農林水産業費の審査。漁業の水揚げ高は昭和の終わりから平成10年にかけて15億円台であったが、漁獲量の減少と魚価の低迷により10億円台にある。
稚魚などの種苗放流をしているが、漁場の育成までは出来ていないなかで、成果が上がっているとは言えない。資源の育成に取り組みながら、マリンレジャーや漁業体験、水産加工などに広がっていかないと漁業の担い手を育てることはできないように思う。
農業においては、有害鳥獣対策が最大の課題である。平成18年は、イノシシを817頭、シカを411頭捕獲して農産物被害額は4,991万円であったが、平成22年にはイノシシを1,880頭、シカを1,083頭捕獲しているが、農産物の被害額は1億3,690万円まで増えている。
そして、去年は我が家の裏でクマを2回も目撃している。野生動物が捕獲する以上に増えているのだと思う。林業における有害鳥獣被害額はわからないとのことであったが、木の皮や芽を食べられてしまうため、植林の際には防除網の予算が執行されている。しかし、雪害により網が被害を受けて役に立たなくなっているものも多いと思うが、森林組合の作業員も予算も少なく、対処は出来ていない。
有害鳥獣対策は国の予算と制度の壁があり、農業は国の制度に大きく依存せざるを得ない。米戸別所得補償モデル事業による5億7,700万円や、中山間地域等直接支払制度事業、農地・水・環境保全向上対策事業などにより、支えられてもいるが、制度としては中途半端だと思っている。
他にも、イノシシ・シカ肉処理施設運営や捕獲処分の問題、国営丹後土地改良事業負担金の滞納や、エコ・エネルギーセンターの家庭生ごみの搬入と液肥活用の推進、耕作放棄地対策など悩ましい課題が多い。