2011/11/16
きょうたんご「国保だより」について
京丹後市では、議会において12対11という僅差で条例改正を可決し、平成22年に国保税率を引き上げました。また、引き上げ後の平成22年度決算も12対11という僅差で認定されました。
きょう、京丹後国保だよりが新聞に折り込まれていました。
しかし、一般市民の方が読まれて京丹後市の国保の問題が分かるとは思えない内容でした。
まず、7億8889万円という繰入金の内容が解説されていないことは問題です。国保会計は基金の取崩しにより繰入金の確保ができなくなる時点で、再引き上げが必要な状況にあり、会計の持続性がないなかで、単年度の黒字のみを書くのは市民の誤解を招きます。監査報告においても、実質的には6,998万円の赤字であることが指摘されています。
それから、「保険給付費と保険税収入額」のグラフがありましたが、平成17年から平成20年のものであり、平成21年は示されておらず、平成20年度に国保税収入が3億円も減少した理由の説明もありません。一般市民の方がこのグラフを見れば、不景気の影響などによる税収減を類推されます。(実際にそう思われた方がおられました。)これだけ税収が減ればやむを得ないとの判断をしてもらいたいとの思いが伝わって来ます。
しかし、実際は平成20年度の後期高齢者制度の創設により、被保険者が平成19年の29,052人から、22,220人に減少したことから国保税収入が減少していますが、同時に医療費の伸びも減少しています。つまり、それ以前から会計の持続性は失われていたのです。
国保税については、合併協議の段階から、基金減少の推移を見ながら引き上げを検討する必要があるとの認識があり、議会でもそれ以前の決算の審査等で国保税の引き上げの必要性が指摘されていましたが、引き延ばしてしまったことが、引き上げ幅を大きくしています。
また、滞納に関しての記述は極めて弱く感じました。大きな問題である4億円を超える未収金があることが書かれていません。4億円を超える滞納の状況を書かずして、現年度の収納率の目標などを書いたり、加入者の資格管理に関して書かれていても、市民には問題が見えないと思いました。
最後に、国での検討の話が書かれていますが、これを書く必要がないと思います。京丹後市民が将来も関わる以上、まず、現在の制度を適切に持続可能に運営することに全神経を注ぐことが必要です。適切に運営すれば、制度がどう変わろうと対応できるはずです。