2011/10/23

井上吉夫さん講師・奥大野区地域づくり研修会

 22日夜、午後6時30分より、奥大野公民館にて、井上吉夫さんを講師に迎えて研修会がありました。

 井上さんは17ヘクタールの米作農家で、綾部市志賀郷の地域活性化のリーダーですが、井上さんがかつては闇米農家であった話を聴いていて、川崎礒信さんのことを思い出しました。

 川崎さんは富山県の米作農家で、国の減反政策に素直に従っていましたが、当初の国の減反政策は永続的ではないとの説明と違い、何年経っても減反が続くので、国は信じれないと減反をやめてしまいます。

 しかし、当時は食糧管理法によって米は全て国が買い上げており、食糧庁は減反をやめたことへの報復として、川崎さんの米を買わないという手段に出ます。

 川崎さんは、自分で売るしか道はなくなり、お米を売るために一軒一軒回って歩きました。

 すると、「おいしいから、また持ってきてほしい」。という声が多くあり、瞬く間に川崎さんは富山県でナンバーワンの闇米商(米穀店)になってしまいます。

 しかし、川崎さんの目的はお金持ちになることではなく、政府の米政策を変えることで、ここから、川崎さんの取った行動は驚くべきもので、制度の欠陥に正面からぶつかっていきます。

 91年、川崎さんは「自分を告発して逮捕してほしい」と、堂々と食糧庁に闇米販売の帳簿を持ち込んで言い放ちます。

 しかし、このとき食糧庁が告発をしなかったことで大騒ぎになりますが、95年に食糧管理法は廃止となります。(川崎さんのことはまた書きます。)

 井上さんは、川崎さんとは目的は違いますが、地域が活性化するためには一歩も引かずに行政ともやりあいます。そして、行政がかかわると制約が加わり、思ったことができなくなるので、補助金は使っていません。志賀郷の取り組みは、三土市(毎月第三土曜日のイベント)をはじめ本当の意味での民間主体の地域活性化です。

 そして、人を活かす優れたリーダーだと感じました。

 以下、講演の資料(一部)です。