昨日のNHKクローズアップ現代は、「地方を変える“コミュニティデザイン”」でした。地域の農地・水・環境保全委員会が7時30分からあったため、放送を全て見ることは出来なかったのですが、たまたま、午前中病院で順番を待ちながら放送で取り上げられた「コミュニティデザイン」を読んでいました。
この本で最も著者が訴えたいことは、カバーにも書かれていますが、人のつながるしくみをつくることで、状況はまだまだ好転させられるということだと思います。
番組のなかでは、藻谷浩介(日本政策投資銀行 参事役)氏がコメントしていました。
「今までもこういうことはしてた、イベントもやったけど続かなかったというのとは、いくつか違いがあるんですね。一つは、山崎さんが、せっかく参加した人の意欲を損なわないようにものすごく注意をしている。やっぱり長年、だめだ、だめだと思っているから、だめじゃない、こんなことやってもだめじゃないと。ちょっとネガティブな意見も出るんですね。でもそれを止めない。言わせておいて、しかし、でもこうやってあわせたらできるんじゃないかと、とりあえず今、イベントをやってみると。そこがまず違う。いろんな人が参加して、まずは思いをぶつけるだけじゃなくて、言ってるだけじゃなくて、やってもらうと。」
「やっぱりね、よそから来た人に発見してもらってるんですね。通ってくる学生さんとか地域、外の人から、こんなにすばらしいと、本当に繰り返し言われているうちに、だんだん自分の価値に気がついていく。逆にそれだけのものを日本の地域は持ってるんですね。」
この本のなかの事例でも、岡山県の笠岡諸島では7島に昔からの争いがあり、一緒になって総合計画づくりに取り組むことが無理だとわかると、子ども達に計画を描かせて、「この計画を実行してくれなかったら、私たちは本当に島に帰らない覚悟です。」と大人に向かって言わせて、大人に未来を向くように働きかけています。
また、余野川ダム建設中止による跡地利用については、ダム賛成派とダム反対派の激しい対立のなかで、コミュニケーション能力の高い学生を動員して、奥さんたちと仲良くなり、そこで地域の良さや将来を語ることからフィールドワークをはじめています。
コミュニティデザインは、人のつながりをつくることに細心の注意をして、遠回りをしてでも、オープンなつながりを広げることが最も大切なことであり、そうすることで、多くの人が当事者意識をもつことができて人の力が引き出せること、状況はまだまだ好転させることができることを教えてくれました。
昔から、地域を活性化させるには「よそ者、若者、バカ者」が大切だといわれていることが、正しいことがわかります。