2011/11/27
議会改革への見えない壁
法政大学において「ひとりから始める議会改革」をテーマに市民と議員の条例づくり交流会議が開催され、冒頭「基調提起」として法政大学教授廣瀬克哉教授(自治体議会改革フォーラム呼びかけ人代表)より講演があり、議会改革には見えない壁が存在する」ことが課題提起されています。
「議会改革には見えない壁が存在する」
○当選回数の壁
当選1回であれ数回であれ議員としては対等の権利を有しますが、現実には一年生議員の発言力は軽視される傾向が窺える。
○制度と先例の壁
一般には常識と思われることも議会内では通用しない事がある。議会内では制度と先例で制約をかけられることがある。
○会派の壁
会派の人数の多寡で結論は決まっているのだから議員間で議論する必要性が認識されていない。
○(与党)意識の壁
首長議案は通す、という姿勢が二元代表制の緊張感を阻害し「議会改革」に理解が得られない。
○(野党)意識の壁
野党として首長提案を追求したり否定はするが、対案の提起は弱い。議会全体を動かそうとする改革に対しては懐疑的。
○チェック役専業意識の壁
政策づくりは役所の仕事という意識があれば、議会として一丸となって政策をつくろうとの動きになり得ない。
○自分は市民とつながっている、という認識の壁
自分は議員として個人活動はしっかりやっていて、市民(支持者)とつながっているのだから、あらためて議会報告会を行う意義を理解しない議員が存在。
○先進議会意識の壁
我々の議会は先進的にやってきた。最近の風潮として広がりを見せる改革手法に対しては懐疑的。
○危機意識の欠如の壁
従来の議会運営で何が悪い?と考える議員の存在。市民感覚とのずれ。
京丹後市議会では、これまで改革に取り組んできました。改革を進めてきた経験から感じることは、廣瀬教授が挙げておられる以外にも多くの壁があること、また、改革を進めてていくことにより新たな壁が見えてくるのが現状であり、まだまだ、改革を続けていかねばならないとの思いです。
また、議会改革は目的ではありません。改革することを目的としてしまうと、そのことが大きな壁をつくることになると思います。
議員は、議会改革を進めようと思うなら、同時に幅広く政策に精通していることが必要であり、議会改革をツールとして活用して、そのアウトカムとして市民の目に見える形で、行政の政策あるいは施策を改善することが必要です。
もちろん、全ての政策等を変えていく必要はありませんが、もし、全く何も変わらないとしたら、市民から見た議会改革とは議員の自己満足としか映らないと思います。