2011/10/31

下水道会計への繰り入れ(産業建設委員会)

 下水道料金値上げについて、委員会審査がありました。
 説明員には、上下水道部だけでなく財務部からも部課長に出席していただき、値上げのもととなる一般会計からの繰出し金について、考え方や他の自治体での事例などをもとに審査をしました。

 先日伺ったさぬき市では、平成22年度の一般会計決算268億円の内、下水道事業(各会計合計)の繰出し金は、13億5450万円でした。さぬき市の整備率は88.47%水洗化率89.34%と、京丹後市に比べて高いですが、下水道料金は20㎥で2200円と低く、料金収入総額は3億1686万円で、維持管理費の3億5112万円を賄えていませんでした。

 京丹後市では、審議会の答申において、整備済みの段階で維持管理費の全額と、公債費の30%を料金収入で賄うこととして段階的に料金を上げていくこととされていますが、私が調べたなかでは、この考え方は聴きません。

 まず、この考え方の根拠は、一般会計から下水道事業への繰出しの限度を10億円としたから、10億円では賄えない維持管理費の全額と公債費の30%が繰り出し金の対象外になったことを言い換えているに過ぎないように思います。確かに財政の健全性は必要ですが、誰のための財政の健全性なのか、職員の給与水準も下げる必要があるでしょうし(公務員給与・京丹後市は271位をご覧ください)、事業の見直しも必要です。

 また、下水道が整備中の状況下で、まだまだ水洗化率が低いなかでの料金改定には疑問もあります。合併後から、水洗化率が低いことが問題として取り上げられていましたが、成果は上がっておらず、これからも、急激に水洗化が進むことは見込めないと思います。

 審議会で出されていた資料には疑問もあったので、京丹後市と類似した整備率、水洗化率での他の自治体と比較ができる資料の作成を求めました。

2011/10/30

おおみや生き活きフェスタ2011

 朝起きると小雨が降っていましたが、大宮庁舎前のフェスタ会場に行き、奥大野村づくり委員会の出店の準備を手伝いました。

  奥大野村づくり委員会の幟旗も立てました。
フェスタ開始の午前10時前には雨も止んで、ほんの時々小雨もあった曇天でしたが、午後3時の終了まで、花の苗と倉垣ラーメン、おからドーナツを販売しました。

終了後は奥大野公民館で反省会。今年は売り上げダウンの赤字でした。

横石知二さんのTweetから

 最近、気になる人のTweeterを拝見しています。横石さんもその一人で、短いつぶやきで情報をいただいたり、元気をいただいています。地域づくりに悩むなかで、共感したつぶやきの一部です。

 「自分の考えを押しつける人は、聞く耳を持たないので真のプロデュサーにはなれない。学ぶこともしなくなるので考え方も片寄ってしまう。そうならんようにせなあかんなあ。」

 「何か自分に迷いがあって、田舎で成功しているところを回って自分の目で確かめてみた。スローフードなんかどこもなかった。あるのは都会と変わらない戦場ばかりだった。」

 「やる気のない人を駄目だと批判する。確かにそのとおりだと思うが、やる気のない人をその気にさせるのが経営者の仕事でもある。でも現実は難しいよなあ。」

 「人は、いくら口で言っても自分のことにならなければわかるはずがない。だからぬるま湯につかっている時は、なにを言ってもあかんと思うわ。苦渋の選択が必要な時もある。」

 「都会から『社会の役に立ちたい』と元気な若者が、田舎に集まってくる。だがそのもう一歩先の起業や経営者になるという人の少なさに驚きとはがゆさもある。どうしたらここにもっていけるかの答えがまだ見つからない。それは無理。そんな人は十年にひとりだといわれてしまった。」

 「なぜやらないのか・・自分の尺度を自分で決めてしまうからだ。自分の尺度なんてやってみなきゃわかるもんか。やらなあかん。やってみてから、修正すればいい。」

2011/10/29

介護、道路整備事業の大罪(電車のなかで読んだ本その1)

 今回も、移動中の電車のなかでは主に本を読んでいました。

 最初に読んだのは、結城康博著「介護」です。
介護の社会化を実現する制度として生まれたはずの介護保険制度ですが、財政上の問題から2度の介護報酬の引き下げや、2006年の制度見直しによる介護予防の導入などが行われたなかで、介護の現場での事例を上げながら、入所が必要な方がなかなか入所することができない特別養護老人ホームの現状や、不足するなかでの新設特養の完全個室化・ユニット型化が低所得者の利用を阻害することなど問題提起をされています。

 私も、認知症の親を抱えて介護に対して不安があることと、実際に利用する上での制度の欠陥がわかってきたので、次の見直しでは、改善を求めていく必要があると思っています。

 ただ、ここで結城氏は、特別会計の国債償還や地方交付税交付金を除く100兆円の予算の内から無駄を削減すれば、年金財源は確保でき、医療と介護に使途を限定して消費税の増税を考えればよいと書いていますが、この財源の議論は間違っています。

 下の図をご覧ください。(http://news.fbc.keio.ac.jp/~kenjoh/work/korunakare299.pdfより)
 結城氏の指摘の通り、国債費(78,9兆円)と地方交付税交付金(15,8兆円)を除いても予算は100兆円以上あります。

 しかし、そのなかで最も多い68,5兆円は医療・介護・年金などの社会保障関係費であり、この部分は抑制されていて不足しているぐらいですから、削減は出来ません。財政投融資も削減すれば、政府の信用で資金の手当てをしないというだけであり、削減したから使えるお金が確保できるわけではありません。

 また、その他の財源17,3兆円の内訳としては公共工事費や農林水産費、経済協力、エネルギー関連に雇用・労働保険関係などがありますが、これもそんなに簡単にバッサリ削減できるものはありません。

 民主党が1割ぐらい簡単に削減できるといってできなかったように、なんとなく多いから削減できるだろうという議論では、小泉さんの時に社会保障関係費の伸びが抑制された二の舞になりかねないのが現実であり、高齢化による社会保障関係費の増加が避けられない現状においては、増税による財源確保を進めるしかないと思います。



 次に読んだ「道路整備事業の大罪」は、ストロー効果による人口減少と経済的流出や、道路整備が進んだことによる心理的な距離感の短縮により、地域を離れやすくなること、車による移動が中心の社会になるなかで、市街地が拡散し人のふれあいが減少することと、近隣での買い物が不自由になることなど、道路整備後に生じた課題が事例として取り上げられています。道路整備によらないまちづくりを考え、まちづくりを見直す必要性が書かれており、デメリットの克服についての考え方をしっかり持っておく必要を感じました。

 朝日新聞の記者の方々との懇談においても、道路が整備されて大都市からの日帰り圏になるなかでの観光地・商店街の衰退の話や、新幹線整備による並行在来線の町々の衰退、延長による終点から通過点への変化での人の流れの変わりようなどのことも聴いています。

 印象に残った話として、馬路村での聞き取りが書かれています。「馬路村には道路整備はいらない、と村役場は言っている。道路を2車線にしたり、トンネルをつくったりしたら、馬路村が日帰り圏になってしまい、温泉旅館などは商売が成り立たなくなるからだ。そもそも馬路村は田舎らしさを売りにしている。その田舎らしさが道路整備で失われてしまう。わざわざ苦労してきてもらえるからこそ、馬路村の魅力が出る。」

 行動圏の拡大による生活の利便性の追求と、地域内経済循環による地域経済の維持は相容れないものとして考えていく必要がありそうです。

(その2へ続く)

第2回 秋の村内道路一斉クリーン大作戦

 今朝は、奥大野村づくり委員会主催の奥大野区内の道路の美化活動に参加しました。

 村中の市道には、そんなにゴミは落ちていないのですが、奥大野バイパスや人家のないところには、ペットボトルや空き缶などのゴミが投げ捨てられています。

 特に、大宮バイパスとの合流付近では信号待ち時の投げ捨てが多いようですが、前回に続き、今回も発泡酒の空き缶なども投げ捨てられていました。変わったものでは、醤油の1升瓶やリポビタンなどの空き瓶を入れた袋ごと道路わきの草むらに置き捨てにされていました。

 少しでもポイ捨てが無くなることを意識していただくように、写真も掲載します。

2011/10/28

議会改革から見た自治体財政(研修会講師)

朝日新聞ジャーナリスト学校で、研修の講師を務めました。
 研修2日目の午後2時50分から4時50分の時間枠の講師ということもあり、疲れた顔の方や、議会に対しての予備知識があまりないのだろうなという方もおられ、私の話している内容に対して反応の良い方々を見ながら進めました。

 たぶん、これまでに議会にあまりかかわりがなかった記者の方には、各種計画や参考人制度、自由討議、反問権などといってもちんぷんかんぷんだったのでしょうが、時間が限られているなかで、議会改革の内容を説明しなが財政へのかかわりを触れなければならなかったので、ある程度分かっている人のレベルで話しをしましたが、今後、議会への関心を持っていただいて、健全な議会制民主主義が広がることを望みます。

2011/10/27

朝日新聞ジャーナリスト学校

朝日新聞ジャーナリスト学校の自治体財政研修で、若手新聞記者の方に議会改革と財政をテーマにして、明日、講師を務めます。

 きょうは、多摩住民自治研究所の大和田氏の財政講義と財政演習と交流会に参加させていただきました。若手記者の方の地方議会への関心はあまり高くないようでしたが、何とか関心を高めていただくように話したいと思います。

さぬき市にて(追記版)

 さぬき市では、昨年の交付税と臨時財源対策債の増加分を含む15億円を基金に積んでいます。そして、このうち5億円については、竹下内閣当時の「ふるさと創生1億円事業」のさぬき市版として、各地区が地域づくりを自ら考えて自ら事業を進めるために市内の全25地区に、少ない所でも1000万円を支給するそうです。

 しかも、病院新築や学校の老朽校舎(木造)の統合、建て替えなどの大きな事業も同時に進行しています。

 新さぬき市民病院は、175床で、新築工事費(設計委託費込み)41億4710万円、医療機器・備品、事務用備品等整備費18億3800万円、外構・造成工事費3億6510万円、既存病院解体工事費2億5540万円など、総事業費は69億7640万円となります。

 そして、総事業費69億7640万円に対して、医療施設耐震化臨時特例交付金13億4387万円と、ほかに国費の補助金が2億5149万円、県からの補助金3億円で、補助金の総額は18億9536万円となります。

 京丹後市は二つの公立病院がありますが、統合して、市の中央に病院の建設という方向の議論にはならないと思います。しかし、今後、施設の改修や病院のあり方などの議論は避けることは出来ないですし、特に弥栄病院は第2病棟が旧耐震の施設で老朽化しており、検討が急がれます。

 また、さぬき市は瀬戸内海に面しており、志度町と津田町の海側2町と、大川町、寒川町、長尾町の内陸3町では住民気質も違うなかでまちづくりがなされていますが、その内の4町から議員は出ているが、1町は立候補所がなかったとのことでした。

 そして、前回の市長選の投票率は、42,8%と低く、市民の政治への関心も低いようでした。

 下の写真は、瀬戸内海国立公園の津田の松原近くの宿泊した「クアパーク津田」の部屋のなかから早朝に撮ったものです。

 瀬戸内海には、美しい島並みと静かな海が広がっています。さぬき市の方に聞くと、日本海は暗いようなイメージがあり、瀬戸内海のほうが明るく、天然の魚は日本海のほうがおいしいのだろうが、ブランド化したオリーブはまち(オリーブをえさに混ぜて養殖したはまち)など、養殖で頑張っているとのことでした。
 



 

2011/10/26

さぬき市議会で研修会講師

さぬき市議会で議会改革研修会の講師をしました。

 さぬき市議会では、6月に議会改革特別委員会が設置され、改革への議論が始まっています。きょうは、京丹後市議会の改革の取り組みをメインに、全国の事例を交えながら、午後2時から約3時間(約50分の質疑を含む)の研修会でした。

 さぬき市の議員だけでなく東かがわ市の議員のかたも熱心に聴いてくれていたので、丁寧に話すことができたのではないかと思っています。

 夜は懇談会で情報交換をしました。
さぬき市は、合併10年目を迎えており、下水道や病院、CATVなど勉強になりました。

2011/10/25

「カロリー食料自給率」は日本だけの考え方 (追記版)

ひょんなことで、食糧自給率の話しになったので、世界のなかでカロリーベースで食料自給率を計算しているのは、日本と、日本をまねた韓国だけで、日本の農水省が各国の食料自給率を収穫量や出荷量の資料から勝手に計算しているだけで、国際社会からは相手にされていないということを話したら、信じてはもらえませんでした。

 そこで、国際連合食糧農業機関の統計では、世界での農産物輸入額の1位がアメリカで2位がドイツ、3位がイギリスで4位が日本、5位がフランスであることを話し、国民1人当たりの農産物輸入額も1位がイギリスで2位がドイツ、3位がフランスで、次は日本だけど金額はフランスの半分、そして農産物輸入額が世界一のアメリカは、人口が多いから1人当たりは少ないことを話しました。

 ここまで話すと少しは信じてくれたようでしたが、金額と重量は違うのではないかということも言われたので、国民一人当たりの輸入量も、ドイツとイギリスが入れ替わるだけで、日本が4番目であることは間違いなかったと思うと話し、統計上の農業生産額はアメリカ、中国ブラジルなどに続き、日本の農業生産額が世界第5位であることを話すとびっくりしておられました。(ここ2年の円高により、ドルベースでの農業生産額はさらに膨らんでいると思います。日本の外で、日本の内情に詳しくない人たちが見れば、日本は農業大国であり、市場の開放を求められてしまいます。日本は経済交渉は下手な国のようです。)

 日本は、ほとんど農産物の輸出をしていませんが、アメリカもドイツもイギリスもフランスも農業生産に補助金を出して輸出しています。その国の風土により生産できる農産物は限定されるので、貿易による調整が必要だという考え方であり、日本も同じように補助金を出して、農家所得補償をすれば、農家は米価が下がっても所得に影響はなく、消費者は安くお米が変えて、国内で消費できない分は輸出すればいいから、農家は今のように減反をしなくてもいいのです。

 ウルグアイラウンド前後ににヨーロッパの国々のように農業政策の転換を図っていれば、日本の農業は大きく変わっていたと思います。

 アメリカもドイツなどのEU諸国も、農業予算の農家への直接補助金(アメリカでは農家の農業収入に占める補助金の割合が50%を超えています。)がなければ農業が成り立たないことを話して、日本の農業政策の転換が必要だと思うと話すと、最後は強くうなずいてくれました。

 また、食糧自給率には欠陥があります。農業生産が増えずに輸入が止まっても自給100%になります。アフリカの貧しい国などの後進国でも100%になりますが、100%に何の意味があるのでしょうか?江戸時代も自給100%になりますが飢饉などで多くの餓死者も出しています。

 また、日本の国内で生産される卵や牛肉、豚肉、鶏肉は餌が自給されていないから、食糧自給率には95%がカウントされませんが、ほとんどを海外からの輸入に頼っている農薬や化学肥料については考慮されていません。

2011/10/24

公民館再配置計画 (ん?わかってるのかな?)

 議員全員協議会では京丹後市公民館再配置計画(案)の説明がありました。

 合併後から問題になっていた大宮町の公民館分館が、7年かかってやっと見直しになるので、期待を込めて、ほかの議員の意見や質問を聴いていたのですが、答弁が何を問われているのか、その思いを理解して応えているとは思えない。

 それどころか、整理せずに答えていくから、中央公民館の役割は宙に飛んでしまい必要性を理解されず、地域公民館は誤解の元となり、大宮町の分館の整理は後退だといった意見が出ても、答えができていないから、意見が正しいかのような空気が流れてしまう。

 また、なぜ、1か所だけ、まだ学校統合もできていないところで、いきなり小学校区での地域公民館が盛り込まれているのだろう。小学校再配置後に地域の意向を踏まえて検討することが、1か所だけ考えられていることが、他の地域と何が違いどうなのか?他との整合性が考えられているのか?わかっていっているのか?

 公民館の再配置計画を壊すために答弁をしているようで、前向きに進めるために説明しているとは思えない。これでは議員全員協議会の協議事項にあげない方が良かったように思える。間違った答弁が頭のなかに刷り込まれてしまう。

 とうとう、質疑は途中で打ち切られてしまったが、それも仕方がないと思う。

 自治会などの地域活性化の活動と公民館活動の違いを説明したうえで、6町における違いを整理し、今あるべき公民館の組織体系への再編を説明し、次に、将来の公民館組織体系の考え方を示して行くべきだ。理路整然と整理しないとダメだ。

 そして、議員全員協議会終了後に開かれた議会運営委員会で、京丹後市公民館再配置計画は議決事件と決まった。

臨時議会と議員全員協議会

 臨時議会が開催され、緊急を要する予算が提案されました。

 台風15号にともなう災害復旧事業、農地・農業用施設1960万円、林業用施設1990万円、公共土木施設4640万円(いずれも市単費事業分)などと、学校統合にともなう神野小学校と久美浜中学校の増改築実施設計委託料で、3252万円です。

 この補正予算は、共産党所属の議員を除く賛成多数で可決しました。

 臨時議会終了後議員全員協議会が開催され、第3次京丹後市交通安全計画(案)、京丹後市公民館再配置計画(案)、第2次京丹後市地域福祉計画(案)、第2次京丹後市障害者福祉計画(案)、京丹後市健康増進計画の中間評価・見直し(案)、京丹後市都市計画区域(案)、京丹後市立学校施設耐震化計画の一部変更の7項目の協議事項を取り扱いました。

 私は、第3次京丹後市交通安全計画について、道路交通情報の充実・ITの活用といった今日的課題が、計画の基本的な考え方や講じようとする施策に盛り込まれていないことについて、考え方を問うとともに、見直しを求めました。

 他には、健康増進計画について、最も多く付箋を付けて用意をしていたのですが、他の議員の質疑もあったので、議会に上程された時点で指摘することにしました。

 また、公民館再配置計画は別に書きます。

2011/10/23

地域コトおこし実践者講座(公開プログラム)

 きょうの午後は、アグリセンター大宮で、地域コトおこし実践者講座の公開プログラムに参加しました。昨日に次いで、実践されてきた素晴らしい話しを聴くことができましたが、欲を言えば、もう少し多くの人に聞いていただきたかったと思います。
 コウノトリと共に生きるまちづくりは、コウノトリが生きていくための水辺の生き物との共生であり、環境の付加価値化により、環境と経済がともに高まり共鳴する地域をつくり上げることを目指して進められています。

 また、京丹後市内(久美浜町)でコウノトリを定着させる取り組みが盛んになっていることから、京丹後市と豊岡市が協力して多様な生物がすめる地域づくりをする「コウノトリもすめるさとづくり共同宣言」が採択されました。これからさらに京丹後市内で機運の広がりがあることを期待します。

 また、イオンのフードアルチザンの取り組みは、人材や情報・ノウハウに欠ける地方にとって、魅力的なものであり、企業と地域がWIN-WINの関係がつくれるだけでなく、工夫のしようがあることがよくわかりました。以下に資料を添付します。



井上吉夫さん講師・奥大野区地域づくり研修会

 22日夜、午後6時30分より、奥大野公民館にて、井上吉夫さんを講師に迎えて研修会がありました。

 井上さんは17ヘクタールの米作農家で、綾部市志賀郷の地域活性化のリーダーですが、井上さんがかつては闇米農家であった話を聴いていて、川崎礒信さんのことを思い出しました。

 川崎さんは富山県の米作農家で、国の減反政策に素直に従っていましたが、当初の国の減反政策は永続的ではないとの説明と違い、何年経っても減反が続くので、国は信じれないと減反をやめてしまいます。

 しかし、当時は食糧管理法によって米は全て国が買い上げており、食糧庁は減反をやめたことへの報復として、川崎さんの米を買わないという手段に出ます。

 川崎さんは、自分で売るしか道はなくなり、お米を売るために一軒一軒回って歩きました。

 すると、「おいしいから、また持ってきてほしい」。という声が多くあり、瞬く間に川崎さんは富山県でナンバーワンの闇米商(米穀店)になってしまいます。

 しかし、川崎さんの目的はお金持ちになることではなく、政府の米政策を変えることで、ここから、川崎さんの取った行動は驚くべきもので、制度の欠陥に正面からぶつかっていきます。

 91年、川崎さんは「自分を告発して逮捕してほしい」と、堂々と食糧庁に闇米販売の帳簿を持ち込んで言い放ちます。

 しかし、このとき食糧庁が告発をしなかったことで大騒ぎになりますが、95年に食糧管理法は廃止となります。(川崎さんのことはまた書きます。)

 井上さんは、川崎さんとは目的は違いますが、地域が活性化するためには一歩も引かずに行政ともやりあいます。そして、行政がかかわると制約が加わり、思ったことができなくなるので、補助金は使っていません。志賀郷の取り組みは、三土市(毎月第三土曜日のイベント)をはじめ本当の意味での民間主体の地域活性化です。

 そして、人を活かす優れたリーダーだと感じました。

 以下、講演の資料(一部)です。


西田昌司参議院議員との懇談

 22日午後、四方府会議員(綾部市)、森口議員、塩見綾部市議会議員、山本市議会議員などと西田昌司参議院議員との懇談。

 民主党のマニフェスト違反や政策の間違いによるデフレの加速などへの批判もありましたが、根本的には構造改革などの自民党による間違った政策の延長線上にあることの話がありました。その通りだとは思いますが、だからといって国債を発行して従来の建設型公共工事を増やしても景気が回復してお金が民間投資に回るとは思えません。

 また、国債を発行し続けても国は破綻しないということも話のなかであり、破綻しないことは私もある官僚から聴いています。ただ、彼は、アルゼンチンがそうであったように、いずれハイパーインフレと高金利により、民間経済が強烈なダメージを受ける時が来ると言っており、混乱を避けるなら発行額には限界があります。

 日本のGDPに占める公的支出は低いですが、北欧では、GDPの50%以上を公的支出が占めています。手厚い社会福祉の支出が安心を与え、高負担でも国民から不満が出ることもなく、将来への不安から貯蓄が選ばれることはありません。(言い換えると、税率が高くて日本のような過剰な貯金をすることができない。)

 一方、日本では、70代の方が将来の経済的不安から貯蓄をしなければならないと思っている国であり、貯蓄過剰の背景には将来不安や公的年金制度に対する不信感があります。北欧と日本では国に対する信頼がまるで違うのです。

 日本では、自己責任という言葉とともに、老後に見込まれる生活費への公的年金での不足分に対して、早くから貯蓄等により老後資金に対応することが奨励されてきており、今後景気が回復したとしても、老後の不安があるなかで貯蓄率が下がるとは思えません。お金を貯蓄ではなく投資や消費に回すためには将来への安心が必要です。

 しかし、政府は8日、2012年度予算で、基礎年金の国の負担分の財源不足約2兆6000億円を補うため、 将来の消費税率の引き上げで返済することを前提とした「つなぎ国債」を発行する方向で調整に入っているとの報道がありました。

 民主党は、自分たちが政権をとれば16兆円の無駄を省いて増税の必要もないといって選挙に勝ちましたが、今の状況では、政府を信頼して安心してお金を使おうという気持ちにはならないと思います。

2011/10/22

郷土偉人展

 明日から30日まで、大宮ふれあい工房で「郷土偉人展」が開催され、京丹後市が生んだ郷土の偉人、シュールレアリスムの大家小牧源太郎画伯(大宮町口大野出身)の作品と、具体美術協会創設上前智祐画伯(大宮町奥大野出身)の作品、そして、野球界の名将野村克也氏(網野町出身)の軌跡の品々等が展示されます。午前中は準備の手伝いをしました。




2011/10/21

ページビュー

ブログ「大同まもるの雑記帳」を始めたのは、5月4日でした。

その5月の月間ページビューは594でした。

もうすぐ半年が経とうとしています。

その後もブログへほぼ毎日書き続けて、投稿は187になりました。

そして、10月はまだ9日有りますが、月間のページビューが初めて2000を超えました。

読んでくれる人がいることはありがたいことです。

読者が増えることを励みに、これからも書き続けていきます。


太田副知事との懇談他

 午後、丹政会の会派会議と意見交換。

 議会運営委員会で調整することとなった来季の議員報酬について、意見交換のを行い、会派として考え方を調整しました。また、議会基本条例運用基準について、議会活性化委員会での議論を踏まえて説明し、了解を得ました。その後、その他の項目についても意見交換を行いました。

 そして、4時30分より、太田副知事との懇談会。

 出席した議員からは、京都縦貫や森本~野田川間の早期完成、KTRの検討会での議論についてなど、多くの意見が出されました。なかには、山田知事は京丹後市に目を向けていないのではないかといった質問もありましたが、太田副知事は丁寧に答えられ、出された意見を持ち帰られました。

 
 

2011/10/20

下水道会計はどうあるべきか(広報編集委員会と産業建設委員会)

 9時30分より広報編集委員会、議会だよりの第2稿をチェックしました。最終稿は、正副委員長での確認なので、9月議会の議会だよりの広報編集委員の役割は果たしました。

 続いて11時30分に峰山庁舎をスタートして南丹市役所へ向かいました。きょうの産業建設委員会は南丹市の下水道事業について研修でした。南丹市の下水道整備率は、98%で水洗化率は82%ですが、総務省通知の基準内繰り入れで17億円を一般会計から下水道会計に繰り入れしています。

 基準内繰り入れは、最終的に市長の政治的判断でなされています。下水道料金は京丹後市よりも高いですが、京丹後市は整備率65%で水洗化率が42%と、まだまだ整備途上であり、話を聞けば聞くほど、公債費の30%程度を利用者負担で賄うという京丹後市の考え方に同意できなくなりました。

 また、浄化槽の扱いも大きく違い、南丹市は個人設置型で行政は個人が浄化槽を設置する際に補助金を出すだけですが、京丹後市は市設置型であり、南丹市の財政課長も、京丹後市のほうがより公費の負担が必要となるという認識でした。

2011/10/19

コミュニティデザイン

 昨日のNHKクローズアップ現代は、「地方を変える“コミュニティデザイン”」でした。地域の農地・水・環境保全委員会が7時30分からあったため、放送を全て見ることは出来なかったのですが、たまたま、午前中病院で順番を待ちながら放送で取り上げられた「コミュニティデザイン」を読んでいました。


 この本で最も著者が訴えたいことは、カバーにも書かれていますが、人のつながるしくみをつくることで、状況はまだまだ好転させられるということだと思います。

 番組のなかでは、藻谷浩介(日本政策投資銀行 参事役)氏がコメントしていました。
「今までもこういうことはしてた、イベントもやったけど続かなかったというのとは、いくつか違いがあるんですね。一つは、山崎さんが、せっかく参加した人の意欲を損なわないようにものすごく注意をしている。やっぱり長年、だめだ、だめだと思っているから、だめじゃない、こんなことやってもだめじゃないと。ちょっとネガティブな意見も出るんですね。でもそれを止めない。言わせておいて、しかし、でもこうやってあわせたらできるんじゃないかと、とりあえず今、イベントをやってみると。そこがまず違う。いろんな人が参加して、まずは思いをぶつけるだけじゃなくて、言ってるだけじゃなくて、やってもらうと。」

 「やっぱりね、よそから来た人に発見してもらってるんですね。通ってくる学生さんとか地域、外の人から、こんなにすばらしいと、本当に繰り返し言われているうちに、だんだん自分の価値に気がついていく。逆にそれだけのものを日本の地域は持ってるんですね。」

 この本のなかの事例でも、岡山県の笠岡諸島では7島に昔からの争いがあり、一緒になって総合計画づくりに取り組むことが無理だとわかると、子ども達に計画を描かせて、「この計画を実行してくれなかったら、私たちは本当に島に帰らない覚悟です。」と大人に向かって言わせて、大人に未来を向くように働きかけています。

 また、余野川ダム建設中止による跡地利用については、ダム賛成派とダム反対派の激しい対立のなかで、コミュニケーション能力の高い学生を動員して、奥さんたちと仲良くなり、そこで地域の良さや将来を語ることからフィールドワークをはじめています。

 コミュニティデザインは、人のつながりをつくることに細心の注意をして、遠回りをしてでも、オープンなつながりを広げることが最も大切なことであり、そうすることで、多くの人が当事者意識をもつことができて人の力が引き出せること、状況はまだまだ好転させることができることを教えてくれました。

 昔から、地域を活性化させるには「よそ者、若者、バカ者」が大切だといわれていることが、正しいことがわかります。


2011/10/18

魚は水を知らない 人は空気を知らない

 正確には、「魚の目に水見えず人の目に空見えず」ということわざですが、口語体でより多く使われているようです。

 このことわざにもあるように、なくてはならない大切なことだけど、普段、気にも留めていないことは多くあります。

 健康もその一つで、普段は意識することは少ないと思います。そのため、健康のありがたさに気付き、健康を強く意識するようになるのは、病気がきっかけとなる人もありますが、健康診断(人間ドッグ)も健康を意識し見直すための良いきっかけになっていると思います。

 きょうは、人間ドッグで要検診とされた泌尿器科を受診しましたが、幸いなことに、ドッグの際に検出された尿潜血はなく、エコー検査でも異常は認められないとのことでした。尿路結石などの心配もないようです。

 これまでに尿潜血を指摘されたことはなく、少し不安を感じていましたが、これで安心できます。

 でも、もうひとつ、コレステロール値も高いと指摘されているので、食べ物と運動を考えて健康には十分気を使っていきたいと思います。


 

 ここで話は変わりますが、人の命も明日のことは誰もわかりません。人は明日も生きていることを当然のこととして前提にしています。かけがえのない身近な人が明日も身近にいることを疑いません。

 次に紹介する「最後だとわかっていたなら」という詩は、作者が我が子を亡くした時に書かれた詩です。少し重い詩ですが、かけがえのない大切な存在であるはずなのに、空気のように当たり前に感じてしまっている家族や近くにいる人の大切さを意識し直すために書きこみます。

「最後だとわかっていたなら」
作・ノーマ コーネット マレック / 訳・佐川 睦

あなたが眠りにつくのを見るのが
最後だとわかっていたら
わたしは もっとちゃんとカバーをかけて
神様にその魂を守ってくださるように祈っただろう

あなたがドアを出て行くのを見るのが
最後だとわかっていたら
わたしは あなたを抱きしめて キスをして
そしてまたもう一度呼び寄せて 抱きしめただろう

あなたが喜びに満ちた声をあげるのを聞くのが
最後だとわかっていたら
わたしは その一部始終をビデオにとって
毎日繰り返し見ただろう

あなたは言わなくても 分かってくれていたかもしれないけれど
最後だとわかっていたなら
一言だけでもいい・・・「あなたを愛してる」と
わたしは 伝えただろう

たしかにいつも明日はやってくる
でももしそれがわたしの勘違いで
今日で全てが終わるのだとしたら、
わたしは 今日
どんなにあなたを愛しているか 伝えたい

そして私達は 忘れないようにしたい
若い人にも 年老いた人にも 明日は誰にも
約束されていないのだということを

愛する人を抱きしめるのは
今日が最後になるかもしれないことを
明日が来るのを待っているなら
今日でもいいはず

もし明日がこないとしたら
あなたは今日を後悔するだろうから
微笑みや 抱擁や キスをするための 
ほんのちょっとの時間を どうして惜し んだのかと

忙しさを理由に
その人の最後の願いとなってしまったことを
どうしてしてあげられなかったのかと

だから 今日 あなたの大切な人たちを
しっかりと抱きしめよう
そして その人を愛していること
いつでも いつまでも大切な存在だと言うことをそっと伝えよう

「ごめんね」や「許してね」や「ありがとう」や「気にしないで」を伝える時を 持とう
そうすれば もし明日が来ないとしても
あなたは今日を後悔しないだろうから

『最後だとわかっていたなら』(サンクチュアリ出版)より

子どもの貧困(電車のなかで読んだ本)

日本の子ども達が置かれている現実は、機会の不平等が極めて強く、その解消に向けた努力の跡が見られず、そんな綺麗事では済まされません。(日本は、OECD諸国のなかで、政府による再分配後に格差が拡大する唯一の国です。この格差の是正を議長の時に民主党の国会議員に訴えましたが、理解していただけなかったようです。)

欧米諸国では、これまでから、子どもの成長を10年~20年といった長期で調査しています。
そして、子どもの頃の貧困の経験と成長してからの境遇とがどのように関連しているのかを実証的に調べており、子どもの貧困と成長してからおかれる境遇とには明らかな相関関係があることが報告されています。

しかし、日本においてはこのような長期の調査はないのですが、著者が属している国立社会保障・人口問題研究所の「社会生活に関する実態調査(2006)」によると、

15歳児の貧困 → 限られた教育機会 → 恵まれない職業 → 低所得 → 低い生活水準

という負の連鎖があり、それが世代間における学歴と職業階層の継承において連鎖していることが指摘されています。

また、OECDの報告書においても、日本の相対的貧困率がアメリカについで第2位であるだけでなく、子どもの貧困率も高く、特に母子家庭の貧困率が突出して高いことから、日本政府に対して警告がなされています。

この本で特に印象に残ったところがあります。

原文をそのまま引用
『(元東京都江戸川区福祉事務所ケースワーカー)私たちが勉強会をはじめた20年前、区役所では多くの高校卒業の職員を採用していました。また、高校さえ卒業して言えば、正規の社員として会社も採ってくれました。・・・・・かつて私たちは、保護世帯の子ども達に、「何とか高校へ行け。一生懸命勉強して公務員試験を受けろ。おれたちと一緒にケースワーカーをやろう」と話しました。

今は言えません。勉強会のスタッフである大学生ですら、公務員試験に合格するのは容易ではないからです。将来の見通しが立たない時代に、基礎学力を持たない子どもたちがこれだけ増加すると、何とか頑張って高校に行こう、卒業しようという意志も続かなくなってしまうのです。』
P158より引用

子どもの貧困の解消には、労働政策の問題や、教育、福祉、租税(給付つきの税額控除)のあり方など多くの課題がありますが、これらを解決していかないと格差の広がりとともに子どもの貧困が増加し、少子化にも歯止めがかからないように思います。

2011/10/17

議会運営委員会と広報編集委員会

 24日に開催予定の臨時議会の議案の取り扱いと議員全協議会野協議事項と報告事項の取り扱いを決めました。また、議会基本条例の運用基準の変更については、持ち帰りとなりました。

 議会運営委員会終了後、会派代表者会が開催され、議長に預けられていた来季の議員報酬については、議会運営委員会で扱われることに決まりました。

 その後、広報編集委員会が開催され、印刷会社から上がってきた議会だよりの第1校をチェックし、誤字・脱字等の訂正をして終わりました。20日に第2校のチェックをします。

奥大野区敬老会(16日)

 16日、谷内区民運動会がさわやかな秋晴れの下開催され、来賓として招待いただいたので開会式で祝辞を述べ、奥大野区の敬老会に向かいました。

 奥大野区の敬老会該当者は142人で最高齢は100歳で、参加者は48人でしたが、参加されない方には、私の義父のように、健康状態の思わしくない方や介護を必要する方なども多くおられます。

 祝辞のなかで健康であるための努力の継続をお願いし、筑波大学の九野教授などのデータからも、まず、健康づくりへの意思を持ち続けることが大切であり、健康であれば人なかに出ることも苦にならず、老人性うつなどに陥る危険も少なくなることを話し、いつまでも明るい心持で過ごしていただくようにお願いしました。それが家族にとってもとてもありがたいことだと思います。

 ところで、我が家の義父は、最近、認知症が進んでいるように見受けられます。きょうも、夕食直後から、「朝から何も食べていない。ご飯を食べさせろ。」といって騒いでました。こういう時は、少し何かを食べさせて気持ちの切り替えをさせるのですが、頻度が高くなっており、体重が増えてきています。

 また、家のなかで迷うことが多くなり、トイレを探し回り、間に合わなくなって漏らすことも増えていますが、幸いなことに紙おむつを抵抗なく穿いてくれているので、何とか大騒ぎにならずに済んでいます。

 義父は、平日の日中は最大限デイサービスを利用しており、介護保険のおかげで我が家の生活は何とか壊れずに済んでいますが、介護の需要は増加しており、介護現場が介護保険制度による低料金のために厳しい労働条件にあることの改善が必要だと思います。

 私にとって、敬老会の日は介護への感謝の日でもあります。

2011/10/15

デンマークの光と影(電車のなかで読んだ本)

 北欧の福祉は素晴らしいと思います。私はそんなにたくさんの本を読んだわけではありませんが、制度の背後には民族性があり、日本人がまねをしようとして出来るものではないと考えています。


 デンマークな関連した本は、以前の電車の中で読んだ本で取り上げた「平らな国デンマーク」があります。

 デンマークは福祉社会ですが、競争社会でもあり、両立しています。たとえば、公立の救急医療センターなら診察は無料ですが、相当の待ち時間を覚悟しなければなりません。しかし、民間の救急医療センターなら20分で診てもらえます。どちらを選ぶかは個人の意思が尊重されており、その代償も個人持ちとなります。

 しかし、癌などの治療の場合、公立の待機時間は2か月以上と長く、しばしば手遅れになる場合があり、民間に移して直ちに治療を受ければ助かる場合でも、命を優先して民間に移すことはなく治療が優先されることはもない中で、公立と民間の垣根が守られていて、デンマーク国民は、個人の意思で選んだ結果として納得しています。これは日本人にはできないことです。

 73%という極めて高い国民負担での高負担・高福祉なのだから、日本人なら命が優先されないことに文句を言うと思いますが、デンマーク国民は自己責任と考えています。

 制度だけを短時間で勉強しても、なぜ成り立っているのかはわかりません。福祉制度の根本的な見直しが議論されていますが、先進例として研究しながら日本人の精神性に合った制度を考えていかなければならないと思います。

 日本では、独居老人や、老齢夫婦世帯への対応が課題として挙がりますが、デンマークでは、2世代同居が4%と特殊であり、最後は一人きりになることが当たり前とされているなかで、個人がぎりぎりまで一人で生活することを社会として尊重して、福祉を考えています。根本が違うのです。

 これまでに、北欧の制度を勉強するために読んだ本を紹介します。





 著者の視点によって、また、扱う国や課題によって違いがありますが、読み込むなかで、わかってくることもあります。1冊だけ読んでわかったつもりになることが、最も理解を妨げることになると思います。



魚が食べれなくなる~無策の日本漁業(電車の中で読んだ本)

 東京での研修に参加するための電車のなかで読んだ本を紹介します。
決算審査でも気になったのですが、京丹後市の漁業の水揚げ高は昭和の終わりから平成10年にかけて15億円台であったのが、漁獲量の減少と魚価の低迷により10億円台になっています。

 この漁獲量減少の背景である漁業資源についてや、漁獲量が減っているのに魚価が下がるということは輸入の増加が推測されるので、漁業をめぐる世界の情勢を知るために、勝川俊雄著「日本の魚は大丈夫か」(NHK出版新書)を読んで大変参考になりました。それで、他の本も読んで考え方を確認するためと、より広く知るために海(漁業)に関する本を読んでいます。


 海洋の食物連鎖の頂点にクジラがあります。「宮本常一とクジラ」は、昔の日本の漁業を知ることと、著者の小松氏の考えを知るために買いました。今では考えられないことですが、宮本常一が漁民や漁村地域の調査研究を行った結果、江戸・明治時代には魚の群れを追ってクジラが各地で入り江に入り、捕鯨がおこなわれていたことが分かっています。

 特に、五島列島のなかの有川湾では、毎年30頭から80頭のクジラが捕れ、沿岸捕鯨のピーク時には、他地域から専任者捕鯨関係の出稼ぎ集団が移入し、有川の村の人口は約3000人を超え、産業都市を形成していたようです。

 また、壱岐と対馬でも、捕鯨のための鯨組が乱立していました。尾張藩では、捕鯨を奨励していたなど、古くは1570年頃から、三河、伊勢、志摩での捕鯨の記録があります。

 そして、もっとも悲惨な漁村として、佐合島が描かれています。かつては600人を超える島民がいたのが、魚が取れなくなり、50人を切っています。

 明治の中頃には、沿岸でのクジラ漁は出来なくなっています。クジラの餌であるイワシやサバを乱獲したために、餌が無くなったクジラは姿を消してしまいました。

 ここで間違えてはならないことは、餌となる魚が先に減少していることです。捕鯨に関わっていた漁民は、沿岸での捕鯨ができなくなったので、遠洋捕鯨に乗り出していきます。この流れは日本の漁業全体の流れと同じです。クジラと同じく、魚が近くにいなくなったら、魚がいるところまで獲りにいっています。

 宮城県の村井知事は、漁業復興のためには民間企業の力を借りる必要があるとして、水産業復興特区を打ち出しました。しかし、県漁協は「民間参入を許せば、これまでの安定的な漁業管理が難しくなり生産意欲の減退につながる」などと反発し、その後、水産業復興特区構想への反発は、地元の漁協だけに留まることなく、全国へ広がりました。そして、7月1日には全漁連が都内で記者会見を開き、特区構想は「大きな混乱を招く」と反対を表明しました。

 「日本の魚は大丈夫か」、「これから食えなくなる魚」を読んだ後では、水産業復興特区で東北の(そして日本の)漁業が再生できるとはとても思えませんが、この構想をきっかけとして、日本漁業の現況が理解されることを期待しています。

 日本漁獲・養殖生産量は、ピークの1984年には1280万トンあったのが、2008年には546万トンまで減少しています。

 しかし、世界でみると全く違ったことが見えてきます。世界の漁獲・養殖生産量は1950年には2000万トンでしたが、2008年には、1億5911万トンまで増加しています。日本は1984年から生産量を減らしていますが、輸入量は激増しています。

 この間に、日本は240円から100円台の2倍以上の円高になりました。海外から見れば、東洋の小さな島国のための漁業が商売として成り立つようになったのです。日本人は日本に輸出する相手方の収入が一挙に倍になり、これまで経営的に成り立たなかったものまでが成り立つようになり、障壁・経済摩擦となっていく円高の怖さを理解していなかったのです。そして、徐々にですが、魚を食べる習慣までもが世界に広がりました。(世界に市場ができたのに、なぜ、輸出型漁業に転換し成長する方向を選べなかったのか?この背後にも円高の影があります。)

 2冊を読むまでは、なぜ、世界第3位という長い海岸線を持つ日本の漁業がこんなに衰退してしまっていたのかを、深く知ることもなく、あまり考えなかったのですが、世界の国々は、財政破綻が懸念されているEUを含めて、水産予算の約9割が漁船や漁船関連に使われて、水産業の生産性の向上が続いています。

 具体的には、日本の水産予算は2600億円程度であり、、アメリカは3000億円、EUは5000億円ですが、日本の水産予算の内、漁船とシステム改善に回される予算はたった50億円です。つまり、漁船や漁船関連の予算は、日本は50億円ですが、アメリカは2700億円、EUは4500億円となります。ですから、例えばノルウェーでは漁業が輸出産業として成長し、若者に就業機会を与えるまでになっています。

 しかし、残念なことに、日本では、水産予算の約6割は漁港等基盤整備に使われていますが、若者に就業機会を与えるほどの水産業の成長はなく、参入障壁や既得権、乱獲などで水産資源の適切な管理もできていません。

 そして、養殖においても、餌を国産でまかなうことは出来ていません。餌の輸入依存率は80%を超えており、食糧自給率計算での肉や卵の扱いと同じ考え方でみると、餌が国産でないから自給率にカウントされない輸入物ということになります。

 この本を読む限り、水産資源に関して大切なことが国民に伝わっていないと感じました。特に、著者が元水産庁の官僚であるだけに、日本政府の水産業への無策を痛感しました。日本は、世界有数の海洋面積を持つ国です。世界と同じ土俵で国が主導的な役割を果たすとともに、その海の資源である魚や漁業関係者を長期的な視野で育成する必要があります。このままでは、高くて魚が食べれなくなる日が来ます。

議員報酬削減(9月議会最終日パート3)

 9月議会最終日に、今期(来年の5月末まで)の議員報酬を4万円減額して34万円とすることが全会一致で決まりました。

 全会一致に至るまでには紆余曲折がありました。議会活性化委員会での採決の結果本会議への提案が決まっていた報酬を取り下げて、再協議をすることを含めて歩み寄りがなされたと思っています。議員報酬を削減するならば、出来ることなら全会一致が望ましいと考えていたので、これはこれでよかったのですが、問題は残ったと思っています。

 問題の一つには、報酬審議会の考え方があります。私は、道理として、全議員の合意による議会の意思としてしか報酬審議会に対しての諮問の道はないと考えていたので、委員会でも、報酬審議会に対して諮問を議長に求めることは採決になじまない、委員会の総意がなければあり得ないと明言していたので、その言葉が理解されていなかったこと、委員外議員に伝わらなかったことにより、誤解が生じたことは残念です。

 また、委員会の委員の構成を含めたあり方もよく考える必要があったと思います。

 私は、議員がしっかり勉強し活動すれば、報酬が38万円でも多すぎるとは思っていなかったのですが、市民のみなさんの報酬への評価が低かったことと、現在の経済情勢では、一定の減額は避けられないと考えていました。

 しかし、議員報酬が減額になることで市民のみなさんが理解するとは思っていません。議員の資質の向上を含め、さらに、議会活動の密度を上げていかなければならないと考えています。


ヘンデル・アリア集

 アメリカのSTAR CITY BOOKSに注文していた4枚組のCDが送られてきました。
 早速、封を開けましたが、CDジャケットに傷もなく安心しました。
ヘンデルの時代のオペラは歌手のアリアを聴かせるものであり、物語は二の次だったようです。ヘンデルの曲は美しいものが多く、何かをしながら聞き流すのには心地よいのですが、なかでもクッツォーニ、ドゥラスタンテ、セネジーノ、モンタニャーナといった名歌手のためには美しいアリアを多く書いていて、この4枚組では4人の名歌手のためのアリアがまとめられています。

 日本国内では高くて買えませんが、円高の影響もあり、直接海外に注文すればCD1枚の値段で買えるから、これまで手が出せなかったCDが買えます。

2011/10/14

産業建設委員会

 きょうは委員会があり、付託審査となっている下水道料金値上げについて、財政の繰り入れの考え方から、今後の加入促進策、加入見込み・使用料収入が過大な見込みになっていないかなど、多くの疑義を感じているので、もう1日研修が必要なところを2日間で切り上げて帰ってきたのですが、付託審査はなく、今後の日程の調整のみで、張り切っていただけに少しがっかりでした。

 日程調整のなかでは、他の自治体の繰り入れの基準内の考え方などについて研修する必要があること、審査においては財務部に対しても考え方を聴かねばならないこと、専門的な意見を聴くための参考人招致などを発言しました。

 調整の結果は、10月20日に南丹市で研修、31日、8日、18日が審査日、それから、委員会ではないのですが16日、17日、19日、20日は市民と議会の懇談会で公共料金のあり方(下水道料金の値上げ等)について意見を聴くことと決まりました。

2011/10/13

公務員給与・京丹後市は271位

東京駅の売店でお茶を買おうとして、809市区職員給料ランキングが目に留まり、買いました。

 このランキングによると、京丹後市の職員の平均月額給与は40万7968円で、全国271位で、対自主財源人件費比率は62.3%でした。

 これを近隣と比較すると、お隣の宮津市は37万5401円で584位で42.6%、豊岡市は39万2368円で398位で51.1%、養父市は38万7005円で451位で、57.3%、福知山市は40万3793円で298位で、44.4%です。

 京丹後市の職員給与は低いと思い込んでいましたが、決して低くはありません。財政の脆弱な町が合併してできた特例市のなかでは、むしろ高い方で、南丹市は36万9750円で京丹後市に比べ4万円弱も給料が低く、篠山市と丹波市も同様です。

 また、一時期公務員給与が高いと話題になった阿久根市でも36万9122円で、京丹後市よりも4万円弱低いのが現実です。

 今まで、市の説明をうのみにしていましたが、やはり、しっかり調べないといけないということを痛感しました。

医療・健康・介護の未来と自治体が担うべき役割

 確実な未来として、超高齢化・人口減少社会がやってきます。

 そして、人口の5割以上が60歳を超えるときが来ます。

 意識が低い人が大半ですが、意識を高めてもらわねばなりません。

 自治体ができることは限られています。(やりようにもよります。)

 職員も情報を知るために研修することが必要です。

 

2011/10/12

7月以来の東京

 7時24分に丹後大宮駅からKTRの普通列車に乗りましたが、心なしか以前より通学の高校生が少ないような気がしました。

 車中では、いつものように、東京に着くまで本を読みました。読んだ本は、小松正之著「宮本常一とクジラ」・「これから食えなくなる魚」と、阿部彩著「子どもの貧困」です。

 考えさせられることが多くあり、ここで詳しく書きたいところですが、携帯からの投稿は慣れていないので、帰ってから書き込みます。研修についても帰ってからにします。

2011/10/11

祭りの傘直しなど

 昨日は、朝10時から、祭りのお花(花代)の確認と集計をして、振り子へのお礼、衣装の回収、また、午後1時からは、祭りの傘直し(後片付け)で、太刀屋台を清掃して屋台倉庫に収納しました。

 そして、後片付けを終えてから鍋料理とすき焼きの具材の準備をして、午後6時から奥大野公民館の大会議室で、慰労会を行いました。今年の参加者は68人で、ほぼ例年通りでした。

 洗い物が終わって、自宅に帰って布団に入ったのは1時でした。

 きょうは、祭り衣装のクリーニングに出す前の仕分けの後、明日からの研修の下準備などで、時間が過ぎています。


2011/10/10

祭り・本宮

太刀屋台を引っ張っています。





お旅宿にて、祭礼の笹ばやしです。





本宮は、朝7時にスタートし、終了は予定通り午後10時でした。今年の祭りは天候にも恵まれ、無事終了しました。

2011/10/09

宵宮

 宵宮、お旅宿にて笹ばやしと神楽の写真です。