下にあります。
こちらは、もうすでに過去の商店街となっています。アーケードの屋根は撤去されています。「進入禁止」の看板のすぐ裏のシャッターにも絵が描かれていました。
すでに、多くの建物が看板も外されており、商店としての役割は終えています。
右側の開いたスペースは憩いの広場になっていました。
かつては200近い店舗に、買い物客があふれていたと思われますが、今は見る影もなくなっています。シャッターと建物を見ての判断ですが、完全な空き家もいくつかありました。
場所は変わって、境湊市の水木しげるロードです。ここもかつてはシャッター通りの商店街だったとのことですが、観光客であふれていました。
境港市は平成元年に「緑と文化のまちづくり」の一環として境港市出身の水木しげるさんが漫画に描いた妖怪をモチーフにした銅像を商店街に設置する「水木しげるロード」の整備を決めています。
当初の目的は近隣消費者に商店街へ戻ってもらうことにあり、商店街の活性化することでしたが、銅像23体が設置された平成5年にも2万1千人の観光客がありました。その後、観光客が増え続けるなかで水木しげる記念館が平成15年にオープンし、さらに、銅像が120体を超えた平成19年には、147万人が訪れ、鳥取砂丘を超える一大観光地となっています。
そして平成22年には、NHKの連続テレビ小説において「ゲゲゲの女房」が放映されるとともに、水木しげるロードを訪れる観光客は増加し、年間観光客数は350万人を突破しています。
「水木しげるロード」は、キャラクターを使った地域活性化として成功していますが、キャラクター、お土産関連、観光客向けの飲食店ばかりで生活のにおいはしません。地元の買い物客が戻ることのない活性化は商店街活性化としてはどうなんでしょうか。水木しげるの漫画も何度かのブームがあり、いつでも売れていたわけではありません。ブームが去った後は、また寂れるようにも思うのですが、観光客を飽きさせないために次々と新たな投資をしていくのでしょうか。