兵士たちの戦争 1~3巻に続き4~5巻を再読しました。
中国大陸打通作戦では、アメリカ軍のサイパン占領、航空基地移転により、作戦の目的である「中国大陸のアメリカ軍航空基地の破壊」が、途中で亡くなり、「無理して敢行せばインパール作戦の再現疑いなし。第二課長(作戦課長)の面目問題等はあらんも、この際上司の断固たる決断を望むや切なり」という声があがりながら、第二課長が押し切る。
食料の補給ができないから、現地調達が命じられ、中国民間人から食料を略奪。中国大陸を横断して1,000キロに渡り、50万人の軍人が食料を略奪しながら行軍すれば、その恨みがなかなか消えないのもむべなるかなと思えてしまう。
そして、ガダルカナルでは、戦没した約28,000名の陸軍兵士の内、戦闘での戦死は多くて6,000名であり、15,000名が「補給の不十分に基づく体力の自然消耗による」死没者(餓死・衰弱死)となっている。
インパール作戦も、補給は考えられておらず、悲惨な結果しかない。
これだけ多くの兵士が「補給の不十分に基づく体力の自然消耗による」死没者となっている事例が歴史上他にあるのだろうか?