2013/01/14

孤独なボウリング

ロバート・D・パットナム著「孤独なボウリング~米国コミュニティの崩壊と再生~」を読みました。

この本はソーシャル・キャピタルについて書かれた名書でもあり、ぜひ読みたいと思っていた本です。
著者は、アメリカ社会において、歴史的にアメリカでのソーシャル・キャピタルが形成されてきた経緯と社会への影響と、1960年代以降に自発的な組織への参加やインフォーマルな人のつながり(ソーシャル・キャピタル)が衰退していること、そして多くの悪影響が生じてきていることを膨大な資料により検証しています。

ソーシャル・キャピタルの衰退とともに、他者への信頼が世代を追うごとに下がっていき、地域社会がつながりをなくしてしまいます。

パットナムは書いています。「あなたの穀物は本日刈り入れ時である。私のものは明日になるだろう。お互いにとって有益なのは、今日は私があなたとともに働き、そして明日はあなたが私を助けることである。私はあなたに親切心を持たず、あなたが私にそれをわずかしか持たないことも知っている。したがって、あなたのために骨折るようなことは私はしない。もし見返りを期待して、自分自身のためにあなたとともに働いたとしても、私は裏切られ、あなたの恩返しを期待したことが無駄となるであろうことを知っている。ゆえに私は、あなたを一人で働くままとする。あなたも私を同じく扱う。季節はめぐる。そして、われわれ双方とも、相互の信頼と安心の欠如のゆえに自らの収穫を失うのである。」

人のつながりソーシャル・キャピタルが社会にとっていかに重要であり、構築しなければならないものであるかをパットナムは訴えています。