2013/01/17

日本農業への正しい絶望法

神門善久著「日本農業への正しい絶望法」を読みました。

著者は耕作技能が低下していることに、日本農業の最大の問題があるとしています。

かつて、日本には優れた耕作技能があり、おいしくて安全な作物をつくっていたが、どんどん死滅している。技能がないから農薬依存と名ばかり有機栽培により、栄養価も低下している・・・・・といった、農業の現状に対して厳しい意見がならんでいます。

そして、農業の技能が劣化した原因は、農地利用の問題、消費者の舌の劣化(良い物がわからない),マニュアル化した農業、問題の本質を見ないで思い込みだけで農業を美化するだけのマスコミと識者などにあるとしています。

著者は農業と農村の抱える問題をしっかり見て厳しく問題提起しており、筋が通った読み応えのある部分もあります・・・・・しかし、相対的に批判することが目的化しているような極端な・・・・・本のタイトルが「日本農業への正しい絶望法」ではそれでもしかたがないか。

でも、視野を広げるためにも一読の価値がある本です。