月刊地方財務8月号を読んでいて、「高知県大豊町の過疎市町村計画リポート」の岩崎町長の発言記述から調べる必要を感じて、平成22年度国勢調査の全国市町村別の平成17年国勢調査との比較集計を見ました。
ゆず産品の加工品販売による地域活性化で、ブランドも確立し成功例とされている「馬路村」が、平成17年と比較して、人口が13,3%減少しています(近隣の安田町9,9%、北川村7,5%の減少)。葉っぱビジネスで有名な「上勝町」でも人口は8,7%減少しています(近隣の勝浦町8,5%、佐那河内村7,5%、神山町12,7%の減少)。農家直売で成功し伝統的町並みでも有名な「内子町」も8%減少しています(近隣の大洲市7,1%、西予市6,3%、鬼北町6,4%、松野町6,7%の減少)。仁多米のブランド化に成功した「奥出雲町」でも8,6%減少(近隣の雲南市5,6%、日南町10,7%、庄原市6,7%の減少)。コシヒカリのトップブランドの地「魚沼市」も7,3%の減少しています(近隣の南魚沼市2,7%、湯沢町3,6%、十日町市5%の減少)。
観光から見ると、白川郷の「白川村」12,6%減少、小京都の代表格「津和野町」も11,4%、「萩市」も7,3%、石見銀山の「大田市」6,5%、金刀比羅神社の門前町「琴平町」は7,2%減少、黒川温泉の「南小国町」も5,5%、「野沢温泉町」9,5%、「草津町」5,9%、「平泉町」5,3%・・・・・あげればきりがありません。
他にも住民自治で有名な「智頭町」が10,7%、「栄村」も10,9%、「泰阜村」7,3%、「矢祭町」5,8%とそれぞれ減少しています。
地場産品による活性化、観光資源の活用、住民自治の推進、これらの取り組みが全国最先端の地域においても人口減少が止めれていない。この厳しい現実を受け止めて対策を考え直さなければならないのではないかと思います。
関連した一冊の本を取り上げます。地方の人口減少と衰退を見直すうえで、しっかりとデータを調べており、この本は、力作です。人口減少している自治体に関わる人なら読むべきだと思います。