2014/01/10

ひと目で分かる「戦前日本」の真実

「ひと目で分かる「戦前日本」の真実」を読了しました。


PHP研究所から出版されているので読んでみたが、正しくもあり、?でもあり、たしかに開戦後勝利が続いていた頃までは全国が暗く閉塞感に覆われていたわけではないと思う。

1点、正しくない記述があるので指摘しておきたい。


戦時中の日本には、陸軍のニ号研究と海軍のF研究という2つの原子爆弾開発計画があった。原子爆弾1個に必要な臨界量以上のウラン235の確保のため、ナチス・ドイツから潜水艦U-234により、約550kgの二酸化ウラン輸入が試みられたが、日本への輸送途中でドイツが降伏し、U-234もアメリカ海軍駆逐艦に停船命令を受けて降伏してしまったため、日本軍はウランを確保することができなかった。

そして、没収されたウランから日本軍が原子爆弾の製造を進めていることが明白となり、アメリカの実用化を急がせることになってしまったというのが歴史の真実ではないか。

40~41ページの、『日本の原子核の研究は平和目的だった』、「日本人の遵法精神は、武士道精神に裏打ちされており、原子爆弾の使用は即、戦時国際法違反になることで、原子爆弾を製造する能力があっても実用化する方向の議論は行なわれませんでした。」という記述はまったく正しくない。

(Face Book1月9日0時38分より)